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「………部長…今、謙也さんのいとこさんに嫉妬しとるんは正しいっすよね?」 「おん、正しいで、俺もジェラシー感じとるわ。」 「ひぃいいん!?ごめんなさい撫子様勘弁してくれださい!」 「自分、随分ええ声で啼いてくれるやん?ハァン。」 「止めたってくださいお願いします。」 「ふん、ポーカーフェイスファイター敗れたり。」 「な、なんやと!?」 忍足がオープンザハートしたことにより謙也が慌てる。 「さて、教えてもらおうか。男に見ごんはないんだろ?」 「……侑士、言ってや。その間俺、耳塞いどくから。」 「自分で言やぁええやろ。」 「無理や。」 そのまま机に突っ伏す。そういえばいつの間にか謙也は料理を食べ終わっている。流石スピードスター。 「うん、耳まで真っ赤ですね。テラ萌えす。」 撫子の言葉に反応して謙也は両手で耳を隠す。 「んー…カワイー。もっと身長ちっちゃかったらなぁ…。」 「撫子、喋るで?」 「おう、いつでもバチ来い。」 「確か去年辺りやなぁ。謙也が泣きながら電話してきたんや。なんなん?って聞いたら好きだった女子に告ったらふられて、さらに理由を聞いたら『私といちゃつく暇があったら、白石君といちゃついてよ』って言われたそうや。んで意味が分からんって言ってきたからそれは腐女子さんやったんやなって答えた。で腐女子ってなに?って聞いてきたから、説明するんもだるくて、ググレカスって言って。謙也はガチで調べたらしくって……2chの腐女子アンチレスで…。」 「偏見の固まり!!」 「せやろ?やから誤解を解こうとしたんやけど…聞く耳持ってくれんくてな……。」 「謙也ー!なんで2chなんかで調べてもうたんやー!?」 白石が叫ぶ。 「謙也さん、そんな下らん偏見で撫子さんを蔑んどったんすか。万死に値しますよ?」 財前が睨む。 「…こ、心を閉ざしているので、き聞こえません!」 「謙也君?私、誤解を解きたいな?どんな偏見持っているか、もちろん話してくれるよね?」 微笑みブリザード。 「撫子…乱用しすぎやろ、それ。」 「…うん、私も使うの止めたい。これ精神力や体力ごっそり持って行かれる…。」 そしてポツポツと話し始める謙也。 「やって…一世一代の告白で、そんな事言われたんやもん…。で、そっからそういう類が嫌いになったわ。」 「告白ねぇ…青春だねぇ。」 「いっぺんふられただけで偏見持つとか謙也さん最低っすわ。」 「謙也…2chで調べる前に、俺に聞いてくれれば良かったんや…。どんな偏見持っとん?」 「……[ピー――]の[ピー―――]な[ピー――――――]って思っとる。」 「謙也君!そんな属性の方が稀だからね!確かにね、そういったことで話題に上りやすいけどね!?否定はしないよ!確かにそんな人種もいるけどね!?その人種については腐女子にとっても迷惑だと思っている節もあるからね!腐女子全員が全員そんなんじゃないからね!?」 「証拠あるんか!?」 「私が証拠だオラァ!一見パンピだっただろ!昨日だって気付かなかったでしょーが!ちゃんとPTOをわきまえてる腐女子はちゃんと擬態してんの!」 「せやけど…。」 「確かに謙也君の言ってることには同意するさ。どうしても偏見持っちゃうよね?私も経験あるから理解できる。けどね、本当に全員が全員そんな人種ばっかじゃないんだよ?だからね、少しは理解してほしい。」 真面目な口調で諭すように言う。それに心が揺れる謙也。 |
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