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「あ……可愛いからおk。可愛いは正義!ジャスティス!」 「撫子さん貴女は……。」 また始まりそうだ、恥ずかしいポエム。うん、聞きたくない。きっとドラマCDとか囁きボイスCDとかだったらずっと聞いていたいんだ。しかしこう目の前で言われると恥ずかしさの方が勝ってしまう。 「観月君、自分の所に戻ったらどうですか?貴方がみんなを励まさないでどうするんですか?貴方はマネージャー兼選手だと言いました。マネージャーならば選手達の精神面からもしっかりサポートするべきではありませんか?私が出張っても良いですが貴方の学校では私は勝者の学校の人物。嫌味になるだけです。貴方しか聖ルドルフを支える人が居ないのですよ?私からのお願いです。支えてあげて下さい。」 「…っ撫子さん!なんて慈悲深い御方なんですか!?僕の学校までもを心配して下さって、嗚呼…貴女の願いなら僕はどんな無理難題でも果たして見せましょう!」 撫子に唆され自分の学校の陣地に戻っていった観月。 「キャラ違うC。」 「キャラ崩壊をしてでも私は観月君のポエムはもう聞きたくないんだよ。察してくれ…。」 「へー…聞いてみたE。」 「再現できるけど…聞く?死ねるよ?」 「やっぱ遠慮する。」 死んだ目でジローを見つめる。すると聞いてみたいと言っていたジローが拒否した。テンションの下がりすぎている撫子の態度に何か感じるものがあったのだろう。 こうして終わった都大会。氷帝は都大会第3位。なかなかの成績を収めて関東大会進出である。しかし残念なこともあった。撫子が作った青学レポートは唸る事無く御蔵入りしたということだ。あぁ、残念。しかし関東大会で青学と当たったら活躍してくれるだろう。それまで秘蔵のものにしておこう。けれどそれまでに青学も成長するだろうからこれを元に妄想とかして補足しておかなきゃなー。むしろもう一回ぐらい青学に遊び…偵察に行っておきたい気もする。 日にちが過ぎてある日、文芸部に顔を覗かしに行ってから部室に向かうとジャージに着替え、荷物を持っている跡部達に遭遇。これから帰るというのにジャージに着替えている一行。いや、むしろこれから部活だというのに鞄を持って帰宅しようとしている姿の方がおかしいのである。 「…何、そのカオス。」 「おぉ撫子、自分も来るか?」 「どこに?」 「ストリートテニス場や。」 「…そんなんあるんだ。とりあえず行く。」 行くと答え、メンバーと共にストリートテニス場へ。行ってみると青学の数名が居た。 順調に挑発をする氷帝メンバー。 挑発とか…ワザワザすんなよ。厨二か?やっぱり来るんじゃなかった。青学とは仲良くしておきたいからこんなのして欲しくないなぁ。それよりも、跡部のドヤ顔腹立つ。 「猿山の大将さん。」 その中からちんまい背をした少年を発見。それをリョーマだと確信。先程までテンションだだ下がりであった撫子であったがリョーマの姿を見てテンションが振り切れる。久しぶりのマイ天使との遭遇。テンションあがらないわけがない。 「リョーマァア!」 「え、撫子さん!?」 撫子は氷帝メンバーが固まっていた場から飛び出しリョーマに駆け寄った。同じくリョーマも駆け寄った。 「元気!?」 「ハイっ!撫子さんこそいつも通りで何よりっす!!…って中学生だったんすか!?しかも氷帝!?」 「うん、実は!もう最近実年齢を一発で当ててくれない人しか居ないから慣れた!んで青学都大会優勝おめでとう!」 「あざっす!!でも俺はもっと上に行くっすよ。」 「あぁんっもう生意気な子ね!テラ可愛い!でも全国制覇をするのは氷帝だぜ!!」 「負けないっすよ。」 「こっちだって!…戦うのは私じゃないけどな。」 「越前…帰っぞ。」 桃城が撫子を少々睨みつけながら声をかける。 「…ッス。」 わーい、先輩に従う生意気一年とかウマス。桃城君…睨まないでくれないか?そんな何回も会ってるのに……私の妄想の生け贄にしちゃうよ?最近恨むべき相手がいないからド鬼畜オリジナルBL小説のネタがないんだ。 「おい、帰るぞ。」 跡部が撫子に声をかける。 「チッ、じゃリョーマまたね。」 「撫子さんもまた。」 |
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