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「あー!越前が焼き肉、塩で食ってる。ありえねぇな、ありえねぇよ。」 「うるさいっすよ桃先輩。なんで食べようか俺の勝手っす。塩がさっぱりして美味しいっす。」 「なんだよぉ!男はタレでジャブジャブだろうがよ!」 「るせぇぞ桃城!!塩なめんなよ!」 塩派の海堂も桃城の発言が気に食わなかったのか。参戦し、言い争いが始まった。それを黙ってじーっと傍観する撫子。 これだけ見てたら桃城の観察も面白いんだよなぁ。喧嘩ップル、ゴチになります! 「撫子さんはタレっすか?塩っすか?」 「うーん…どっちかって言ったらタレかなぁ…。」 「桃先輩、俺やっぱタレ派っす。」 意見を180°変えて訂正。 「越前…お前……ミーハーのどこがいいんだよ。」 「さっきから何言ってんすか桃先輩、先輩も前撫子さんの事誉めてたじゃないっすか。」 「は?俺が初めてあったのは…ストリートテニス場だぜ?」 「違うっすよ。もっと前に一回会ってるっす。」 不二の親戚として…。 「ごめん、リョーマ…私、桃城とは二回会ったことある。しかも青学で…。」 「「は?」」 「だからね、多分リョーマが言ってるのはこんな人のことだよね?」 と髪をまとめていたのを解き、髪をシャツの中へと押し込む。そして前髪を弄りあの時、不二の親戚のウィッグの形に似せる。 「………あー!不二先輩の親戚!」 「なん、だと……!?理屈じゃない…。」 「今だから言えるけど、乾君のドヤ顔には腹筋崩壊してました。」 「絶対年上だと確信していたのに…。俺のデータは!」 何から確信を得ていたんだ。逆に気になるぞ。 「ね、撫子さん。桃先輩ともう一回会ったっていつっすか?」 周助君との撮影会なんだけど…、確かあの時は…。 「んー…リョーマ、帽子かして?」 「いいっすよ。」 リョーマから帽子を受け取り撫子は一度トイレへ。髪の毛をきっちり結い直し、帽子の中に入れ込む。深めに被り、リョーマ達のテーブルへと向かう。 「どもー…ってこんな人。どう?桃城見たことあるっしょ?」 桃城が不躾にジロジロガン見してくる。 「…あの時大石先輩にヅラを被せた人!?」 「にゃににゃに!?だったらあの男子と不二の親戚って氷帝のマネージャーだったのかにゃ!?」 「や、男子ってそっちが勝手に勘違いしただけだし…親戚って言うのは嘘、あの時ばれると都合が色々悪かったからね。」 「ほぇー、全く気づかなかった…。」 「ま、人間って他人の事なんてしっかり把握出来てないし、仕方ない反応だよね。」 「んだよ。俺らめっちゃ騙されてたじゃないっすか…そんな身長がデカい女子と仲良くする部長や不二先輩や越前の気持ちが全く分かんねぇな、分かんねぇよ。」 プチンと撫子の脳内で何かが弾けた。 「ぁあ?テメ桃城今何つった?身長がデカかったら人間性疑われんといけんのんか。大きゅうて何が悪ぃん?平均よりデカかったらいけんのんか。じゃったらお前らテニスしてるほとんどのやつの人間性を疑っとるんか。みんな身長デケェしよ、ぁあ?私がミーハーだとかぬかすな。私のミーハーなんて二次元と2.5次元と2.8次元までじゃし三次元では声優までじゃ。声が金髪の悪魔に似てるからって私の容認基準が下がると思っとるんじゃねーよな?絶対許さんけんな。コーナークラッシュじゃのーてあんた自身をクラッシュしちゃろうか?あ゛あ゛ん?」 「桃先輩、いい加減聞き捨てならないっすよ。撫子厨である俺の前で撫子さんを罵るだなんてヅイッターで暴露しますよ?日本敵に回すっすよ?」 「………………。」 撫子がげきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームとなり方言が丸出しになった。そして、リョーマが初めて桃城に切れて桃城のライフはもう0よ。 「つーか…お前、洞察力がすぐとるんじゃないんか。あぁ、優れた洞察力(笑)か、アハハハ!乙乙、その優れた洞察力(笑)を使ってアンタが私を嫌おうがどうでも良い…それはテメェの勝手じゃけーのぉ。けど、私に迷惑かけんな言いよんじゃ。ボールペンを手の甲にブッ刺すぞ。私の怒りを受け入れる?」 「っ…すんませんでした。」 桃城は怯み、撫子に謝った。 「わお…意志弱……じゃ私戻るわ。」 リョーマの隣から立ち上がる。 「えー…行っちゃうんすか……。」 「グッ…また後で会おう!戻らんと心配してるじゃろうし…。」 |
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