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プリクラコーナーへ進んだ四人。色々な種類のプリ機が並ぶ。 「へー…こんなに種類あるんだぁ…。」 撫子がポソッと呟いた。 「へ?撫子さん撮りに来ないんすか?」 意外だ、と赤也が言った。 「赤也君はよくプリクラ撮るの?」 「はいっす、女友達に連れられて…面白いっすよ?最近のは、美脚機能ハンパないっす。」 「へー…私基本興味ないからなー。プリクラって一回撮るのに400円もいるじゃん?400円もあったらもうちょっとで漫画買えるからさ、写真で400円って勿体なくない?」 「「「…………。」」」 プリクラをよく撮っているべきである年齢のはずの撫子。なのに興味ないとは女子としてのスペックが底辺なのではないかと思ってしまい、三人は若干引き気味。 「…そ、それでこそ撫子さんっすよ!」 「んー、どういう意味かなぁ?さすがに一個も知らないってわけじゃないんだよ?…友達から話し聞いてるから、最近はほら、デカ目機能とかメイクの付け足しとか出来るんでしょ?あと美脚機能。」 付け焼刃の知識を披露。 「……とりあえず、プリ撮りましょうか?」 「…うん。」 赤也はコインを入れて操作、なんだか手慣れたものがあった。 ふと思った。リョーマと財前はよく撮っているのか?と。二人共こういったものを好まないような気がしていたから。 「リョーマと光君も頻繁に撮るの?」 「俺は…先輩らとネタプリに巻き込まれたりしとります。」 「ネタプリ!?後で見せて!」 「部長か謙也さんに見せてもらって下さい、俺、データどうでもよすぎて持ってないんですわ。」 「了解っすわ!で、リョーマは?」 「俺、写真とかあんま好きじゃないんで…。」 「あれ?でもリョーマがプリ撮りたいって…?」 「苦手なものでも、撫子さんと一緒に撮れるなら…平気っす。嬉しいだけっすから!」 キラキラとした笑顔を撫子に向けた。その笑顔を見た撫子はブワァっと突風でも受けたと思われるほどのダメージを食らった。 「!?…リョーマアンタって子はッ可愛すぎますからぁあ!ああああ、眩しい。この子純粋すぎて私が溶ける。」 撫子は欲望のまま動き、リョーマに抱きついた。 「撫子さーん、撮影始まりますよー?」 赤也が設定を終えたようで声をかけてきた。 「りょーかい。ッとと…!」 ポーズを決めようとしてリョーマを離そうとしていた撫子だったがリョーマが撫子の背に手を回したことによって阻止された。 パシャ、 結局撫子とリョーマが抱き合っている写真が出来上がった。 「チビゴルァア!何やっとるんやぁ!」 確認画面で財前がそれを目撃しリョーマに啖呵を切り掛けた。 「別に、俺の勝手でしょ?」 勝ち誇った笑みを浮かべる。 「チィッ撫子さん次俺とハグして下さい!」 「え?していいなら俺、自重しないよ?」 撫子はリョーマから離れ財前をハグしにかかった。 「ほっそ!何これ!?肉あんの!?」 「あるっすよ。まぁ、筋肉んが主っすわ。」 パシャ、 と撮影。今度は撫子と財前のハグ+リョーマが撫子の腰辺りを後ろからハグしていた。 「チビィ、一度ならず二度までも!」 「俺はただポーズを決めただけっすよ。」 「三人で何やってんだよ!俺、超ロンリーじゃん!超ぼっちじゃん!撫子さん俺も!」 「来い来い、あー…これが噂の逆ハーってやつ?やだッ三次元でもあるなんてッ!」 パシャ と最後の写真が撮れた。 |
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