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「さささ桜乃、ANちゃん!どうしよう。薬売りさんもハイパーさんも居る!本物だよ!本物!」 三人が固まって挙動不審なう。テンションがあがりすぎたようだ。 「朋ちゃん、私こんなレベルで二人と並んでもいいのかな!?私、烏滸がましくないかな!」 「え、そっちの…えーっとメガネさんってコス初めて…なのに浮いてない…すごい!」 「私、並びたくない!朋ちゃん助けてぇ!」 桜乃が朋香の腕にしがみつく。 「や、私に助け求めないでよ!」 「だってセッティングしたの朋ちゃんでしょう!」 「そ、そうだけど……。」 ロリがロリロリしてるよ。 「「あー…萌えぇ……。」」 撫子と忍足はそのやり取りを平和に眺める。 「ね、折角のロケなのにしないの?僕、写真を撮りに来たのにな?」 不二にとっては何も面白くなかったようで、撮影はしないのか、と急かす。 「あー…する。桜乃ちゃんおいで?」 撫子が手招きをする。が、桜乃は一向に来ない。撫子はただの手招きをするのに飽きて、ちょっとエロチックに手を動かしてみた。 「なんや?それ…。」 「ん?モノノ怪の化け猫編、天秤を天井に上げる時の手つき。私はあれが群を抜いてエロい手つきだと信じてる。」 「詳しくどうも、そして激しく同意。」 桜乃は諦めたのか、はたまたその手つきに誘われたかして、やっとこちらまで来た。 やっと撮影の開始だ。取りあえず薬売りと加代のツーショットを収めていく。それから薬売りとハイパーのあわせ。 気が付けばもうお昼。 「もうお昼かぁ…どうする?」 「僕、もう少し撮りたいな。まだ撫子さんピンで撮ってないし。」 「んー、じゃあその辺のコンビニでお昼を……ってダメだ、私コスしてた…。」 流石にこんな格好でコンビニを利用出来ない。 「あ、私お弁当作ってきました。みんな一緒に食べません?」 ANが提案した。そのANの手元には重箱がある。 「うっひょい、ANちゃんマジ天使。」 浜辺でランチ。まだ九月で日差しが強いが、それもまた一興。そして重箱オープン。 「「「おおー!!」」」 そこには色とりどりの食材で作られたキャラ弁があった。トトロに、チビトトロ、まっくろくろすけ、猫バス。 とてもハイクォリティー。 「ANちゃんステキ!ベネ!私の嫁になって下さい!」 「あ、これ作ったの兄なんです。」 「マジ!?…兄さん私の嫁になってくれないかな…。」 「それでも嫁なんか。」 「オフコース。しかしこんなハイクォリティーなの…柑橘系男児さんの動画しか見たこと無いわ…。」 柑橘系男児とは笑顔動画にキャラ弁イタ弁を作ってみた。と言う動画をうpしているユーザーである。丁寧に分量、作り方を書いているとても親切な動画だ。 「え、私の兄の動画知ってるんですか?」 「へ?兄ぃ!?ANちゃんのお兄さんが柑橘系男児さん!?」 「はい、兄は元々料理が好きで…今日のこれも友達がリクエストして…でも食べきれなくて持ってきたんです。」 「うわー…ANちゃん羨ましい…柑橘系男児さんの料理を毎日食べれるなんて…。」 くわえ箸をしながら見つめる、本当に羨ましそうだ。 「家に帰ったら…まだあるんですよ…ジブリシリーズが。今日私の家に来ますか?」 「いいの!?私の辞書に遠慮って文字無いよ!」 「はい、むしろ来て下さい。兄も喜ぶと思います。」 「よっしゃぁぁあああ!!まるで夢のような展開、お腹空かせとかなきゃね!でも今はしっかり食べるよ!」 |
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