青春Destroy | ナノ


173


一度別れを告げ撫子は個室へと戻った。

「ただーまー。」

「やっと戻ってきよった。なんや、えらい時間かかっとったやん。ゴールデンシャワーか!」

「べーやん、下品やで。まぁ、遅くなったのはあれじゃ。青学があっちで焼肉食べとってな。桃城と全面戦争してきたんよ。ホンマ桃城でぇれぇムカつく。」

「桃城、とか…?あいつ撫子の逆鱗に触れるような事したんかな。つか撫子方言やめぇ。怖いわ。」

怒りから抜け切れておらず、未だに方言を発していた。封印しようとしたのにね。

「おや、失敬。…うん、デカくて嘘吐きなミーハーな女って言われちゃった。」

「桃城…そんな死に急ぐ奴には見えんかったんやけどな…。」

思わず忍足が桃城に同情。

「そうだ跡部、大分昔偵察に言ったことバラしちゃった。」

「終わったことだ。もう…いい。」

少ししんみりとした空気が流れた。しかしすぐに騒がしくなった。店側が、

「なんや?」

「さぁ?」

確認しようとふすまを開ける。

「待て、」

「は?」

跡部がその行動を阻止し、指を高らかに鳴らした。すると向こうの方からふすまがスパーンと開いていく音がした。そして最後のふすまが開かれ氷帝と青学が対面した。

「おいおい何のパーティーだ?これは、」

「…なんか人数、増えてる。」

「ぎょーさん居るなぁ。」

「「撫子さん!」」

呼ばれた方を向いてみれば四天宝寺のメンツがゴソッと居た。

「ぉお!?蔵さんに光君ではないか…つか四天宝寺が増えてる……後は…分かんね。」

見たことが無い学校だ。

「…全国大会参加校位覚えときや。」

「…自分校とあたる所以外覚えてなくても支障はない。そもそも参加校何校あると思うってんだ。」

「六角中と比嘉中やで、まぁ…千葉と沖縄やけん知らんでも仕方ないわな。」

「そう言う忍足は何故知っている。」

「なんや、これから焼き肉大食いバトルをするそうや。で、俺はその司会で…資料がここに……。」

所謂カンニングペーパーを所持していた。

「自分こそ覚えてなかったんじゃん。」

「椿崎さん、椿崎さん!俺も司会だよ!」

「おぉ、菊丸君。肉は美味しかったかい?」

「あー…うん、肉は美味かったけど…大石が……。」

チラッと大石の方を悲しそうな表情で見つめている。

「どしたんだ?………大石君、何があった。」

つられてそっちを向いてみると禍々しいオーラを放ちながら青学メンバーに肉汁の大切さを教えている。そして触角が立っている。

「大石って焼き肉奉行だったんにゃ…俺、同調もう無理かもしれない。」

「…うん、ドンマイ。人ってあんなに変わるんだ…。」

そして始まった焼き肉大食いバトル。ルール説明を聞いてスタート。

「……ってどうして乾汁があるんだ!?」

これは乾でんちさんの作品のはず……ハッ、まさかここに乾でんちさんのファンが!?

「なんだ、乾汁を知っているのか?俺が作ったんだ。」

逆光眼鏡の乾が話しかけてきた。

「乾君……乾でんちさん知ってたりする?」

「知ってるも何も乾でんちは俺だが?」

「……へ?」

「考察サイト『理屈じゃない』と言うサイトを俺は乾でんちとして運営しているが?」

「嘘だっ!」

「嘘をついてどうする。事実だ。……まさか…椿崎さんは…撫子さんか?教授の…いやマスターのサイトと相互している。」

「はい、そうですが……乾でんちさん…とすでに知り合いだったとは、思いませんでした。」

「ふむ、俺もだ。しかし近日中に会う予定にはなっていたいたからな、少し早まっただけだ。」

「ソデスネ。今度マスターと三人で色々な考察しましょうね。」

「あぁ、勿論だ。」

短い返事をした後、乾は大食いバトルに参戦した。暇を持て余している撫子。仕方ないから近くのテーブルで焼き肉を食べることにした。

<< TOP >> 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -