青春Destroy | ナノ


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「あー…、そろそろあがりません?」

入ってから結構経つ。のぼせてもいい時間である。むしろ王道逆ハー夢主なら、うきゅーとか言ってのぼせて、助けられて好感度が一番高い彼と甘い時間を過ごすんですよね分かります。しかし撫子はそんな展開望んでいない。むしろこれから起こす騒動に対して全身全霊で望んでいく所存であるのだ。

「うん、そうだね。そろそろあがろうか。」

撫子が一番にあがって、男子が上がり始める、が一瞬男子の動きが止まった。

「ん?」

あー…タオルが張り付いて体のライン丸見えなんですね?分かります。まぁ別に恥ずかしくないし。下にビキニ着てるし、肩紐無いやつだから着てるってバレてないっぽいし、俺天才。タオルがずれそうになった時に見えちゃったかなー?って心配になったが見えていないようで安心した。結構しっかりタオルを巻いていて助かったよ。そしてみんな、楽しい反応をくれてありがとう。ネタに使うよ。これからもネタ提供をぱっぴーうれぴーよろぴくねー!
さて、例のあれを決行しますか。

撫子は白石にアイコンタクト。白石は頷いて撫子が隠していた例の物を取り出した。例のものとはほぼ液体のヨーグルト(お徳用)である。さらにこれは賞味期限を切らしている。店員に頼み込んで廃棄予定のものであったのを引き取らせていただいたのだ。
そして白石は適当に中身をすくい一番近い位置にいたリョーマの顔面に向かって投げつけた。

「あーっとすまん、越前クン…ヨーグルトかけてもうたー。」

「ウワッ!?もーなんすか…なんでヨーグルトなんか…。」

顔にかかったヨーグルトを指ですくって舐めとるリョーマ。

「リョーマ、ストォオップ!そのまま!そのまま!ザ・ワールド!」

撫子がその行動を止めた。
そして撫子の片手には防水加工をきっちりと施したデジカメがあつた。

「写真撮るからそのまま止まってて!」

リョーマは何がなんだか分からず、とりあえず撫子の言うとおりに止まった。

「ウヒョー!思ったよりもリアリティあんね!蔵さん、仁王にもやっておしまいなさい、オーホッホッホ!」

女官三度目の降臨。

「サー、団長!」

「な!?俺も標的なんか!?」

「周助君、精市君、残りのメンツにもやっておしまいなさい。」

某黄門様風。

「椿崎さんに従うのもあれだけど、楽しそうだから協力してあげるよ。」

と二人は残りのメンツに向かって同じくヨーグルトを投げつけた。ナイスコントロールである。
そしてみんながみんなヨーグルトまみれ。撫子のカメラは大忙しである。

「んーっエクスタシー!」

撫子はテンションが上がり過ぎたあまり白石の口癖をパクった。

「椿崎さん、そのデータ俺にも頂戴?」

「モチ!!協力あざーっした!嗚呼、なんつーかエッロイなぁ…紅潮した顔、肌にまとわりつく髪、うっすらとかいている汗…実に完璧、パーフェクト!エロエロぶっかけ風に加工しようと思ったけど、このままでも十分いけますなぁ。」

撮った写真を見ながらブツブツ呟く撫子。

「撫子ー…ようやってくれたなぁ……。」

「あーん?」

忍足が俺たちの時代が来た。と言わんばかりの言葉使いで撫子を振り向かせた。
なんだよ。とカメラから視線を上げ目に飛び込んできたのは忍足がヨーグルトの容器を持っている姿だった。
忍足withヨーグルト。

「………は?は?」

「ごめーん撫子さん、盗られちゃった。」

不二が謝罪してきた。謝罪している割には罪悪感など無さそうだが。

「周助君…わざとですね?」

「かもしれないね?」

「やられたらやり返す、倍返しや!」

「NOOOOOO!!ストップ!ストップ!冷たッうわっイッテェェェ…。」

ヨーグルトの弾丸を避ける事が出来ず、顔面にヨーグルトがかかってしまった。さらに濡れた床に足を取られて無様に尻餅をついてしまった。なんたる失態。

「うわ!?すまん。転かすまでするつもりはなかったんや!撫子、大丈夫か?」

しかし、ここでやられっぱなしではない撫子。
かかったのなら仕方ない、充分利用しますさ!唸れ俺の演技力!来い仁王張りの色気!

その他大勢の方をわざと向き、イタズラの開始である。
まず体勢を整える。無様に尻餅をついた体勢からしなを作るような姿勢をつくる。
それから親指で目の下辺りについたヨーグルトを掬い取り、口元へ。舌をワザと出して舐めとる。そしてほっぺについたヨーグルトを手のひら全体で掬い取り、手のひらをチロっと舐める。さらに、手のひらから肘に垂れてしまったヨーグルトを肘から手のひらに向かってツツツーっと舌を這わせる。最後に流し目を男子共に向けてやれば完璧。

「ン…ふんっ、どうだ!」

「…や……どうだ言われても…。」

「面白い物を見たね。ほらみんなもう戻るよ。湯冷めしちゃう。あ、白石君と仁王と椿崎さんはそこに散っちゃったヨーグルトをお湯で流すとかして来てね?」

「「「ういーっす。」」」

撫子達は命じられた通りヨーグルトを流してから戻っていった。

と言う感じで混浴騒動は終結。

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