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「平伏せ愚民共。地べたを這いつくばりなさいな。」 鞭をピシャリとならし室内へ。 「お、おぉ女官が居るで……。」 「白石兵士長、私のことは団長と呼べ。」 「サー!イエッサー!!」 ピシリと敬礼。 そう、撫子に渡された服は軍服。具体的に言うなら国擬人化のドイツの軍服に酷似している。それを渡され、ウィッグ無い。ならば逆に考えるんだ。「女官っぽくすれば恥ずかしくない。」と考えるんだ。 と言うわけで眼力MAXのアイメイクに、髪の毛は必要以上に纏めている。所謂夜会巻きである。そして上の服が長いため、ズボンは履かず自前のニーソを履いている。足を晒す方が恥ずかしいと思うが、撫子は違うようだ。 「フフッ…椿崎さん、似合ってるじゃない。」 「やぁやぁ精市君に誉められると嬉しい物があるよ。」 「そんな抜け道作っちゃうなんて、流石撫子さん。」 不二が話しかけながらカメラを構えシャッターをきっている。撫子もそれに応えポーズを決める。 「へっへっへっへまたまたやらせていただきましたァン!」 「でも恥ずかしがる椿崎さんを見れると思ったのになぁ。」 「…お応えできないですまないね。で、他のメンツは?」 「あぁ、奥だよ。少し破壊力が有りすぎて、見学者が大変なことになってるけどね。」 奥だよと言われ見てみる。そこには屍となったメンバーが多数見受けられた。 「え、ちょッな!?」 駆け寄る撫子。一番近くに倒れていた金太郎を抱きかかえる。 「金ちゃんどうしたの!?」 「あ…撫子姉ちゃんや……ワイ、笑いすぎてお腹痛いねん…。」 「へ?笑い?」 さらに視線を移動させ奥に、金太郎を静かに下ろして移動。そして目に入ってきたもの、…それは……氷帝テニス部ならぬ、氷帝男の娘ズ。 「ギャーハハハハハハハハハ!!ハハハッアアアハーハー!!」 「ぅわ!?…撫子か!?」 撫子のけたたましい声で振り返ったメンツ。 「プギャー!!!忍、たッブハァ!!フハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ、ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ…ッ。」 「言えてないやん!!」 「ッ……ッッ………ッ!!」 言葉にすら出来ていない。小刻みに腹を抱えて爆笑なう。 ひとしきり笑った後は、唸れ俺のレーザービーム(シャッター)タイムである。 メイド服を着て偉そうにふんぞり返っている跡部。 ピンクのミニスカナース服を着て意気消沈している忍足。 セーラー服を着て、ツインテールのようにバンスを付け気丈に振る舞うも耳が赤いです宍戸。 ネグリジェを着て今にも眠ってしまいそうなジロー。 天使の格好をして衣装の羽を必要以上に触っている岳人。 着物を着て満更でもないように妖艶に微笑む滝。 シスターの格好で今にも泣き出しそうな鳳。 巫女服を着てこれでもか、と言うほどに真っ赤になっている日吉。 女性用のスーツをそつなく着ている樺地。 「ごちそうさまです!テキーラ娘も真っ青のクオリティ!マスターに精市君に仁王、GJ!」 「あぁ、俺もいい仕事をした。どうだ撫子さん、罵ってはくれないか?」 「…この、豚野郎!」 「にしお○すみこか?にしても椿崎、様になりすぎじゃろ。怖いぜよ。」 「ハンッ何を今更、私はやるならやるし、全力出すよ。」 「…明日のあわせが楽しみじゃ。」 そして氷帝男の娘ズに慣れ、倒れていたメンバーが復活。 罵ってくれ、というリクエストが多かったが……次の瞬間には忘れておくことにした。 男装、女装で騒いだ後は就寝である。撫子は自分の与えられた部屋に渋々帰って行った。そして跡部もひとりだけ別室をとっているようでどこかへ行ってしまった。 軍服を脱ぎ、メイクもキッチリ落とし、ベッドに倒れ込む。 「っあー…楽しかった。明日はもーっと楽しくなるよね?ハム太郎!…ヘケッ!!あー…虚しい。」 あ、明日朝風呂入ってみよ。 入り足りなかったし、朝からお風呂に入るってリッチじゃん?よし、早めに起きよう。 |
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