青春Destroy | ナノ


206


次は落書きだ。

「ギャーハハハハ!みんな目ぇデカ!?リョーマなんてもう、女の子みたい、かーわーいーいー!足ほっそ!キモチワルイ!」

「ちょ、撫子さんやめて下さいっす!そのデカ目機能っすか?どうにか消せないんすか!?」

「無理じゃね?まぁー良いじゃん、君以外もテラ女の子だから…むしろ女の子より可愛い男の娘だから。」

嫉妬するぐらい。

「…あんま嬉しくないっすわ。」

「まーまー、ついでだからメイク機能でもっと女らしくしてやろう。」

撫子の暴走である。
落書きの時間も終わり、プリクラが完成するのを待つ。そして数分後、つけまつげと共に出てきたシール。撫子は取り出し口から取り出した。

「あ、もう四等分にされてる。」

切る作業も要らずとてもラッキーだ。シールを切っていて線が曲がった時の絶望感はヤバい。撫子は三人に配った。撫子がもう一度シールになったものを見た。

「これ…女友達って言っても通用する気がする…。」

「でも撫子さん…これ別人過ぎますよね?」

赤也がまじまじとプリを見ながら言った。

「だよねー、詐欺プリって言うぐらいだし…目元変えられたら誰でも変わっちゃうよねー。」

「いや、じゃなくってっすよ。なんて言うんすか?一度目と二度目と三度目の撫子さんのオーラがなんか…別物っていうか……?」

一度目と言うのは立ち上がりに失敗し驚いた時の顔。二度目と言うのは財前を幸せいっぱいの顔で。三度目と言うのは三人が撫子に甘えてきたときで愛おしそうに微笑んでいる。

「んー…?そうかな?」

「…っすね、写真から撫子さんの感情が分かる気がするっす。」

「…条件反射かなぁ?」

「条件反射っすか?」

財前が不思議そうに聞いた。

「そうそう、ほら私ってコスやってるでしょ?その時なるべく写真の向こう側の人にこの感情が伝わるようにしてんだけど……カメラ向けられたらつい。」

「なんかすごいっすね…。」

「んー、でも友達とかと来たら浮きそうだよねー…。」

「ええんやないですか?それでこそ撫子さんっすわ。」

「それでこそ私か…。」

「あ、撫子さんもうご飯の時間っすよ?行きましょ?」

リョーマが時間に気づき撫子に促した。

「あらホント、じゃ行こうか。」



そして三人は夕食をとるため戻った。夕食を食べ終わって、入浴も終わって、
始まりますは?

「第一回!!ドキッ男だらけの王様ゲームを始めたいと思いまぁす!」

「「「ィエー!」」」

参加する人が叫ぶ。そして撫子は高らかに片腕を上げ、人差し指だけピンと伸ばした。

「王様ゲームしたい人この指止まれ、もーもー切るぞ、もー切るぞ、後から来る人知ーらんぴ指切った!」

言っている最中にドドドドドド…とメンバーが押し寄せ撫子は倒れそうになったが、なんとか持ちこたえた。

「みんな…ノリがいいな。」

とふと視線を下に向けるとシュンと俯いているチビーズが居た。

「どうした?リョーマに金ちゃん?」

「指…届かなかったっす…。」

「ワイもやぁ!」

「エンジェルフェイス!」

撫子は二人でしょげている姿をきちんとカメラに収めた。
家宝にする気満々だ。

「撫子ー、始めるんなら始めようや。」

「ウィー。」

参加者は氷帝は全員。
立海は真田は不参加、どうやらルールを知らないっぽいから幸村が強制不参加にした。ルール説明が面倒くさいからと言う理由ではねにされたとかではないと思いたい。四天王寺は銀と小石川が不参加、疲れているらしい。青学は不二と河村と大石と菊丸が不参加、不二は夜更かししたら肌に悪いという理由で、残り三人はいい子ちゃんだから寝ちゃいました。

「……多いな。」

「まぁ、ええんとちゃう?指示する番号を最低5つとか縛っていけば暇なんも少なくなるやろ。」

「あぁ、そっか。じゃ、取りあえず棒配るよ。」

と配っていって行き渡った。


王様だーれだ!!




と大騒ぎして、かなり下になったり黒歴史を一夜にして数個作ってしまったら輩が多く出没した。安心しろ。その黒歴史…全部カメラに収めてるから。
カメラは不二提供。データをコピーするという条件で使わせてもらったのだ。
3日間の中で一番うるさかった夜だと思う。

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