青春Destroy | ナノ


213


カメラを急いで取ってくるとき自室の棚の上に置いたままな気がする。ポケットをパンパンと叩いても存在を確認できない。

「な!?」

「四日目の滞在にして何たる失態!」

「どないするん!?」

「フロントには人は居ない…跡部は別の部屋…………仕方ない、今日だけここで寝さしてもらうよ。」

うん、それが最善だ。跡部に頼るのは嫌だ。

「却下や!」

「何で!?」

「性別考えて!」

「知ってるよ!けど跡部に頼るのは嫌だ!絶対に嫌だ!それに早く寝たい!」

「そんなに跡部君を頼るんが嫌か!」

「嫌だ!頼るくらいなら廊下で寝る!」

「それもあかん!」

「だったらここで寝るのおkしてよ!寝るだけじゃん!誰も夜這いしないから!わかった。リョーマや金ちゃんと言うマジ天使sからは一番離れたところで寝るから!」

「そういう問題やないで!?」

「良いじゃん!寝るだけ!みんな寝てるし!にゃんにゃんくんずほぐれずなんて展開起きないから!むしろお前ら同士で起これ!」

白石がかなり苦悶な表情を浮かべた。

「〜〜〜〜…分かったわ、寝ぇや…。」

「よっし!」

結局は白石が折れる形になり、撫子は端の方で、白石の隣で寝ることにした。

「じゃ、おやすみー。あ、私寝起きかなり悪いから話しかけない方が良いよー。言ったからね!」

そして数分後、撫子からは規則正しい寝息が聞こえてきた。

「…………ハァ…。」

逆に白石からはため息が、多くは語らないが……白石頑張れ、超頑張れ。

そして朝、一番に起きたのは真田だった。いつも起きるのが早いらしく、癖で起きたようだ。そして朝ご飯を食べに行こうと部屋を出る。その時、撫子の姿を確認した。

「何故椿崎がここに居るのだぁあ!?」

大声を上げる真田。その叫び声を聞いて二人、目を覚ます。只今合宿5日目、疲れがたまってきたようでちょっとやそっとでは起きない人が多数。

「あー…さっき寝たとこなんに……撫子さん起きぃ、朝やで。」

「弦一郎、騒音被害で訴えるぞ…撫子さん…が何故居る。」

眠りが比較的浅かった人物、とりあえず白石と柳が起きた。撫子はまだ起きない。

「撫子さーん、起きぃー。朝やでー。」

「撫子さん何故居る、あれか、展開に期待していたのか?残念だがここは三次元だ。」

「んー………。」

「椿崎さっさと起きんかぁああ!!!」

とどめと言わん限りの声で真田が叫ぶ。

「……ぁ゛あ゛?」

やっと起きた撫子。返事がドスの効いた声である。長い髪がボサボサで顔面にもかかっており、髪の間から見える睨みつけるような瞳がまた恐ろしい。

「「「!?」」」

「うっせー…………………チッ。」

髪を書き上げながら騒音の発生源をにらみつける。

「何だ!!その態度は、シャキッとせんか!」

「や、真田君…撫子さんを刺激するんは止めてくれんか?」

そう言えば昨日寝起き悪いから、と注意を受けた。

「たるんどるぞ!」

「うぜぇ…黙んねぇ……朝から喋らすんじゃねーよタコ、チッ。」

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