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「中は広いけど、置いてるもんは変わらんなぁ。」 「そっすね。」 クールに言い放つ白石と財前。地元、大阪のメイトも大きいから感動が少ないのだろう。 しかし、クールなれない人が一人田舎出身撫子だ。 「ちょっ、めっちゃ広いよ!なんなのこの桃源郷、ユートピア!地元のメイトなんてただの倉庫にしか見えねーよ!地方乙!うっはー!マイナージャンルのグッズもこんなに!在庫も豊富!すごいね!やっぱ流石東京だよ!ね!」 眩しいばかりの超良い笑顔だ。 「せやな、こんな素敵な場所見たことあらへんわ。」 「俺もっすわ。撫子さんが居ることによってより感動が増してくるわ。」 意見を180°変えてのコメ返し。 「とりあえず、漫画のところ見てきていい?それからグッズ。漫画は買うもの決まってるし、グッズをゆっくり見たいし。」 撫子はそれを提案し、白石と財前はそれをのんだ。 そして三人は移動し漫画コーナーで少々屯することにした。 「あ、忍足。一昨日振り。」 そうしたら忍足が本コーナーからグッズコーナーへ歩いていくとこに遭遇。撫子はまさかこんなところで逢うなんて奇遇だな、と思いながら話しかけた。 「すんません、誰や?人違いやあらへんか?」 しかし、忍足は少々困った顔をして聞き返す。何故だ。知り合い以上の関係だと思っていたのに、なんて薄情な。 「は?何でだよ。間違えてねーよ。撫子だよ。アンタと同じクラスで席が隣の椿崎だよ。」 「な!?撫子!?」 「何故気付かなかったし。」 「やって雰囲気違うやん。」 「アンタ、私のコス姿を散々見てて今更何言ってんの。」 「で、なんで男二人もこんな辺鄙なとこにつれて来てんねん。もっとよう、考えや。」 「いや、私は蔵さんと光君を東京観光してんだよ!」 「なんで東京観光がここやねん!なんで撫子が東京観光案内しとるねん!」 「東京観光にケチ付けんな!良いんだよ、二人はこっちの人だから。後、昨日知り合って、今に至んだよ!蔵さんも光君も有名どころの崇拝すべに人間なんだよ!光君なんてぜんざいPさんだぞ!」 「な!?ぜんざいPさんて、ホンマか!?」 「あ…しまった言っちゃった…。二人共ゴメン。」 「かまへんっすよ。ぶっちゃけ撫子さん以外の人なんてどうでもいっす。」 「同じく。むしろなんで謙也のいとこ君が撫子さんと知り合いで、ここに居るんかが気になっとるわ。」 「謙也って、なんで知っとん?」 「俺、四天宝寺テニス部部長。」 「俺はダブルスのペアっすわ。」 「あぁ!自分ら知ってるやん俺、いや、自分らも雰囲気変わり過ぎやから。」 「忍足はここに一人で来てんの?」 「…おん。」 「友達と来れてないなんて悲しいですな、プッ。」 「せやな。」 「侑士ー、なんやここめっちゃ漫画あるなー。」 漫画コーナーから瞬間移動の如く出てきたのは忍足謙也。 |
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