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白石と財前が向かい合う。 「部長、なんで俺を見てくれないんすか。俺こんなにっこんなに!」 「財前、それ以上言わんといて、俺かて…我慢しとるんやで?」 「え?」 「俺らまだ学生や、光の望む言葉を今言ったらなんの重みもなくなってまう。やから俺はまだ…言わへん。けどな、俺も光の事、好きやで…。」 「蔵ノ介さんっ。」 一寸劇終了。 「キャーッ!!素敵!素敵すぐる!流石エクスタさん!私が言ったる、んんーエクスタシー!!」 「キモいわっ!!」 謙也が叫び水をさす。 「あ、謙也君…。」 そう言えば謙也は腐ったネタが嫌いだった。 「椿崎は腐女子やったんか、あー…ヤダヤダ。ホンマ、意味分からん。俺、帰るわ。」 席を立ち上がる。しかし、またもや撫子に服の裾を摘まれる。 「謙也君、ちょっと話そうか?こちらとて意味もなく罵られる理由が見つかんないんだけどな?」 「お待たせしました、ご主人様!お料理をお持ちしました!」 丁度、メイドさんが注文した料理を持ってきた。 「ほら、座りなよ。料理が冷めちゃうよ?」 黒い笑顔を発揮。謙也は黒属性に対して耐久がないため速攻で座り直した。 「撫子…なんや今一瞬、滝に…。」 「伊達にいっつも黒いオーラを当たっている私ではなーい。経験上再現することは出来るのだよ。」 メイドさんは仕事だ、仕事。自分の役割は果たさなきゃ、という使命感で重い空気が流れようと、ぶっ潰して任を全うした。 「ご主人様、では良いですか?お料理をもっと美味しくする呪文を一緒に唱えてくださいね!せーのっ!」 「「「「萌え萌えキューン!」」」」 「…………………。」 そしてメイドさんが去っていく。 「さて、食べながらでも話しましょうか?で、なんで嫌いなのかな?BLはともかくとして、百合まで…。」 「やって………なんか、嫌やん。」 「何を言ってんだ!?全男子は百合を愛するべきだろ!」 「撫子ー、それこそ偏見やでぇ。」 「そういや、みんなは謙也君がなんで嫌いが知ってんの?」 「あ…知らんわ。」 「俺も知らんです。」 「…………。」 忍足だけ反応がなかった。 「ん?忍足は何か知ってるな?」 「…………心を閉ざしているので聞こえません。」 「あらやだ、なんていとこ思いなの?…謙也君は喋る気ある?」 「無い。」 「ですよねー。」 しかしここで諦める撫子ではない。 「…ねぇ、もし私がこの心を閉ざしてるコイツをオープンザハート出来たら聞いても良いかな?」 「ええで!心を閉ざしてとる侑士を覚醒させるんは俺かて無理やしな!」 「おk把握。」 撫子が忍足の横に移動。耳元で何か囁いている。 |
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