青春Destroy | ナノ


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「もしぃお暇だったらぁ、私達とぉ遊びませんかぁ?」

わざとらしいくらいの上目遣い。しかし可愛いと思われる。
大体の男どもなら引っかかってついて行くだろう。しかしこの二人は大体に含まれない男どもである。まず三次元に興味があるのかあやしい位だ。

「えーっと…。」

白石が、財前が相手の横腹を肘でつつき対応の押し付け合いをする。そしてこしょこしょと相談話。

「ちょっ部長。その爽やかさ(笑)で追いやって下さいよ。」

「財前こそ厨2臭で追いやれや!」

対応に困っているところを遠くの方で発見し、集合場所にかけつけたくても駆けつけれないサングラスをした怪しい女が遠くからその様子を眺めている。そう、集合時間ギリギリ滑り込みセーフを狙っていたが逆ナンされているところに出くわして出ていこうにもいけない状況に陥っていた撫子である。

「えー…なにあのイケメソ達。意味わかんないんですけど…つか蔵さん本当に腐男子にしておくには勿体無いルックスだし…なにあれ爽やかオーラで私溶けるんじゃね?光君、なんであんなに厨2チックな服似合うの?私ヤバくない?光君と並んだら私のこの似合わなさ浮き彫りになるじゃん。それよりも本当にあの方達中学生?…うん、最近の中学生は発育が良いんだよな。うちの学校の奴らもそうだしね。……逆ナンの女大生可愛いな…。私もメンズの服を着てくればよかった。そしたらパッと見男子で私も逆ナンされて……田舎に居た時は結構あったなぁ、メンズの服着てることが多かったし。髪長いのにね…まったく不思議だよ。あ、でも田舎よりイケメン多いし私みたいなのは相手にされないか。あ、集合時間ちょっと過ぎちゃってる…逆ナン中には行きたくなかったけど…行くか!」

覚悟を決め近づく。

「蔵さんに光君大変長らくお待たせしてしまいまして誠に申し訳なかった!」

とりあえず名前、それから謝罪の文を叫ばせてもらった。
そんな突然の第三者に三人は固まった。

「「「!?」」」

「あ…失礼しますぅ。」

それから、女付きだと気づいた女大生はそそくさと退散した。「ハァ?誰よ。この女」とか言って絡んでくる女子じゃなくて良かった。あっさりと身を引いてくれてよかったよ。
しかし、撫子が飛び込んでかないと逆ナンをまくことが出来ないとはどういう事だ。

「二人とも逆ナンを追い払えないなんてヘタレか!」

まぁ男子にとって逆ナンの子って怖いらしいね。残念ながらその考えには賛同出来ないがね。可愛い子とは結婚しよ。が基本思案の撫子には分かることのない考えだ。

「ところで二人とも早いね。何分前に来てたのさ?逆ナンに合う位だからかなり早めに来て下さっていたのかしら?」

「「…………………。」」

「え…あの、ホワイトストーンさんとぜんざいPさんですよね?もしかして間違いを…しちゃったったった…?」

一向に反応がないから間違えてしまったのか?と焦る。

「え…え?撫子…さん?」

「へ!?あ、うん。撫子ですよ?」

「なんや…昨日とえらい印象が違うやん…誰だか分からんかったわ。」

どうやら二人も撫子一瞬でだとは判断できていなかったようだ。それもそのはず、サングラスをかけているからな。

「あー…サングラスかけてるからねぇ…。」

「なんでかけとるんすか?」

「…昨日みたいなモテカワメイクじゃなくてですね…、目つきが…悪いんですよ。」

「なんやぁ、そんなん俺ら撫子さんの目つきが悪いん知っとるわ。なぁ財前?」

「おん、撫子さん笑顔動画でもマスク対応やないですか。液晶越しでも伝わるあの眼力がたまらへんわ。液晶そこ退けろ。」

「…二人がそう言うんなら外すよ。サングラス越しじゃ色々とこの先不便だから。」

撫子はサングラスに指をかけ外す。そして何故か見つめ合うことになった三人。白石と財前は撫子の目をガン見。撫子は二人を交互に見る。言葉を交わすことも無く、ただただ無言で見つめ合う奇妙な三人組が出来た。
そして次に言葉を発したのはほぼ同時、内容も全く同じものだったのである。

「「「………………死ぬぅっ!!!」」」

三人とも両手で顔を隠す。

「なんやねん、なんやねん!コス写真見とったけどその比やないやん!何ちゅー素敵な眼力やんや!ゾクゾクするわ、んんーエクスタシー!!」

「ちょっ撫子さんこっち見んといて下さい。誰か、液晶持ってきてや!ああああ、液晶!今まで退けろ、消えろ、失せろなんて言って悪かったぁ!液晶が無いと…ッ直視できへん、やと!?」

「二人とも眩しいよ、イケメソオーラテラパネェですねぇ!半分分けて下さいよぉ!なんでそんな自分にあった服のコーディネートが出来るの、なに?女子力!?私男子に負けた!?と、とりあえずサングラスを再装備…目が溶けてまうイケメンキラキラオーラに目が蕩けてしまう!」

撫子がサングラスを再びかけようとしたら横から二つの腕が伸びてくる。

「「かけんといてや!!勿体ない!」」

血走った目…は気にせず、少々赤みがかった顔に荒い息。そんな顔されて撫子がNOと言う返事をするはずないじゃないか。

「イエッサー!!」

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