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「「「御馳走様でした!」」」 「お粗末様でした。杏、片付け手伝ってくれ。」 「はーい。」 桔平と杏が空になった皿を持って台所へ。その他のメンツはゴローンとしてまったりとしている。 「あー…そう言えばキューティクル君と鬼太郎君の名前忘れちゃったよ。教えてー?二年生なのは覚えてるけど。」 「なんでその情報は覚えてるんですか。神尾アキラですよ。」 「二年ってことだけ覚えてるとか何?俺達をどれだけ見下したいんだよ…。」 「コラ深司。」 台所にまで伊武の呟きは聞こえていたようで、桔平が注意した。 「…すんまそん。…伊武深司だよ。橘さんも人が良すぎ…。俺達に料理を食べてもらいたいって言ったから俺は来たのに、まともに食べれてないよ。」 「……ハハハハ、呟き攻撃痛てぇ。」 「で、何者ですか?あなた…。」 「氷帝学園中等部三年H組所属、椿崎撫子だよー。元男子テニス部マネージャー。」 「あ…俺達のことを知ってたのって都大会の時…?」 「そうそう、その時。」 その時は橘君の後輩ハーレム最強じゃね?説を私は妄想していたなぁ。実際現実っぽい。神尾君や伊武君って橘君の命令なら絶対、みたいな感じするもん。こんな時、ネタ集めはするべきだってばっちゃが言ってた。 「…ねぇ、君達さ、橘君を凄い尊敬してるようだけど何か事件でもあったのかい?」 「橘さんは…不動峰のテニス部を変えてくれたんですよ。」 「ほぅ!詳しく聞いても大丈夫かな?」 「俺もそれに興味あるばい。」 撫子が食いつき、千歳も桔平の過去話と言うことで食いついた。そして神尾と伊武が話してくれた。昔のテニス部がどんなものだったのかという事。桔平が何をしてくれて、どうなったかと言う事。誇るように話してくれた。 「ッ涙腺がぁ!涙腺がぶっ壊れるー、目からテニスボール!千歳君ー、橘君すごいよぉ。生きる伝説だよー!」 「椿崎もそう思うと?桔平…それでこそ九州男児ばい!」 「千歳君、…橘君を大切にしてあげてね?」 「言われるまでもなか。」 「「イデ!?」」 頭に強い衝撃が走った。上を向いてみると、桔平が手を手刀のようにしているではないか。撫子と千歳にチョップをかました直後らしい。 「誰が、誰に大切にされないといけないんだ。撫子さんも変な方向に想像しないでくれ。」 「……いや、私は事実を擁護しようと…。」 「いい加減にしないと流石の俺もキレるぞ。千歳に、」 「俺か!?」 「や、それは勘弁していただきたい。橘君話を聞く限りじゃ元ヤンぽいもん。」 「ぽいやなかよ、桔平は獅子楽に居た頃は金髪ロン毛だったと。」 「うわーぃ、絶対近寄りたくない外見してらっしゃった!…ん?しかしその外見で料理が上手いって言うのはギャップ萌えとしていけるな。橘君はいつからこう…千歳君に餌付けしてんの?」 「ん?確か獅子楽に居たときに俺の弁当を見せたことがきっかけだった気がするが…。」 「確かそうばい。俺がつまんで、美味しくてリクエストしたのがきっかけだったと。」 「まぁ、料理する事自体は嫌いじゃなかったからな。」 「へー、て言うか出会ったエピソードとか劇的な事あんの?」 「出会ったきっかけは、そう…夕陽でオレンジに染まった河川敷。殴り合いから始まったばい!」 雰囲気たっぷりに語る千歳。それに頷く桔平。しみじみと聞いてみた。 「…わーい!ナチュラル、ナチュラル!」 ガチ不良キタァア!エピソードぱねぇ!青春アミ○ゴォオ!私はあれをガチホモドラマだと信じてる。だってヒロイン一人学校置いて男を追いかけて転校するなんてスゲェぜ。ヒロインぽかんだよ。しかも原作は野ブタさんは野ブタ君だしな!どこまでBLBLしてんだよって話だよ。 |
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