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「収録と一緒に録画もしちゃいません?」 「あー…いいよ。でも振り付けがなぁ…あ!光君ちょっと付いて来てもらっても良い?」 「何ですか?」 撫子は財前を引き連れ青学テリトリーに移動。目的は手塚…なのだが、目の前で乾が宙を舞い、金網上にダイブしている瞬間を見てしまった。 「…どうしてそうなった…。」 「気にしなくてもいいよ。乾の趣味なんだ。」 「へー…大層なご趣味で。」 あまりのことにツッコミを放棄。そして乾が退かされ金網が替えられるという事務的な作業を呆然と眺めた。 「それで撫子さんどうしたのかな?」 「撫子さんは俺に用があるんすよね!」 キラキラとした笑顔で聞いてきた。 「リョーママジ天使。でも…今回は手塚君に用事が……。」 「チッ、」 リョーマは撫子に聞こえないよう、手塚に聞こえるよう舌打ちをした。 「……俺に何の用だ?」 「実はね、振り付けを考えてほしいんだ。」 そう言ってポケットに入っていたiPodを取り出し、まだ歌のついていない曲を聞いてもらった。歌詞表示機能で歌詞を見てもらいながら、 「聞いたこと無い曲だが…おもしろい曲だな。」 「でしょ?これね光君の新曲なんだけど、私が歌うことになって…。」 「光君?そんなP居たか?」 「あぁ、ぜんざいさんの事だよ。光君がぜんざいさんだったんだよね。」 「何!?」 「どもっす…。」 「なんと…光栄な……この曲の振り付けを考えればいいんだな?」 「お?引き受けてくれるのかい?」 「無論だ。いつまでにだ?」 「合宿までに。」 後数日しかないことを伝えると一瞬だけ手塚の顔が引きつった。 「……努力しよう。」 「ひゃっほーいコラボ企画パネェ!」 「うげぇぇええッ!」 「なななっなんだ!?」 リョーマが奇声をあげて倒れた。 「甲羅を飲んで、しまったらしいな。」 「甲羅…すっぽん?」 確か乾でんちのサイトでも紹介されていた…。 「でも白石部長と六角中の誰かさんは逆にハッスルしとりますよ。」 言われて白石の方を向いてみる。見ると半裸の白石がいた。 「きゃぁああああ!腹筋!え?蔵さんの腹筋マジ神がかってね?」 「撫子さーん、見とるかー?」 「見て良いのか、公認されちまったよ…見てるー!蔵さんの腹筋マジエクスタシー!!」 「おおきにぃ!」 白石の方も満足したのか、焼き肉を再び食べ始めた。 「さて…光君、なんだかんだ行って私達あんま肉食ってないよね。」 「戻って食いましょうよ。」 二人も焼き肉を食べるため元の席へ。 「大分人数減ったし、肉が乗ってた皿の量がハンパないことになってるね。」 「そっすね。それよか乾汁っちゅーんは破壊力あるんすね。」 「飲んでみるかい?レシピは知ってるよ。」 「心の奥底から遠慮しときますわ。…ん?ゴホッゴホ…なん?煙たい。」 急に煙の量が増えてきた。 「ちょ、マジで何?目にしみるんだけどッ!」 まだ生き残っていたメンバーもこの異変で外に脱出するらしい。撫子や財前も同じように避難。気を失うことはなかったが、戦闘不能で人の山の隣で佇んでいた。 すると顧問の先生がやってきた。軽く挨拶をして症状が軽くなった撫子はフラフラとする足取りで帰宅。後ろから悲鳴のようなものが聞こえたが、気にしない。 |
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