青春Destroy | ナノ


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「認めてあげるよ。だがしかし、二次元と2.5次元まで、三次元は声優・俳優・そして私が崇め称える神々達までだ!跡部ぇ?忍足ぃ?ファンクラブ持ちの同級生ぃ?んなただのイケメンなんかにうつつ抜かすかボケェ!むしろ怖いわ!イケメン怖い!」

「意味わかんねぇこと言ってんじゃないっすよ。日本語喋って下さいよ!」

「ッハー、なんてセオリーな反応、飽き飽きっすわ。そんな反応宍戸もしてくれたぜ?ホント、多様性が無いっつーかねー…ハハハ、ある意味で実に面白い。」

「何一人で納得して、笑ってるんすか…実に気味悪いっすよ。」

「うわー…腹立つー…乾で…乾君から私のこと、聞いてないの?」

「聞いてないっすよ。別にあんたの事なんて知りたくないっすから。」

「ふーん…後悔するのは君だ、すでに後悔してるべきとでも言っとく。私は君と海堂君をCPにしたかったが…君は忍足とだ。攻め的スペックは十分あるって言うのに、もうそんな君にとって美味しい事させるもんですか!お前は一生右だ!組み敷かれておけ!下克上なんてさせねぇかんな!例え将来イケメンになって凛々しくなっていたとしてもだ!」

「は?」

「やはりそうか。」

乾が呟いた。乾も撫子の最新作を読んでいたようだ。

「んー…言葉で脅そうにも君は頭悪そうだから通じなさそうだねぇ。私の得意分野なのに…言葉で黙らせ、ねじ伏せる。最ッ高!最後はいつ言ったっけ?…あぁ、球技大会が最後か。だったらそろそろ言葉のドッジボールをしようかな?うん、自己満だ。効果のほどを期待しなかったら良いじゃん?むしろこうやって無駄に言葉遊びができる機会が現実世界にそうそう無い事が私にとってとても息のしづらいものだと思うのだよ。さて、何言おう…うーん……。」

撫子はぼやくように言葉を放つ。そして悩む。

「うわ、なんすか?気味悪ぃ…。」

「………やっぱりあれか?前回とシリーズ化するならあれを言うべきか。」

相手にする価値がないと決め込み、シカト。それは桃城の逆鱗に触れると言うことでもあった。

「テメッ、ふざけんな!」

桃城が腕を振り上げ撫子めがけて拳を飛ばす。

「撫子さんッ!」

リョーマが叫ぶ。
撫子はそのリョーマの姿を見て微笑み、桃城の拳が当たる前に水中に潜った。

「!?」

桃城は一瞬撫子がどこに行ったか分からなくなった。どこだ?とすぐに捜すが前方には居ない。すると背後から水がかき分けられる音が聞こえた。

「私のハートは激コールド、桃尻の動きを完全ホールドォオオ!」

撫子は一瞬にして桃城の後ろに回り込み、桃城を羽交い締めを完璧に決めた。桃城は撫子をはがそうと抵抗し、暴れるがその程度の力で撫子の完全ホールドをはがせるわけがない。それに今は水の中、暴れてもほとんど意味がない。

「なッ!?」

「さて、零崎を始めよう。なんつって。さぁ乾君、これからアニメ黒執事のシエルが受けたあれをほんの少し恐怖を煽るような事をするが、これは正当防衛が適応されるかい?」

「…やりすぎなければ…正義じゃない。」

先輩として後輩を助けてやりたいと思う気持ち。撫子ファンとしての撫子アンチへ制裁をしたいという気持ち。そんなものが乾の思考を行き来する。なので動揺してしまい、よく分からないことを言ってしまっている。マンガから言葉を引用しているが、それは「いいぞ、もっとやれ。」と言っているようなものだ。

「んふ…やりすぎちゃってもおkって言う事ですよねぇ!やり過ぎなけりゃ正義じゃねぇ!それが私のポリシーだ!ではでは、やっていこうかな?罪に合わせて、お も て な 死☆」

