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予定通りお風呂に入る。部屋にもユニットバスがあったが、大浴場があるならそっちを利用するしかないっしょ。 「ひっろぉおおおおお!!でっけぇえええええええ!きっれぇえええええええええ!」 50人は余裕で入れるんじゃねーの?レベル。 「え、え?広すぎない?ホントに私一人で入っていい系?子猫ちゃん達もくれば良かったのに!なんでお家のご用事がドバーッと入ってやがんだぁ!!ちったぁ遊ばせろよ!!結局子猫ちゃん達との思い出なんて作れなかったよクソがっ!」 そんな文句を叫ぶ。文句を垂れ流しても誰も受け取ってくれない。撫子は大人しく髪を洗って身体を洗って湯船につかる。 「あー…極楽、極楽。」 「撫子さーん!」 「む、リョーマの声!?」 一人で虚しく湯船に浸かっていると、自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。声のした方角に目をやると壁が天井まで届いていない箇所があった。 「あ、もしかしてつながってるー?」 「みたいっす!そっち一人っすよねー、俺行ってもいいっすガハッ!?」 最後まで言い切る前に言葉がきれた。 「アホちゃうか!?」 「コラ一年、俺差し置いて撫子さんと入ろうとするとかええ度胸やないか。」 「財前、それアウトや。」 「ちょ、四天宝寺!今リョーマ殴った!?リョーマァァア!!」 「ちゃうちゃう、今殴ったんは謙也のいとこ君や。」 「おしぃたぁりぃい!!テメェリョーマに手をあげるとかマジ万死!」 「ちょ、嘘、濡れ衣や!殴ったんは四天宝寺や!」 「くっそ、私はなんで男じゃないんだ!男だったらそっちに行けるのに!!……あ、仁王!居んだろ!?」 「なんじゃ?」 「イリュージョン教えて!むしろ教えろ!」 「…なんでじゃ?」 「ちょっと男体化をはかろうかと…そうしたらホラ、男湯に行ける。」 「や、それ外見男でも中身はしっかり女じゃろ。」 「……俺、中身は男だぜ!知ってんだろ?雄々しいだろぅ?」 「…柳生…俺否定できん。タッチじゃ。」 「ぇえ!?私ですか!?…椿崎さん、少しは慎みたまえ。」 「…柳生君は流行の肉食女子は嫌いかね?」 「な、そ…は……。」 「ギャハハハハハ、柳生君のムッツリスケベェ!」 「椿崎さん、あまりうちの部員をいじめないでくれるかな?」 「ぅわっ申し訳ございませんでした幸村様ぁ!」 「こっちはこんなぎゅうぎゅうで入らされてるのに、椿崎さんは広々入れているわけだね。羨ましいなぁ…。」 「先生男子が女子より若干多すぎです!!ふざけてすみません。…幸村様……こちらにお越しになりますか?」 「え?いいの?」 「「「いいわけあるか!!」」」 男子の声で大合唱。 「わーぉ…。」 「椿崎、もう出た方がええんとちゃうか?狼が一匹どころか多すぎるでこれ…。」 「謙也君、忠告ありがとー。出ることにするわ。じゃみんな後でねー。」 もう少し長く入っていたかったが、また、入りに来よう。 撫子は浴槽から出て脱衣所へ。ドライヤーも完備の脱衣所。他にも自動販売機も置いてある。パーフェクト過ぎるだろ。わお、化粧水の試供品まである。これは幾つかもらってけってやろう。絶対に高級なんだ。 撫子はいつも使っているニベアをつけず、試供品として置いてる化粧水や乳液、美容液を付けて、Tシャツを着て短パンを履く。髪の毛を乾かし、また一つに髪をまとめてから外に出る。 外に出たら丁度和服に身を包んだ忍足が男湯から出てきた。しかも眼鏡が曇るからだろうか、伊達メガネをつけていない。さらに鬱陶しい前髪もかき揚げ、とてもアダルティな雰囲気がいつもの数倍増となっていた。 「ウッハァ!色気パネェ!hshs…鎖骨、胸筋、足首hshs…。足首エッロイわぁ…なんでこんなにも浴衣から覗く足首ってエロいんだろうか。ふむ、とりあえず足首エロ対しは高杉様だとは思っているのだが、どうだろうか?」 撫子はどこへ行くにも一緒のデジカメを起動させ、素早く収める。今日一日で何百枚撮っただろう。腹チラフォルダを作れるぐらい撮ったと思う。メモリーをありったけ持ってきていて良かったと切実に感じた。 「何でやぁ!なんでなんや!」 「目線こっちにくださ…何がだい?」 お風呂から上がりたてだとかそういったものは関係ない。最高のアングルを収めるため、撫子は床に腹ばいになり、イケメンが見下してくる視線を収めようと、ドMホイホイの写真を収めてやろうとしたが、何やら忍足は悲痛の叫びをあげた。 |
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