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同時刻、撫子はいつも通りにドリンクとタオルを準備していた。そこに跡部が話しかけてきた。 「オイ椿崎。」 「んあ?なんだい?」 「聖ルドルフが偵察に来た。」 「聖ルドルフ?何それマリ見ての世界に出てきそうな名前。」 「コンソレーションの相手校だ。」 「あぁ…で、それが偵察に来たと。」 「追い払ってこい。」 「はいよー…あー…やっぱ偵察って追い出されるんだ。私、青学では綱渡りしてたようなもんなんだ…。ある意味私ってすげくね!?」 「払ってこい。」 撫子のボケを綺麗に殺しもう一度指示を出す。 「へいへい、ボケ殺しとかマジ勘弁してほしいわぁ。」 ドリンクやタオルを一通り準備し、放置。必要になったらそいつらが勝手にとっていくだろう。緊急事態なのだから仕方がない。文句なら跡部に言え。そして撫子は聖ルドルフの二人が今だ言い合いをしている正門へと向かった。 あー…あの人たちか…………うん、あの人たちはリバだな、きっとそうだ。私の萌えレーダーが唸ってる。むしろどっちも受け。ハッ!?百合ホモだ!綺麗すぎるホモだ!具体的にはカヲル君とシンジ君みたいな!綺麗すぎるよぉお!だったら雰囲気的に…黒髪の方がカヲル君?落ち着いてる感じするし…。 「あのーすみません。」 一通り妄想したあと撫子は二人に話しかける。 「「!?」」 「テニス部を偵察に来たんですよね?聖ルドルフさん。すみませんが帰って下さいませんか?うちの部長、面倒くさいんですよ。」 偵察を追い払うってどのようにすればいいのかいまいち分からなかったから下手に出てみることにした。 「…失礼ですが、貴女は?」 「氷帝テニス部マネージャー椿崎撫子です。あなたは…?」 !めっちゃ石田公!うわ、甘い!こんな素敵なボイスっ、もっと聞きたいんですけれど!もっと囁かれてぇ!!……うん、追い払えって言われただけであって話をするなと言われたわけではない、と。よし、口先の魔術師k1の力を借りて会話を続けてやる。 「僕は観月はじめと言います。選手兼マネージャーの様なものです。こちらは不二裕太、青学不二周助の弟ですよ。」 「観月さん!なんでわざわざ言うんですか、…指示に背いて俺が越前に負けたことまだ根に持ってるんですか!?」 ただいま、観月×不二が優勢、しかし周助君の弟、黒属性を持ってるかもしれない…ん? 「弟、だと!?」 「そうです。」 「えっちょ、えー!?嘘!うっそ!?なんで君はそんなに純粋なやんちゃな年相応の少年なの!?周助君なんて怖いよ!!じゃない、えーっと…怖いくらい落ち着いてるよね。」 「何故…兄貴を知ってるんですか?」 「え?あぁ、ネットで知り合ったんだよ。へー…周助君にこんな弟が居たんだ…。」 なんてパーフェクトな兄弟なんだ。やんちゃ系と大人しい系…大人しい系がうk……止めとこ、自分の身が可愛いんでね。 「ネット…あぁ!最近兄貴の撮影の被写体になった人!?」 「何故知っている!?」 一護やったからぱっと見自分だとは分からないはずだったのに! 「兄貴から写真いくらか貰ったんです。よく撮れたからって、」 「パンピに何て事を…ただのテロだよテロ。」 「なんてこと!?貴女はあの撫子さんなんですね!」 観月が叫んだ。叫ぶ要素がどこにあったというのか。しかしこの展開、今までも何度か経験している。 |
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