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放課後になり部活開始である。撫子も物の場所とかの把握に努め拙いながらもサポートをする立場となった。しかしただのジャージで動き回らされるとはなんだか苦痛である。皆氷帝ジャージなのにね。 ちょっとジャージを寄越せとか考えていたら跡部が部員に集まる様に声を出した。 「おい、集まれ。」 跡部の一声で部員約200が練習を止め跡部の近くに集まる。跡部から伝えることが有るようだ。 「来週の日曜日に練習試合が入った。練習試合に出れるのはレギュラーと準レギュラーだ、試合してぇヤツは這い上がってきな。以上だ、練習に戻れ。」 「え?」 今来週の日曜日って言った?あれ?私の脳内カレンダーにはイベントって書いてあるぞ?おかしいなぁ?予定が空いてないぞ?これってイベント諦めろって事なのかしら?あらやだ跡部さん、練習試合入れやがって何?私への挑戦?ふ ざ け る な。 「異議あり!異議あり異議あり異議あり、異 議 あ り!!」 各々が各々の練習に戻った頃に撫子は叫ぶ。ちなみに跡部が集合させた場所はレギュラーコート、跡部が練習している場所もレギュラーコートすなわち跡部に向かって撫子が叫んだ姿はレギュラー陣には丸見えである。 「……何だよ。」 「何だよ。…じゃねーよ。なんで練習試合なんて組んだのさ!いきなりすぎるでしょ!?もう止めて私の予定は限界よ!」 「お前の予定なんて知るか。監督が組んだんだよ。」 「監督のせいか…ッ。くっそ……え?監督なんて居たの?」 「え?知らねぇの?」 岳人がひょこりと顔を出す。 「やだ、岳人。かわいい…じゃなくて、なんでここに……練習は?」 「撫子が跡部に向かって叫んでたからな。気になったんだよ。」 「え゛、聞こえてた?」 「おぅ、ほら。」 といって指をあちらに指した岳人。顔をうつしてみるとレギュラー陣が撫子を見ていた。ぽかんとした顔で、宍戸だけは怪訝そうな顔をしながら。 「あーぁ、まいいや。今更猫なんてかぶかれないだろうし、で監督って?」 「この学校の音楽の先生。榊監督って言うんだぜ。」 「へー。」 「おい、丁度良い。お前監督に挨拶してこい。」 「はぁ?」 「監督に挨拶するのは当たり前だろうが。……もし、監督がお前は練習試合に来なくてもいいなんて事を言ったら来週の練習試合には来なくてもいいぞ。」 「ほんと!?」 「俺様は嘘はつかねぇ。」 「早速いてきます!あ、タオルは部室の横、隣にドリンクも置いとく。あと飲んでからのヤツは逆さまに置いといてね。あと予備の球は倉庫からは出してるから勝手にとって。」 的確に最低限していてほしい事を述べてから校舎へと向かって行った撫子。 「アイツやればできるじゃねーか。」 「撫子…監督が居るところ知ってんのかな…と言うより待っとけば監督は部活終わりに来るのな…。」 意気揚々と校舎の中に入っていく撫子。と、気付く…監督どこにいるんだろうと。とりあえず職員室で榊監督の居所をつかむ。聞いてみると第1音楽室の準備室に居るようだ。「ありがとうごさいました。失礼します。」と職員室を後にする。 榊監督ってどんな人だ?音楽の先生なのにテニス部監督とか無いわ。普通吹奏楽部でしょう。まさか音楽の先生の癖にマッチョとか?それなら運動部顧問もうなづけるよね。うわ、会うの怖っ! と思いながら第1音楽室の準備室前に到着。 「失礼します。」 撫子は扉を開けた。そこには、ある意味で地獄が待っていた。 |
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