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四日目、天気は真夏日、太陽の日差しが目にしみるような日の開始である。今日は予定していたとおり、プールへGOの日である。撫子は水着に着替え、防水加工が完璧に施されたデジカメを首から下げプールへと向かう。 たどり着いたらすでにメンバーが揃っていた。 「うっひょーぃ!ふつくしい筋肉が乱舞してはりますがな!みんな筋トレは毎日してますってか?実に御馳走様です!」 「撫子さん!」 リョーマが撫子の姿を見つけプールからあがってきて駆け寄ってきた。 「ああああ、眩しい!リョーマ眩しい!君の筋肉に乾杯!」 「コシマエー、どこ行っとるんや?あ、撫子姉ちゃんや。」 リョーマを追いかけて金太郎が同じく駆け寄ってきた。 「ぅわー!金ちゃんの筋肉スッゴ!?ちんまいのに…密度がある……新ジャンルっぽい……。あ、二人ともこっち向いて?」 撫子は二人に自分が構えているカメラの方に向くように指示をした。 「「?」」 撫子の構えるカメラ位置は高いので二人は強制的に上目遣いとなる。 「ッ萌えぇええ!」 「ッッ撫子のアホォオ!!」 「アホって言った方がアホなんだよダァホ!」 撫子が二人の可愛らしさにキュンキュンしていると忍足が半泣きになりながら叫んできた。 「なんで…なんでそんな格好しとるんや!?」 撫子の格好は紫外線対策の為に縁の広い帽子を被り水着の上に薄手の長袖とハーパンを履いている。 「ハァ?良いじゃん別に、」 「良くないわ!俺らがどれだけ撫子の水着に期待しとったんか分からんのか!?一度ならず二度までも俺の希望を踏みにじりよって…ッ!」 「……ら?」 ら、と言う言葉が気になってプールの方を見ると少々テンションが下がっている輩を見ることが出来た。 「ハーン…思春期だねぇ。だがしかし、今日はサービスしてやんねぇ。」 「なんでや!?」 「だって明日光君の撮影があるから日焼けとかしたくないもん!それ以上がたがたぬかすんだったらお前の肛門鎖国終了にすっぞ!」 「実に勘弁したって下さい!……やけど紫外線を遮断できればええんやな?」 「あー?……うん、今更露出するのは恥ずかしくない。むしろ全裸じゃなかったらなんかもう…いける。」 「よっしゃ、跡部!何とかならんか!?」 「アーン?俺様を誰だと思ってやがる。簡単だ、そんなこと。」 跡部がパチーンと指を鳴らすと地鳴りが発生した。 「な、ななん!?」 するとプールサイドの端から何か壁の様なものが出てきて数分後、屋外プールは屋内プールへと変化した。 「…………すご…。」 「俺様に不可能はねぇ。」 「いや、跡部の家の金と建築技術が凄いだけだろ。」 「さて、撫子…紫外線はのうなった。」 忍足がドヤ顔で物申してきた。 「そーですね。」 「自分がすべき事分かっとるやろ?」 「そーですね。」 「やったら早よ行動しぃや。」 「いいともー!私がこれからやるべき事はただ一つ!貴様等の肉体美を激写する事ぉお!!」 デジカメを再び構え、激写する。 「ちっがーう!撫子、わざとか?わざとなんか?」 「わざとですが何か?って言うか、それ…人にものを頼む態度じゃないよねぇん。」 「っ…。」 プライドと言うものが存在するらしい忍足。撫子になんて敬語を使いたくないようだ。 「俺様に頭を垂れろ。許しを望んで希え。『どうかその上着を脱いで下賤なわたくしめに撫子様の完璧なるボディを拝ませて下さい』ってな!そして首を刎ねられろ!」 「…何キャラやねんそれ物騒やで。」 「凶王様だ。」 「「「撫子様!」」」 |
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