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「あぁ、無駄に知識が偏っているな。」 「褒め言葉だったり、…まぁ、残酷な非人権的なものって刺激が多くて読みふけっちゃうんだよねー。読んだ後の放心状態がエクスタシーつって。」 「否定はしないが…それは桃以外にも威力はあるぞ?」 と言われ周りを見るとドン引いているメンツが多数。 「あちゃー……!?リョーマ!リョーマは!?」 とりあえずドン引いて居る人は大石や菊丸、河村だったから良いが、リョーマに引かれるのは嫌だ。リョーマの姿を探して、見つけた。手塚に両耳を押さえられているリョーマの姿。 「ッ…手塚君GJ!ありがとう!」 「…あぁ。」 「て、手塚部長!なんなんすか!ここ、このッ女!」 完全に怯えモードに入った桃城。完全に心を折ることが出来たらしい。怯えている様子がまたまた加虐心を煽る。君ってやつはこうもツボを押さえてくるのか。最高だ。 「撫子さんは笑顔動画の神だが?」 「やっだ、神は舞長さんでしょう!」 「は…あ?」 ドパンピらしい桃城は笑顔動画の存在を知らなかったらしい。 「笑顔動画を簡潔に言うと自分の作った動画をアップしてそれに対して閲覧者が一言のコメントを書き込んでいくような動画投稿コミュニティーサイトだ。」 乾がメガネをクイっと上げながら桃城に教えた。 「ハァ…どもっす。」 「その中でも随一の神だ。その辺の歌手よりも上手い、撫子さんCDなどを出す気はないのか?」 「んー…いくらか声はかかってんだけどねぇ、今はそんな予定無いよ。そこまでの人物だって私は自負してませんから。」 「そうか…。」 「何故手塚君が落胆する!」 「ファンとしては出てほしいんだ。」 「確かに私も舞長のDVDが出て欲しいと感じるわ。」 「話が逸れてしまったようだ。桃城、今度は俺が説明しよう。」 「はぁ…。」 「とりあえず、撫子さんは桃が思っているようなミーハーではないぞ。氷帝学園中等部三年H組在籍。前は岡山県の中学校だ。そして只今優等生同士の交換転校プロジェクトの試験生徒。経過は良好、中間期末テストは共に2位。マネージャー業は渋りながらも完璧にこなす。氷帝ではお姉様、姉御と言う名称で慕われていて支持者は跡部よりもあるかもしれないとのことだ。まぁ、ネット界の支持層を含めれば跡部を簡単に凌駕するだろう。」 「…なんすか…その、完璧人間……。」 「その完璧人間こそ桃が喧嘩を売った椿崎撫子さんだぞ?」 「………………。」 「謝っておいた方が良いと思うが……?助言はここまでだ。」 乾の言葉で桃城が険しい顔をする。なんせ、散々撫子を貶したしさっきなんて殴ろうとした。自分の先入観だけで撫子を罵った。撫子に非は一つも無かった。今更後悔だ。撫子は腕を組んで静かに桃城を見つめる。 「………すんま、せんでした…。」 ぺこりと頭を下げた。 「……まぁ、私は優しいから許してやるさ、十分に私に感謝しな。先入観で判断することは私にも昔だけどあったからね。その気持ちは分からなくもないよ。けど…この先一瞬でも私の身長を貶してみろ、そん時は…もっと酷い地獄を見せてやるよ。」 最後だけ冷たい目で桃城を睨んだ。 「肝に…命じとくっす。」 「良い心がけだよ。」 何やかんやあって撫子と桃城はやっと和解できた。和解できても連載中の『俺を熱くさせるお前』は完結まで書き上げてやるぜ。そしてプールで一通り遊んで、ご飯を食べてあれよあれよといつの間にか夜。 寝るにはまだ早い夜の8時。何して遊ぼうかと撫子が考え込み始めた。そんなとき白石が話しかけてきた。 「撫子さん、今から語らんか?」 そう言えば語らおうって約束してた。 「おお、良いね!どこで話す?」 「話聞かれるとあれやし、このホテルのカフェ行かん?」 「行くー!」 二人はお洒落めいたカフェへと移動。勿論二人以外に客は居ない。店員は居ないっぽい、夜はセルフなようだった。 「さて…何から話そうか?」 「えーっと、とりあえず四天宝寺の可能性を話しても良いかな!?後から氷帝と立海と青学についても!後他校の可能性も!」 「話すネタは尽きんなぁ。」 「尽きないね!時間があってもまだまだ足りないよ!でもこの時間を大事にするよ!後、メモできるようにさっき部屋からネタ帳持ってきた。」 「準備万端やな。」 「私が二次元に対する愛に死角無し!」 「せやな、じゃ話すか!」 「いえっす!」 そして始まったカオスな時間。腐った人以外がここに来たらハンパないダメージを心に負うこと間違いなしの語り合い。 近づくな危険。 |
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