227 |
「おー、亮ついに撫子さんに申請したのか。」 「そうだよ、前々から誘おうと思ってたし。」 「羨ましいのねー、写真出来たら見せてほしいのねー。」 六角組がまた盛り上がっていた。 「あ、そう言えば…みんなからはパンピ臭がするのになんで私の存在の認知度100%なの?」 「俺は周助から教えてもらったんだよ。」 「俺らは亮から聞いたぜ?なんでも神って呼ばれる存在の奴ってな。」 「NOOO!なんて言う紹介の仕方なんだ!恥ずかしいではないか!私よりも神々がいらっしゃるというのに!私よりもペテンさんを神と崇め讃えましょうよ!」 「クスクスクス、いいじゃん。事実なんだからさ。」 「しかもパンピに布教活動でいきなりコスプレって…。」 「大丈夫だよ撫子さん。いずれみんなをこっちの道に引きずり込んで大型あわせをするのが僕の夢だからね。」 「なんですって!?そう言うことなら心の奥底から応援します。是非とも引きずり込んでやって下さい。そしてバネさんとダビデさんには露出が高いキャラでお願いします。腹筋が絶対神がかってると思うんで。」 「そうすることにするよ。」 「そうだ、写真撮ってるところ見学させてくれよ。」 バネさんが提案した。 「そうだね、そろそろ休憩を止めて撮影会続けようか。」 「あぁ、うん。でも忍足がまだ葵君に拉致られたままだよ?」 忍足の姿を探すと剣太郎がまだしつこく質問をしている情景が見えた。しばらくはこっちに合流できないだろう。 「問題ないよ。なんの為に竜崎さんが居るの?」 「そっか、なにも三人セットでなきゃいけない訳じゃないもんね。桜乃ちゃん撮ろう?」 「はい!」 午後の撮影会の開始である。 ギャラリーも増えて桜乃が緊張すりるかな?と危惧していたがそんな事はなかった。どうしてだろうと疑問に思って聞いてみると、あの夏コミに参加したときコスプレ広場たるところに言ったら沢山のカメラに囲まれたらしい。つまりは、人の目には少しながら慣れた。と言うことだ。 そして夕方。撮影会も終わりである。 「お疲れ様でした!とても有意義だったよ!ありがとう!」 「こちらこそ誘いに乗ってくれてありがとうございました!」 「………お疲れ様…や……。」 撫子と朋香が挨拶をしていると忍足もなんか帰ってきた。剣太郎からはなんとか解放されたらしい。ハイパーを拘束していた当の本人はハイパーから培ったであろう知恵を六角メンバーに自慢気にて話していた。 眩しいなぁ、と思いながらその光景を見ていると佐伯と目が合った。向こうが軽く手を振ってくれたので撫子は撮影会を許可してくれた感謝も込めてお辞儀した。 「じゃあ、東京に帰ろうか。」 「あ、待って!服も着替えてないしメイクも落としてない!」 「えー、僕早く帰りたいんだけどなぁ。10分で全部終わらしてね。」 「なんという無茶振り!別に一緒に帰らなくても良いじゃん!」 「僕が一緒に帰りたいと思ってるの。ダメ?」 人差し指だけ立てた状態で口元に持ってきて小首を傾げる。 「ううん。ダメじゃないダメじゃない。全然ダメじゃない。貴重なデレをありがとうございます。」 「じゃ、すぐに、すぐに帰る準備してね?」 「イエッサー!桜乃ちゃん、忍足急ぐよ!」 「は、はい!」 「え、俺もう疲れた…。」 三人は速攻で着替えてメイクを落として、準備完了。不二の元へ帰る。そして東京へ。 東京についてそれぞれの帰路へ。撫子はANの家に行って果実男児の手作り料理を食べる約束をしていたので自宅ではなくANの家に。 「へー、アパート暮らしなんだ。」 ANが兄と住んでいるという家の前までやってきた。 「はい、そうなんです。あまり広くありませんが……あ…。」 撫子を中に入れようと玄関を開けたらたくさんの運動靴と一足の存在感が在りすぎる下駄が空間を支配していた。 「ん?誰か来てんの?」 「あー…アキラ君達だと思います。…ま、いっか。撫子さんどうぞ入って下さい。」 「ういー。お邪魔しまーす。」 「お兄ちゃーん、ただいまー。」 ANが奥へと入っていく。撫子は何となく玄関で立ち止まっている。 「杏か、お帰り。」 奥から声がした。きっと兄なのだろう。 「ただいまー。アキラ君達来てるんだ。私もね、お客さんつれて来ちゃったんだけどいい?」 「構わないぞ?誰なんだ?」 「撫子様だよ。撫子様ー、入ってきて下さいよー。」 ANに呼ばれて玄関から奥の部屋へ。 「う、うん分かった!…………て、不動峰の橘桔平君!?え、なんで金髪!?」 「あれ?撫子様、兄の事知ってたんですか?」 「撫子様って笑顔動画の撫子さんか!?」 撫子もANもANの兄も驚いて一瞬静かになった。そして奥から新たに反応した人が一人。 「桔平ー、どうした?何があったと?って椿崎、なして?」 「千歳君なんで!?」 みんながみんな驚いて硬直状態に。世間って狭いね。 |
<< TOP >> |