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白石は撫子と共に仁王と撮影会をしていたフロアへ移動。 撫子はつくなり柔軟体操。準備運動は重要です。 「1ー2ー3ー4ー……。」 「体柔らかいなぁ…。」 「ま、ね。ヶ原さんをリスペクトしてたら私も柔軟にはまってねー、もうぐにゃんぐにゃんになるよ………………ってと、ワンエンツー、スリーエンフォー、ファイブシック、セブッエイ…!」 軽く踊る。 「おおー!」 「歓声ありがとう。だがしかし、こんなんで驚いてもらっちゃ困るぜ!」 「本番が楽しみすぐるわ!……カメラマンどうするんや?俺はカメラ構えんで、やって撫子さんをレンズ越しで見とぅないもん。」 「……どーしよう…周助君と柳生君呼んでみようかな?」 ケータイを取り出して電話をかけてみる。二人ともいい返事をしてくれた。一時間後から撮影開始だと言うことを伝えて、通話終了。 「さて、……着替えますか。」 部屋から持ってきた木手デザインの衣装を抱える。 「ん?なんやそれ。」 「えーっと有名デザイナーのチョココロネさんが私モチーフでデザインしてくれた衣装……。」 「そんなんあるんか!?」 「おう、あるんだ。衣装来てフルメイクしてくるから光君とか周助君とかその間に来たら私は着替え中だって言っといてねー。」 「了解や!」 フロアの端の方にあった更衣室で着替える。服を着てみて、一言。 「……ぴったりすぎてマジ怖い。」 まるで採寸を一センチの狂いもなく測ってから作ったよう。木手のクオリティーの高さに脱帽。服を着て、髪を梳いて整える。 「メイク…本気出すか!」 笑顔動画で初めて顔を晒すし、仮面を兼ねてガッツリメイク。しかし厚化粧過ぎないように気を付けて。そして仕上げに衣装に付属されていたカラコンを入れて完成。 「っしゃー!完成!ぱっと見別人、計画通り!私は別人私は別人、別人別人別人別人別人別人別人別人別人別人別人別人別人―――…。」 撫子は更衣室から出て行った。そして白石が居る方を向く。 「…なんだこのギャラリーの数は、」 白石が居るのは分かる。財前が居るのも、不二や柳生が居るのも分かる。しかしなんで、リョーマ、手塚、乾、仁王、幸村、柳、赤也、謙也、一氏、小春、滝、忍足、が居る?殆ど大集合ではないか。 「や…や……なん?その服…。」 撫子に向けて指を指してキョドっている白石。白石を筆頭に他のメンツ、財前以外がキョドっている。撫子も別の意味でキョドっている。 「や…チョココロネさんが私イメージに作ってくれて…。それよりも私はギャラリーの多さにビビってんだけど?どうしてそうなった。」 「僕についてきたのは手塚と越前だね。」 不二がそのメンツと遊んでいて抜けるときに説明したら自分達も見学したいとついてきたらしい。 「あー…手塚君は私の師匠みたいなものだからあんま見てほしくないんだけどなぁ…。」 「別に指導するためにここに来たのではない。見に来たんだ。撫子さんが思うように踊ればいい。」 「私には仁王君と幸村君…のはずでした…。」 「それで俺が柳と柳の幼なじみを見かけてね、誘ってみたんだ!」 「わー…なんて言う連鎖?…もう、文句は言わねーけど…仁王、テメェはダメだ帰れ。」 「何でじゃ!?」 「どうせ冷やかしだろぉお!止めろよぉお!恥ずかしいじゃねぇええええかよぉおおおお!!」 「酷いぜよー!偏見じゃぁあ!」 「やれやれ、日頃の行いが悪いからこのような偏見に遭うのですよ?これを機に改めてはみませんか?」 「…プピーナ。」 「や、柳生君…紳士の仮面が…ずれてますよー?」 なんという言葉責め…! 「…撫子さん、仁王君の見学を許可して下さいませんか?仁王君は撫子さんのファンだったんですから。」 「あー…私がペテンさんのファンだったようにね、了解。仁王、柳生君に免じて許してあげるよ。」 「素直じゃないのー。」 「還るか?土に、」 「すまんかった。」 |
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