青春Destroy | ナノ


204


「太鼓のマスターなんて鬼ですら簡単でしょ?撫子さんは。」

「もちろん、鬼レベルが通常運転さ。」

「だからポップンっすよね。取り敢えず二人対戦しましょうよ。」

「望むところだ!」

と開始されたゲーム。

「ッシャァア!赤也君に勝ったぁ!」

「嘘、だろ!?」

撫子が初めて赤也に勝った。

「フッフッフ、赤也君よ…ボタンの数が三つとか楽勝過ぎて鼻血出る。それに私、太鼓のマスターよりもこっちの方が得意だったりする。」

ドヤ顔を決める。あ、その角度ものすごい腹が立つ。

「な、だったら一人プレイでスコアで勝負っす!撫子さんが邪魔しなかったら勝てるっす!」

赤也は負けた理由を撫子が青ボタンを有効活用しすぎていたからだと言った。

「あ、俺らも参戦するわ。」

「私最後でいいよー。」

順番にプレイ。
赤也は九つボタンをプレイしたが荒々しい手さばきのためBADの数は少ないもののタイミングがずれ、高得点と言えるものではなくなっていた。リョーマはポップンをしたことないのか五つボタンで悪戦苦闘。
そのリョーマの姿に撫子は後ろから何度ムラムラして抱きついてやろうとしたか分からない。しかし理性を総動員させてどうにか紳士淑女であることに成功した。今更我慢することでもないと思うが、突っ込んだら負けだ。
財前はさすがと言うべきか九つボタンの上級レベルを難なくクリア。ただいまの順位一位財前、二位赤也、三位リョーマである。そして大生、撫子の登場だ。
撫子は九つボタンでレベルは最高で最凶のものを選択。

曲が始まる前に軽く構えて本気モード、

「撫子さん、このオーラは……っ!」

「手塚部長がコートに君臨してるときのようなオーラっす!」

そして曲が始まった。
撫子の手が分身する。

「お、おいお前らは撫子さんの手元…見えるか?」

「悔しいけど…全く見えへん。」

「撫子さんすごいっす!」

撫子の手の早さを表すなら…シュパパパパパパパパパ!!って感じだ。人間技じゃねぇ。

「ハッハァ!イッツパーフェクツ!」

ノーミスでフィニッシュ。ついでに最高得点を記録し、記録を塗り替えた。
満足げに微笑む撫子。周りの三人は半放心状態になりながらも、パチパチと拍手。

「いやー、どもども。」

「撫子さん!良い意味で化け物っすね!」

「ありがとうよ。人間をやめるぞ!赤也ぁあああああああ!」

「プレイ動画としてあげたらどうっすか?」

「あー…そうだね。もう一回やるか…。あ、光君カメラ構えてくれる?」

撫子は首からかけていたデジカメを財前に渡した。

「了解っすわ。」

財前はカメラをしっかりと構える。

その姿を見た撫子は再び曲を選択してプレイ開始である。
レベルはもちろん最高の最凶である。

「……はい、お疲れ様でした。」

プレイが終わってカメラを止めた。

「あざーっす!!」

「…思ったんすけど撫子さんポップン今までにどれくらいやった事あるんすか?」

「えー?…ポップン歴は三年位?だけど毎日出来るってわけじゃないから月一でだいたい…ゲーセン行ったら80曲以上やるかな?」

「ハチッ!?」

「うん、あ、でもちゃんと人が来たら人に譲ってるよ!マナーは大切だからね!」

「愛…すごいっすね……。」

「愛より勝る動力源など無いんだよ。さて、次何する?」

「そっすねー…。」

と当たりを見回してみるとすべてのゲーム機は制覇していた。お開きにしよう、と誰かが声を出そうとしたときにリョーマが別のことを言った。

「…プリクラ……。」

「へ?」

「俺、撫子さんとプリクラとりたいっす!…だめっすか?」

コテン、と首を傾げたリョーマ。

「ダメじゃない、ダメじゃない、むしろ推薦!!赤也君も光君もいいよね?」

「いいっすよ。俺も撫子さんとプリクラとりたい思うとりましたし、…ただこいつの発案っちゅーとこが気に入らんすけど。」

「じゃー問題ない。プリ機へゴー!」

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