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いつものテンションからは考えられないものでどうしたものかと悩む三人。昨日の対桃城の態度とは違う恐怖がある。数分硬直した状態が続いた。そして扉が開かれた。 跡部だ。跡部が部屋に入ってきたのだ。 「おい、椿崎は居るか?椿崎の部屋がもぬけの殻なんだ、が………テメェ昨日ここで寝たな?」 神の救い!!と感じた三人だったが、疫病神が来ました。撫子の神経を逆なでし始める。 「…そうじゃけど、なに?………オートロック爆発しときゃええんじゃ。」 「何のために部屋を分けたと思ってんだ。アーン?」 「…退けぇ、フロント行くんじゃけん……着替えがねぇんじゃから。」 「待て、話が途中だ。」 「朝から喋らすなっつっとるんじゃ、ボケが…チッ。」 前に垂れていた髪をかき上げならが跡部を睨みつけた。その目つきはまるで蛇。 「…………………。」 跡部さえも押し黙り、撫子に通り道を譲った。まさに蛇に見らまれたカエル状態。それから撫子は黙ってフロントへ向かった。 スペアキーで部屋を空けてもらって整容その他諸々を済ませる。その間、撫子が何故あの部屋にいた理由を知ってる白石が尻拭いをすることになっていた。そして、みんなが覚醒して朝ご飯は初めて一同でとることとなった。 「おはやっほー!」 「撫子さん!おはようございます!」 「あー…朝からリョーマのエンジェルフェイスを拝めるなんてついてるわー!」 「撫子さん…おはようさん。」 「おお、蔵さんおはよう!昨日は楽しかったね!次からはスカイプで話そうね。」 「お…おぉ。撫子さん朝のこと覚えとるか?」 「あ?……あぁ、確か真田君の声で起きて……跡部だ。オイ跡部、私に何の用だったんだ?」 意識は確かにあったが、人に対するコミュニケーション能力までは起きていなかったようだ。まぁ、撫子はちゃんと自覚して注意までしたから周りへの配慮は十分だと思う。 「………夏休みの課題は終わったか?」 「モチ、余裕。それがどうかした?」 「まだ終わっていない奴が他の学校にも居ることが分かった。午後は勉強会だ。」 「りょーかい、にもって事はうちの学校にも居たわけね。」 「あぁ、ジローと岳人と…宍戸だ。」 「へー…宍戸…なんか予想外だなぁ。中間は成績良かっただろうに…。まぁ……あ、光君…光くーん!君は大丈夫だった?」 「あ、はい。終わらしとります。そして撫子さん、午前中は収録でええんですよね?」 「おう!問題ない。朝ご飯食べたら先に曲、歌っちゃおうかしらね?」 「了解っすわ。」 そして朝ご飯を食べ終わってみんなそれぞれ移動。撫子は財前と共に音響設備の整ったフロアへと移動。 「さて、始めますか。」 「はいっす!」 本格的な収録スタジオ。そんな物が何故ホテルの中にあるのかツッコんではならない。財前は本格的な機械にテンションがあがる。撫子もテンションがあがる。良い作品が仕上がりそうだ。 発声をして、何回か歌って、撫子も財前も納得できる物が出来た。 「よっしゃー!録音終了!」 「お疲れっすわ、次はダンスっすけど…どうします?練習しますか?」 「あー…したい。光君はそれをmixしてよ。その間私着替えてメイクして軽く体動かしとくし、光君はmixに何時間かけたい?」 「っすねー…二時間あったら出来ます。」 「よっし、だったら二時間後にスタジオがあるフロアに集合ね。」 今後の計画を立ていったん別行動。撫子は自分の部屋に衣装とメイク道具を取りに一度戻った。 「撫子さん探したで!どこ行っとったんや!」 「おお!蔵さん、すまないね今さっき歌の収録してたんだよ。これからダンスの収録なんだよ。昨日言ってたよね来る?」 「もちろん行くで!」 |
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