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「ねー。」 制服の裾を引っ張られ視線をジローと岳人に落とす。 「何かなジロー?」 「マネージャー…やってくれないの?」 目がトローンで下がり眉の鳴きそうな顔をするジロー。破壊力は抜群だ。 「ぐっ…。」 「マネージャーしてくれたら俺の頭撫でてもいいC。」 「お、俺に抱きついても良いぜ。」 「う…。」 「膝枕してもいいC。」 「それお前の願望じゃね?」 「うはぁ……っ。」 「「ねぇ、マネージャー…してくれ(ほしいC)」」 上目遣い(ジロー、岳人)+泣きそうな顔(ジロー)+赤面(岳人)+小首傾げる(ジロー、岳人) =負けました。 「OK、やるわ!マネージャー。我が命に代えてもぉ!」 「「っしゃぁ!」」 ハイタッチをする二人。 はめた二人のそんな姿でさえ憎くない。 「ふん、やっと落ちたか。」 二人にはめられたのは良いけどイケメソに嵌められたと思ったら癪だなぁ。…なっちゃったなぁマネージャー……パシり…パシられるのやだなぁ。パソコンの時間が減るなぁ…今日帰ったらとりあえず昨日転入記念で撮った動画をうpして当分休止するか……あれ?そういや私って何でマネージャーやれって言われてるんだっけ? 「ねぇイケメソ部長さん。何で私がマネージャーに指名されてたの?」 「それは昨日忍足がてめぇの事を話したからだ。」 「忍足、お前、何て言ったの?」 「教える訳ないやん。」 自分で妄想させるのがそんなに嫌か忍足。お前も他人で妄想してるくせに生意気だ。 「ええかげんにせぇよ忍足侑士。うちがいつまでも口でしか言わんと思っとったら大間違いじゃけぇのぉ。早うに言っとった方が身のためじゃけんな。忠告はしてやったけんな?分っとんじゃろうなぁ?駄眼鏡。」 脅している時は律儀に岡山弁になっている撫子。ここで役立つやーさんの様な言葉使い。怖い。 「……話せばええんやろ話せば!」 「始めから素直に言いやボケ。」 「…仲間が出来たんが嬉しゅうて、岳人に自慢してたら跡部に聞かれて、どんなヤツか聞かれたんや、そん時に…………。」 「その時に?」 「三次元の男に興味のない女子やと紹介しました。」 あながち間違ってないけど…二次元に嫁は居ますけど、三次元に興味がないわけでもないんですけど…あれ、掛け算するだけって興味がないにカテゴライズされるのかな?………とりあえず私の禁則事項を話した忍足にジャッチメントですの。 「………マネージャーになるって言ったからにはもうマネージャーするけど、選べ忍足。千年殺しと私のハイキックどっちがいい?」 「え゛?」 「ちなみに言わなかった場合には両方な。ハイ、5ー4ー3ー2ー1ーぜr」 「ハイキックで良いです!ぜひハイキックして下さい。」 「相、分かった。立ちなさい忍足。」 「……。」 撫子は岳人とジローを遠ざけ、足を軽く上げる素振りを見せながら忍足が立つのを待つ。すごすごと立ち上がる忍足。 「ッせい。」 「グ――ッ!」 そして撫子はハイキックを忍足の頭に繰り出した。忍足はまともに喰らい壁まで吹っ飛んだ。 「あー、すっきりした。」 よろけるだけでなく、男一人を壁にまで吹っ飛ばしてしまった撫子の蹴り。ただの一般人ではないのか。ちょっと青ざめるメンバー。 「………おい。」 「何よイケメソ。」 「なんでそんな蹴りが出てくんだよ。お前文芸部だったんだろ?」 「空手やってた子に蹴りだけは詳しく習ったのよ。護身用にね。あと私基礎体力あるから。」 踊ってみたって結構体力使うのよこれが。 「そうか。」 「そうよ。まぁ賭にも負けちゃったし、マネージャーするわよイケメソ。」 あー、けど吐き気がする。 「…あぁ。少し待ってろ。レギュラーが集まったらお前との顔合わせだ。」 「おk把握した。」 |
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