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「な!?謙也、ここの本見て回る言うたやないか!なんでもうこっち来てんねん!」 「もう見て回ったっちゅー話や。浪速のスピードスターなめんなや。」 「謙也やないか!」 「………白石やないか!?と…もしかして光と…椿崎さん?」 一瞬白石の事が分からなかったらしい。サングラスかけてたら分からねぇよな。 「な、んで…忍足君がここに?オタク嫌いなんじゃなかったの!?」 「え?ここってそういう人が来るとこやったん!?ちょ、侑士聞いてへんで!俺、嫌や言うたやん!そう言う人種い嫌やて!」 「あー…。」 「…忍足君、ちょっと忍足貸してね?」 忍足を引っ張り、撫子は三人から離れる。 「あのさ、君も東京観光とか言って結局はここに連れてきてるじゃん。え?私、君に罵られたばっかなのに?」 脅しているわけではないが、脅しめいている。 「………今日、新刊ラッシュ日やったんやもん…。」 「で?それ終わったらどこ行く気だい?」 「…アキバ…。」 「の?」 「……メイド喫茶や。」 「はい、俺と同レベェ。お前も東京観光出来てなーい。しかも忍足君パンピなのに、メイド喫茶とかハードル高スゥ。」 「ちなみに撫子はこの後どこ行く気や?」 「執事喫茶!だったが、もっとセルフで萌えを見れると俺のレーダーが反応してるから君達について行くよ。メイド喫茶!」 「来るんか…。」 「おう、メイド喫茶初上陸!って言うか、忍足君と忍足ってどういう関係?苗字一緒だし、夫婦?」 「んなアホなことあってたまるか。俺と謙也は従兄弟や。いーとーこ。」 「えー…?まっったく似てなくね?」 「しゃーないやん。そういった家系なんやから。幕末まで家系図遡ったら俺の方には京都の能面職人、謙也の方は近江の飛脚の血が流れてるんやから。」 「家系図あるとか忍足アンタ、何者?」 「知らんっちゃ。ある家やったんやから!どうでもええやろ。とりあえず、四天宝寺の方へ戻るで。」 「ガッテン!…私ん家家系図ねぇよな…?」 二人はメイド喫茶へと足を運ぶことを伝えるため三人のところに戻る。 「あ、お帰りなさい撫子さん。」 「ただいま!」 「撫子さん、なんかな謙也は従兄弟君に東京観光をしとるみたいや。で、何故か、いとこ君がここに来たいって言って来たらしい。」 こちらはこちらで同じ様なことを話していたらしい。(平和的に) 「おぉ、らしいな。私も聞いた。でね?これから五人で一緒に行動しないかって言う話にこちらとしてはなったんだが、大丈夫か?この計画で。」 「「大丈夫だ、問題無い。」」 白石と財前がハモった。 「「…………………。」」 「……不快っすわ。でも撫子さんがそうしたいって言うなら俺は構いませんよ?」 「激しく同意。」 イケメンどうしのハモリとかヤバいな…以心伝心している証拠ですね?分かります。さて…ここからが腕の見せ場だぜ。忍足君や忍足が絡んで来ることによってどんな相互作用がございますかな? ぶっちゃけ、掛け算がしたいから合体案を提案したようなものです。 「忍足君も良い?」 「おん、かまへんよ。…どこへ行くんや?」 「ついてからのお楽しみだよ。ヒントは…喫茶。」 「「…あぁ。」」 「?」 またもや白石と財前がシンクロ。 |
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