「ちょっ、何すッ!?」

「え?水面までテメェの顔数cm弱な距離にしただけだけど?まぁ、息は出来るでしょ?私の優しさだよ。ありがたく受け取ってね?」

どう筋肉を使ったら桃城の顔面を水面まで近付けることが出来るのか。体格差などがあるはずなのに……不可能を可能にした撫子だった。

「さてさてエッヘン、水面につきそう、嫌だね、怖いね、苦しいね?でもこの体勢から逃してはやらねぇよ?逃がしてやるもんですか。こんなの序の口。本来なら嫌って気分も怖いって気持ちも苦しいって感情も抱いて欲しくなんてないんだ。だって、嫌なのも怖いのも苦しいのもこれからなんだもの。これから君はシエルになってもらうんだもの。誇りに思ってよ。一時でも君は私の大好きなキャラとして扱ってあげるんだから。あ、君をシエルにするならアロイスも決めなきゃね、うーん……やっぱここは鬼畜要素のある人が良いよねぇ。うん、言葉にはしないけど決定したよ?おめでとう。これで君は立派に右男子として役目を全うできるよ良かったね!よし、相手も決まったことだし存分に君には恐怖を味わってもらおうかな?勿論、私に刃向かう気持ちが無くなるまで続けてやんよ。容赦なんてしてやんねぇ。優しさなんてくれてやんねぇ。やるのは絶対の支配だけだ。本来なら第三者に聞こえてしまうような状況では使いたくないんだけどねー、いい加減君の口から聞こえてくる安っぽい言葉聞くのがウザくなってきてさぁ…不可抗力だよね?おっと、ちゃんと筋肉働かしておいてくれよ。さっきより君の顔面が水面に3mも近づいているじゃないか。鼻の頭が水面についてるんじゃないか?私が気づいてないとでも?ああ、死にたいの?死にたいないでしょう?え?そうなったら私が君の体調を気遣ってこの拘束を外してくれるかもって期待した?んな馬鹿な。そんな優しさの塊の行為、するわけないじゃないか。君が顔面を水面につけて窒息しようが何しようが、私はこの拘束を解くつもりはないよ。君が私に屈服するまでな。ホラ気張って気張って頑張って。応援だけするから。おお!頑張った頑張った!よっし、ここで思いっきり君に体重をかけることができるよ!頑張って!え?そんなことするな?そんな!これをするためにここまで拘束して君に頑張ってもらってるんだよ?私が、無理矢理、君の顔面を水中につっこむことが最大の目的なのに。違ってもらっちゃ困るんだ。君の意志で水の中に顔をつっこんだところでなんにもなんないじゃないか。私が私の意志で君の頭を水中につっこまないと、全く意味がなくなっちゃうんだぁ。無駄なことって嫌だよねぇ?ここまで言ったら分かるかな?私は今から君にしたいことは水責めだよ。拷問だよ。時代錯誤もいい加減にしろって?いやん、現実的なこと言わないで。有名すぎる拷問って萎えるんだけど…萌えるものもあるよねー。水責めのこれは萌えるカテゴリだよ?私的にね。本当なら椅子とかに固定されて自ら動くことの権利を剥奪される。そして、体ごと水の中に頭まで一気にドボン、だよ。もしくはゆっくりとじっくりと足の先からお腹、胸にゆっくりと浸かって首、口、そして鼻が水中にゆっくりと浸かっていく。精神的にじわじわ攻める方が楽しいかも知れない。得体の知れぬ恐怖の方が人間恐怖を抱いたりするんだよ。勿論得体の知れないものにも怖がるけどね。嗚呼、なんて人間は脆いんだ。だが、そこがいい!ランダムで、君の意志に反して、施行者の意志で君は自由に呼吸をする権利は剥奪される!そして…下手をしたら命を剥奪されるんだ。大丈夫、今回はそんなことしないから。私だって犯罪者になりたくないもん。お前の命だけで一生を棒に振るとかマジ勘弁してほしい。君のためだけに罪を償うなんてそんな無駄、なこと私、したくないもの。あ、そうだ。君みたいなスポーツマンの脳ならこういう発想が出て来るかな?『つけられている間ぐらい呼吸は止められる』……って。まぁ、止められるか…一回はな。想像できる?適当に水面から顔を出すことが出来て、息がやっと吸えると思っていたらいきなりまた水中だよ。酸素を出すべきタイミングと確保するタイミングが繰り返すことによってずれていくんだ。おめめパチクリ白黒させながら少しずつ、衰弱していくんだ。あれあれ?今この状況、正にそれだよね!まーそうしてるんだけど…、ああ!試してもいい雰囲気?これって!そんなに息を止めることに自信があるのなら試してもいいでしょ?お願ぁい、武くぅん。た め さ せ て ?」

「ツッ……!!」

水面すれすれの位置で桃城は首を必死で横に振る。

「アハハハッ虎の人形みたい!だったらこの方法でない方の水攻めをご所望かい?でも…私的にはこっちの方が汚くて外道で鬼畜な所業だと思うなぁ…?確かネウロでやってたかな?DRに対して!それ実行するんだったらちゃんとネウロの台詞を言ってやんないとな!えっと…『フハハハハハ!!なんと汚い水芸だ!!見ろあんな所まで飛んでいったぞ、ハハハハハハハハ!!』アハハっハハハはははアハハハハハハハハ!」

「撫子さん、そこまでだ。」

乾が撫子の言動を止めに入る。

「…………チッ、桃尻ぃ優しすぎる先輩を持ったなぁ。頭を地面にこすりつけて崇め讃えなさいな?」

そんなことを言いながら撫子は桃城を解放する。桃城はすぐに距離をとった。

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