青春Destroy | ナノ


224


「さささ桜乃、ANちゃん!どうしよう。薬売りさんもハイパーさんも居る!本物だよ!本物!」

三人が固まって挙動不審なう。テンションがあがりすぎたようだ。

「朋ちゃん、私こんなレベルで二人と並んでもいいのかな!?私、烏滸がましくないかな!」

「え、そっちの…えーっとメガネさんってコス初めて…なのに浮いてない…すごい!」

「私、並びたくない!朋ちゃん助けてぇ!」

桜乃が朋香の腕にしがみつく。

「や、私に助け求めないでよ!」

「だってセッティングしたの朋ちゃんでしょう!」

「そ、そうだけど……。」

ロリがロリロリしてるよ。

「「あー…萌えぇ……。」」

撫子と忍足はそのやり取りを平和に眺める。

「ね、折角のロケなのにしないの?僕、写真を撮りに来たのにな?」

不二にとっては何も面白くなかったようで、撮影はしないのか、と急かす。

「あー…する。桜乃ちゃんおいで?」

撫子が手招きをする。が、桜乃は一向に来ない。撫子はただの手招きをするのに飽きて、ちょっとエロチックに手を動かしてみた。

「なんや?それ…。」

「ん?モノノ怪の化け猫編、天秤を天井に上げる時の手つき。私はあれが群を抜いてエロい手つきだと信じてる。」

「詳しくどうも、そして激しく同意。」

桜乃は諦めたのか、はたまたその手つきに誘われたかして、やっとこちらまで来た。
やっと撮影の開始だ。取りあえず薬売りと加代のツーショットを収めていく。それから薬売りとハイパーのあわせ。
気が付けばもうお昼。

「もうお昼かぁ…どうする?」

「僕、もう少し撮りたいな。まだ撫子さんピンで撮ってないし。」

「んー、じゃあその辺のコンビニでお昼を……ってダメだ、私コスしてた…。」

流石にこんな格好でコンビニを利用出来ない。

「あ、私お弁当作ってきました。みんな一緒に食べません?」

ANが提案した。そのANの手元には重箱がある。

「うっひょい、ANちゃんマジ天使。」

浜辺でランチ。まだ九月で日差しが強いが、それもまた一興。そして重箱オープン。

「「「おおー!!」」」

そこには色とりどりの食材で作られたキャラ弁があった。トトロに、チビトトロ、まっくろくろすけ、猫バス。

とてもハイクォリティー。

「ANちゃんステキ!ベネ!私の嫁になって下さい!」

「あ、これ作ったの兄なんです。」

「マジ!?…兄さん私の嫁になってくれないかな…。」

「それでも嫁なんか。」

「オフコース。しかしこんなハイクォリティーなの…柑橘系男児さんの動画しか見たこと無いわ…。」

柑橘系男児とは笑顔動画にキャラ弁イタ弁を作ってみた。と言う動画をうpしているユーザーである。丁寧に分量、作り方を書いているとても親切な動画だ。

「え、私の兄の動画知ってるんですか?」

「へ?兄ぃ!?ANちゃんのお兄さんが柑橘系男児さん!?」

「はい、兄は元々料理が好きで…今日のこれも友達がリクエストして…でも食べきれなくて持ってきたんです。」

「うわー…ANちゃん羨ましい…柑橘系男児さんの料理を毎日食べれるなんて…。」

くわえ箸をしながら見つめる、本当に羨ましそうだ。

「家に帰ったら…まだあるんですよ…ジブリシリーズが。今日私の家に来ますか?」

「いいの!?私の辞書に遠慮って文字無いよ!」

「はい、むしろ来て下さい。兄も喜ぶと思います。」

「よっしゃぁぁあああ!!まるで夢のような展開、お腹空かせとかなきゃね!でも今はしっかり食べるよ!」

<< TOP >> 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -