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全国大会が始まって、撫子の願いが通じたのか、初戦あたりでは誰とも当たらなかった。でもセミファイナルをかけた試合では宿命というべきか、運命と言うべきか、また青学とあたってしまった。 「リョーマ、久しぶり。」 「っす。」 「手塚君も周助君も久しぶり。」 「メールはよくしてたけど、会うのは久しぶりだね。」 「あぁ、今日はお互い悔いの残らない試合をしよう。」 「試合の事は…跡部達に言ってね。私、ここではサポートしか出来ないから。」 「…あぁ。」 そして始まる氷帝vs青学の試合。 「乙、忍足。」 試合が終わった忍足にタオルとドリンクを差し出す。 「…っおおきに。」 「ね?あんたは熱くなれる男だって言ったでしょ?」 「かなわんなぁ。」 「それよりもGJ!私なんか桃城君に嫌われてるみたいだったから見ててすっきりしたよ。」 「性格悪いな。」 「ま、ね。いい性格をしていないことは自覚済みだよ。」 一方的に、原因不明で毛嫌いされるているのを容認出来る私ではないのだよ。 そして日吉と岳人の試合が終わった。 「お疲れ、二人とも。」 「「…………。」」 下を向いたまま喋らない。 「…ほら、おいで?」 撫子は両手を広げ受け取る準備万端だ。岳人と日吉がよってきた。 「借りを…返せなかったッ…!」 「うん。」 「俺ら…っ。」 「大丈夫。終わった訳じゃないから、残りの跡部とかが頑張って繋いでくれるよ。」 慰めの言葉しかかけれないけど。 「なんや撫子、オカンみたいやな。」 「あー…この二人が子供なら本望。」 樺地の試合。途中激しい雨が降ってきた。試合が終わってすぐにタオルをかけた。 「樺地、お疲れ様。」 「ウス。」 「凄いね、手塚君からあれだけポイントとったんだもん。」 「…勝たなければ……意味がありません。」 「…そうだね。」 「すみま…せん、でした。」 「謝る必要なんて無いよ。お疲れ様。よく頑張ったね。」 案の定雨は止まず試合は次の日に繰り越しとなった。 そして次の日、本日は晴天なり。 「宍戸…勝ってね。」 「あぁ、もちろんだ。…なんか都大会を思い出すぜ。」 「あー…確かに。」 あの時も宍戸で崖っぷちだったな。 「でも今回は頼りになる相棒が居るんだ。負けねぇぜ!な、長太郎。」 「はいッ!」 不謹慎だけど…萌えますなぁ、素敵なラブルス…対戦相手もゴールデンペアって事でラブルスvsラブルスだな…これは愛の大きさで争われるな。 「お疲れ!おめでと!」 「あぁ…だが…わざとあいつ等打たなかった…クソ、激ダサ。」 「宍戸さん…。」 「結果的に勝ったんだから良いじゃん。そんな贅沢言ってたら日吉や岳人に睨まれるよ。」 「……あぁ。」 「さ、次は最後だよ。跡部がリョーマと対戦だよ!気合い入れて応援しましょか。」 「もちろんだ。」 氷帝コールが鳴り響く、そして試合開始だ。 負けた方が坊主になるって言ったけど、リョーマが負けて坊主になっても愛せるから安心してね。対して、跡部が坊主……あれ?想像してもモザイクかかる。規制が入るほどショッキングな映像なのか!? |
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