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お祭りに参加してから数日が経過した。現在、裏切った友達にカラオケ代諸々を奢らせるために、カラオケにきている。気持ちよくシャウトできる歌を歌っていたらケータイが鳴った。電話だったため、すぐに出る必要性があった。 「あん?誰だよ。」 ちょっとすみませんねぇと友達にそう言って部屋から出た。着信は忍足だった。別に忍足といざこざを直接起こしたわけではないが、少し評定関係者というだけでためらいたくなる要素があった。しかし、謝ると心に決めた撫子は意を決して電話に出た。 「……もしもし?」 『あ、やーっと出よった。早よ出ろや。』 「うっさい、私は今友達とカラオケに居るんだよ。私が気持ちよく歌ってるときに電話してくるとは何事だ。」 「え、何それ羨ましいやん。撫子のプチリサイタル、友達そこ代われ。」 「だが断る。で、なんの用さ?」 『今すぐ帰ってきぃ。』 「は?なんで?」 『俺ら、全国大会行けるようになったんや。』 「……………は?」 『やから全国大会行けるんや。開催地枠やけどな。』 「マジ!?うわー!?おめでとう!開催地枠万歳!マジ万歳!エース様に万歳!」 『せやから戻ってきぃ。』 「よし!分かった、これから帰る!今日の晩にはそっちに着くよ!………と、あのさ聞きたいんだけど…。」 「ん?なんや?」 『私…跡部にあんな事言っちゃったんだけど…なんて顔で会えばいい?いや、勿論謝るよ?誠心誠意謝るけど…あれから跡部、なんか言ってた?」 『あー…大丈夫や。跡部もあの後、柄にもなく反省しよったから。』 「え、マジか。」 『ホンマや。まぁ…撫子も思うことがあってあんな事言ったんやろうなって皆で納得したしな。』 「…すんませんした。」 『じゃ、そう言うことや。練習は明日の朝からや、待っとるで。』 「おk把握。」 そして通話終了。これからするべきことは決定した。 「さて…氷帝に帰りますか!」 一緒にカラオケに来ていた友達に理由を話し帰宅。友達は裏切り者!と叫んでいたが、先に裏切ったのはどこのどいつだ。と言ってみればすぐに黙らせることができた。それから家に帰って親を説得して駅へ、速攻で新幹線に乗り込む。数時間後には東京で暮らしている家に到着した。 「第二の我が家よ!私は帰ってきた!」 時間も遅い。思い立ったら吉日と即効で行動しすぎた。そのため今は夜も深まっていた。撫子は明日、部活に参加するためにさっさと寝ることにした。 「……………何故こうなった。キング・クリムゾンか?」 起きてみれば午後4時、寝過ぎしてしまっている。跡部とのいざこざがスッキリしたから、安眠できたという証拠かもしれない。 「いやいや、まだ直接謝ってねーよ。」 |
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