繋がる海外と日本



『そっちはどう、敏弥さん』
「んー細かいトラブルはあったりするけど、順調だよ」
『そっか。よかったな』
「ルキ君は?」
『ファイナルに向けての打ち合わせとか色々あるけど、まぁ順調にコトは進んでるかな』
「ならよかった。はー…早くルキ君に会いたーい」
『俺も。でもスカイプって便利なんだな』
「顔見れるし、いいでしょ」


俺が海外でツアー中。

俺は仕事の打ち合わせの時とか時々使ってるから出来てたんだけど、ルキ君用のは無かったから。
ススメまくって、ルキ君も設置したスカイプ。

パソコン画面に映るルキ君は、眼鏡にオフの姿。

ちょっと疲れてそうな感じ。


ルキ君は煙草吸いながら時おり視線を下に逸らして煙を吐き出す。


スカイプするのはいいけど、タイミングとかあるからなかなか顔見て電話出来ないんだよねー。
実際携帯の方が何処でも持ち歩けるし、便利だし。


『敏弥さんちゃんと飯食ってんの?』
「食べてるよー。ピザとか…自分で勝手に挟んで食べろって感じのサンドイッチとか出て来るよ」
『うわ、最悪じゃん。デブって帰って来んなよ』
「ちゃんと筋トレしてるもーん」
『この筋肉バカめ』
「あはは」


端っこの方に、自分の顔が映る。
眼鏡かけて前髪でほとんど目が見えねー。


肘付いてルキ君が映ってる画面を眺めて笑い合う。


『あ、今日堕威さんの誕生日じゃん』
「あー…そう言えばそうだね。かなりデカいケーキ出て来たよ」
『マジ?』
「マジマジ。最終的にパイ投げ合戦みたいになった」
『はは、ガキだな』
「海外の人はノリがいいんだよ」
『いーじゃん、楽しそう』
「楽しかったよー」
『そっか。後で堕威さんにおめでとうメール送っとく』
「…いつの間に交換したんだよ」
『前にお前に飲みに誘われた時、堕威さんと薫さんもいたじゃん。2人に教えてもらった』
「心夜とは犬友達だしさぁー。ルキ君俺のバンドの奴等に手出し過ぎ!」


まぁ京君だけは繋がれないだろうね。
無視されまくってるもん。

ムカつくから一生仲良くなんてしなくていいけど。


ちょっと不機嫌な顔になった俺に苦笑いを漏らしたルキ君。


『手出すって…。先輩なんだからいいじゃんか』
「いいけど。いいけど浮気すんなよ!」
『しねーよ。お前こそ海外の男漁るなよ』
「うーん、欲求不満だけど我慢する」
『オイ』
「嘘うそ。昔遊びまくったからもういいよ外国人は」
『このヤリマン』
「あはは。今はルキ君だけじゃん」
『ならいいけど。欲求不満ならディルド買ったら?』
「何処でするんだよ。1人でするのは誘う時しかしねーよ」


あ、そうだ。


「じゃースカイプでえっちする?」
『テレセみたいなモン?』
「そう」
『コロンの前で出来ねーよ』
「コロン何処にいんの?」
『膝の上』
「何それ可愛い」
『コローン。敏弥さんだよー』


ルキ君が煙草を多分灰皿に揉み消して、下を向いてコロンを抱き上げて俺に見えるようにした。

ルキ君に抱っこされてるコロンは可愛い。


画面のコロンに向かって手を振ってみるけど、生身じゃねーからかコロンは画面を見た後、興味を無くしてルキ君の方に擦り寄ってった。


可愛いなぁ。

海外ツアーは遣り甲斐もあるし、嫌じゃねーけど。

ルキ君とかコロンとか、自分の日常を見ちゃうとやっぱ家が恋しくなるね。

まぁそれは3人の暮らしが楽しくて幸せだからだろうけど。


だから外国人の誘いにもノる気無くなったんだろうなー。
こっちの人、フリーダムで尻軽であっさりしてて良かったんだけどね。


『帰って来んのクリスマスなんだろ』
「うん、25日に着くかな」
『そっか。どっか飯食いに行く?疲れてる?』
「んー…コロンもいるし、家で水入らずで食べたいかなー」
『了解。じゃ、何かクリスマスディナー作るわ』
「わーい、楽しみ」
『早く帰って来いよ。最高のライブして』
「当たり前じゃん」


ルキ君がコロンにキスをして、また膝の上に乗せた。

可愛い。

コロンも、ルキ君も。


帰る場所があるって幸せだな。

ルキ君と出会って、そう感じられた事。



END


[ 43/46 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -