青春Destroy | ナノ


096


「何…やと!?」

意外!それは退学処分!!

「日吉、何でそんなに詳しいの?」

「俺にもこのプロジェクトに参加しないかって声がかかったんだ。その時の資料に書かれてあった。」

「え…これヤバいんとちゃう?」

だんだんと忍足の顔が青ざめる。
当たり前だ散々撫子の勉強の邪魔をしていたのだから。

「えぇそうですね。もし5位以内に入らなかったら確実に忍足先輩のせいですね。」

「あばばばばばばば…。」

腹いせは必ず忍足に回ってくる。これは確実だ。

「おいお前ら練習もしねーで何やってんだ?」

一応真面目に練習をしていた跡部が固まっていたメンバーに声をかけた。

「跡部は撫子が定期テストで5位以内入らんと田舎に帰るって知っとったんか!?」

「知ってたぜ?椿崎が今マネージャー室で勉強をする事を許可したのは俺だ。」

確かに。いつもならドリンクなどの準備が終わったら球出しにかり出されて、こき使っているのに今週はかり出されていたかった。

「椿崎が参加してるプロジェクトはそれなりにデカい規模の物なんだよ。」

「…うわぁ…俺やってもうた…。」

跡部からも譲歩されている始末。それほど大きな規模のプロジェクト。その言葉に忍足は頭を抱えこんだ。

「おら、さっさとお前らは練習しろ。」

「ちょい待っ、」

「この、俺様の、言ったことが理解できねーのか?」

「…跡部も苛立っとるなー。もしかしてストレス?禿げるでぇ。」

「当たり前だ、アイツはあれでも優秀だからな下手に一位なんて横取りされたら俺の成績に傷が付く。俺様が口で注意してる間に練習に戻れ。」

「ウィッス!!」

忍足は撫子に放った刺客の存在を忘れ、練習に戻った。宍戸も長太郎も今の跡部に逆らうバカではない。
故に日頃、跡部に反抗している日吉が岳人とジローの回収に向かう羽目になった。釈然としなかったが、日吉は行動に移す。

「…何時も世話になってるし、このままマネージャー辞めてもらっても困る。跡部部長があれだけ手を焼く人は椿崎先輩ぐらいなものだからな。」

結局は跡部の苦労している姿を見ていたいから、と言う理由で動いた。
日吉はそんな不純な動機を持ちマネージャー室に向かった。


「岳人ー…俺助けるとか言ったけど…今の撫子に近寄りたくないC…。」

「俺もだ…あのオーラは…無い。」

撫子は殺気立っていた。何故なら不得意分野である。異国語。つまり、英語が全く持って分からなかったから。
撫子が田舎の先生にも監督にも心配されていたのは英語の成績だったようだ。

「わっかんねぇ、わっかんねぇ、わっかんねぇよぉ!!」

キーッ!!と頭を抱える。

「ホント意味分かんないー!!バカバカバカバカバカバカバカバカ私のバカァ!私バカァ!?私ほんっとバカぁ?臍でも噛んで死んじゃエブァ!?なんて言うと思ったかバァカ!イヤ馬鹿だからぁ!!
なんなの!?英語って何て言語?世界共通語だからって調子に乗ってんの?分かんねぇよー!!英語なんて所詮世界で通じるなんて思ってんの日本とアメリカぐらいだっつーの!!現実見ろー!!私がな!!他の教科で賄うにも限界があるっつーの!!このツンデレ野郎が!!大英帝国様だからってちょづんなや!!イギリスに対する愛をもっても分かんねー!!ツンデレか?やっぱツンデレなのか!?いや違う私にはデレてくれない!!むしろ苦しめられてる。…ヤンデレか?いや、違う!デレがこれっぽっちも感じられない!!ハッ!?まさかのツンヤン?ぅわ、新ジャンル!?新じゃんるなのね!?テスト前なのに新ジャンル開拓しちゃったよアハアハアッハッハー、我は逝くーアハハハハハハハハ!!俺天才☆ケセセセセセセセセセセ……ハァ。」

発狂の度合いが今までの比ではなかった。
とりあえず岳人とジローには、今撫子は英語を勉強している事が分かった。

「「…………。」」

思わず絶句する二人。

「岳人…行ってきて……。」

「ハァ!?言い出しっぺのお前が行ってこいよ!」

「ほら、俺撫子に甘える担当だC?励ますのは岳人の担当だって。」

「いつの間に俺がそんな担当を担った。」

「今でしょ。」

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