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「えーこちら現場の椿崎です。只今宍戸が一人の女の子に連れられ校舎裏へー!おっとぉ!?ここで臨時ニュースです!女子の外見の情報が入ってきました。えー髪はハーフアップの清楚系、きっと大抵の男子の理想でしょう。…しかーし!女子はバッチリとメイクをしているようです!アンバランスです!はっきり言って清楚系は作られていると私、椿崎は考えます!」 「せやなぁ…でも綺麗な足しとるであの女子。」 「宍戸もやるねー。」 背後から声が振り返ってみると忍足と滝が。忍足、貴様はどこを見ている。 「ってうおぉいい!?何時の間に!」 「撫子が現場の椿崎ですって言ったときからや。」 「始めからじゃないか!」 ていうか二人で行動とか、なにフラグ!?滝と忍足は二人きり?私邪魔者? 「俺で妄想しないでくれるかな?」 「ごめんなさいでした。」 「撫子が校舎の方へ走っていくのが見えたからさ何か面白いことでも見つけたかと思って。」 「私の超直感が…じゃなくて面白いことになったね。宍戸の告白現場、プッ。」 撫子が宍戸から目をそらし笑う。 「撫子、見て女子が三人になった。」 「え?」 宍戸の方を見るとさっきまで一人だった女子がいつの間にか三人に増えている。しかもそのメンツは本当に金持ちの子なのかという疑問よりも、本当に中学生なのかという外見をしていた。 「うわー、女子って怖いなぁ。撫子もメイクしたらあんなんなるんか?」 「なるなる。もう別人みたいに。コスしてるし、メイク技術はそこらの女子には負けないと思うよ。」 「へー、是非とも見たい物だね。」 「……善処させてくださーい、マジで。」 「ハハッやっぱ面白いねー撫子は。」 「……誉められてるの?貶されてるの?バカなの?死ぬの?忍足が。」 「何言うてんねん!」 「あ、女子達に行動が見られましたよ。お滝さん!」 「スルーかい!」 清楚ぶってた女子は宍戸の前に、他二人が宍戸の腕をホールドしていた。 これはもしかしなくても、あれではないのかい?無理やりちゅーな展開ではないかい? 「これはまずいことになるねー。」 「滝もそう思うか…。」 「宍戸ばっかりずるいねん。あんな可愛い子とちゅー出来るなんて。」 「三次元女子に飢えてる男子がなんか言ってるー。キモイよー。」 「そこまでいくと救いようがないかな。」 「ほっとく?」 「明確な判断だね。」 「…泣いてええ?」 「啼けば?勿論鳴くんだったらん゛…ええ声でな。」 「ヒィっ!?」 撫子はドS発動。忍足は怯え。それを見た滝は爆笑。話している間にも女子達は行動を止めない。清楚ぶってた女子が宍戸の首に手をかけた。さっきまで照れて顔が真っ赤だった青少年宍戸は段々青ざめていった。 「やべ、動画撮っとけばよかった。」 あんなに顔色がコロコロと変わる人を見るの初めてだ。 「大丈夫俺が撮ってるよ。」 「マジ!?コピーさせて!」 「うん、良いよ。」 二人には肖像権と言う概念がないのか。というより、盗撮は犯罪なのだが…。 |
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