青春Destroy | ナノ


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「ハァ!?だったら私のスリーサイズバレバレってこと!?」

「えぇ、そうなりますね。」

「どうかご内密に…。」

「一方的な条件では承諾しかねますよ。撫子さん、」

クイっとメガネを押し上げる。腹立つなこの動作。

「クッ…何が望みだい?」

「簡単ですよ。私のオリジナルの衣装を着て下さい。」

「…そんなのでいいの?どんなの?」

「こちらになります。」

とケータイでその衣装画像を見せてくれた。そしてケータイを受け取ったままピシリと固まる。

「なッんだこれ!?布少なッ!スリット的なの深ッ!」

「和風的な衣装の中にアジアンビューティー、エキゾチックを目指しました。撫子さんの力強い視線はこの様な衣装に負けないものがあると感じたので、」

「撫子さん遅いっすわ。はよ帰ってきて下さい言いましたやん。」

財前が撫子を迎えに来た。

「ひっ光君!」

「何見とるんですか?……これ…着るんですか?」

撫子の後ろから声をかけたのでそのままケータイの画面を見ることができたようだ。財前はwktkとした表情で撫子を見つめる。

「や、ね…これね。その…チョコ…木手君が私のスリーサイズを知っていてですね…言いふらさない代わりに、これを着てほしいと…。」

聞くと財前は表情を無に戻し木手に向かった。

「あなたが、木手さんっすか?」

「そうですが?」

「あなたが神か!」

木手の手をガシッと掴み、感謝の文を述べる。

「分かっとるやありませんか、撫子さんの魅力が十分に引き出せとる!最高ですやん!」

「分かりますか?」

「禿同っすわ!撫子さん、着て下さい。是非着て下さい!」

木手にも財前にも推されタジタジなう。

「っっ……分かったよ、着るよ着ますよ!でも絶対にサイズはバラさないで下さいね!」

「っしゃぁ!」

キャラが壊れまくりの財前。もう周りの視線は気にすらならなくなったようだ。

「では撫子さん、完成したら送りますので住所教えて下さい。あと、メアドも教えてくれるとありがたいですね。」

「…はいよ。」

赤外線でアドレス交換。

「では後日。実は完成しかけていて下宿先にあるんですよね。」

「マジか!?…覚悟しときますー。」

挨拶をして撫子は元居た場所へと財前と共に帰っていった。

「…なんかものすっっごく体力が奪われた……。」

「でも撫子さん、あんなのを作れる人が着てくれって言っとるんなら着てもええんとちゃいますのん?」

「…だって……腹の肉が…。」

「言うほど無いですよね。」

「………アルテ…。」

「まぁ、着たら画像下さいね…。」

「はい…。」

「でもあの衣装って俺が作った曲に少し合いますやん?」

「あー…そう言えばあんな感じ?」

財前が作った曲は和風ロック+楽器は大陸のものを多く使っている。聞いていてスカッとするそんな感じ。でも撫子をイメージしただけあってドSな色っぽい歌詞。カオスに感じるこの特徴もぜんざいマジックで最高クオリティに。

「ついでにPVも作りません?」

「へ?どう言うこと?」

「やからサムネ固定や無くて、撫子さんがあの衣装着て、曲に合わせて踊ってくれたらPVになりますやん?」

「何それめっちゃ楽しそう。」

もう衣装のことで悩むのは放棄した。一種の自暴自棄だ。

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