バカップルのハロウィン



10月31日になった深夜。
お互い仕事で遅く帰って、コロンの散歩行って一緒に飯食って。

2人して仕事の為に無言でパソコンに向かってたけど。

ちょっと集中力切れちゃったし。
俺が休憩がてら立ち上がってキッチンまで行くと、さっきまで仕事してるるルキ君の胡座掻いた上に丸まって寝てたコロンが。
尻尾を振りながら冷蔵庫を開ける俺の足元までやって来た。


コロンご飯食べたじゃんー。

おやつは夜中だしあげないよー。

ストックしてある缶ビールを取り出してプルトップを開けながら、足元にまとわり付くコロンを片手で抱き上げる。


ってか、コロンいい衣装着てんね。
ルキ君また買ったのか。


かぼちゃパンツに背中に羽?みたいなのが付いてる紫の衣装。


あ、そう言えば今日ってハロウィンじゃ無かったっけ。
日付変わったし。


ビールを飲みながらコロンを片手に抱いて、まだパソコンと睨めっこしてるルキ君の元へ。

眼鏡掛けて真剣な顔で画面を見て、イラついた様に煙草を何本も吸うワーカーホリックな恋人。
その隣に腰を下ろして缶ビールをテーブルに置いた。


「ルキ君、ルキ君」
「………あ?」
「トリックオアトリート。お菓子くれなきゃ悪戯するぞ☆」
「………」


コロンの両脇を抱えて、ルキ君の目線まで持ち上げてコロンが言った様にしてルキ君に話掛ける。
コロンは抱き上げられたまま、尻尾を振ってルキ君の方を見てた。


ルキ君は目を細めて俺の方をじっと見てた。
そんなルキ君に、コロンの手を取って肉球でルキ君の頬をぷにっと押す。


「…コロンには明日注文してたハロウィンケーキやるから大丈夫」
「えー、俺には?」
「は?明日だろ。ねーよ」
「もう日付変わったよ」


そう言うと、ルキ君の視線は時計に向いて。
吸ってた煙草を灰皿で揉み消して俺の方へと身体を向けた。

両腕を伸ばしてコロンを俺の手から奪う。


ハロウィン仕様のコロンは、ルキ君の腕の中で大人しく収まる。

コロンがこの服着てるって事は、ルキ君もハロウィンだって事はわかってたんだろうけどね。

イベント事好きだし。


「…明日また夜にお菓子やっから、我慢しろよ」
「えー!じゃ、ルキ君に悪戯しちゃうぞー!」
「はは。コロン、敏弥さんに噛み付けー」
「コロンはそんな事しませーん」


ルキ君に抱き付こうとすると、コロンを撫でるルキ君は笑いながらコロンを差し向けた。
噛み付く気配のないコロンの鼻先にキスすると、思い切り顔を反らされた。

この野郎め。


「あ、その敏弥さんが飲んでるビール、俺が買って来たヤツだから。これで万事解決だな」
「これお菓子じゃねーじゃん」
「普段そこまで菓子食わねー癖に」
「それはそうだけどー…せっかくのハロウィンじゃん」
「確かに。じゃ、仮装でもすっか。敏弥さん女形して」
「昔の衣装?」
「うん」
「入っかなー」
「今着たら似合わねーだろうな」
「煩いな。ルキ君も女形しなよ。そんでレズプレイしよ」
「いいよ。楽しそう」
「じゃ、明日の夜ね!」


笑うルキ君に軽くキスしたら、さっき避けやがったコロンが俺の顎辺りを舐めて来た。
やっぱ可愛いなーこの子。

ルキ君はそんなコロンの頭にキスをして、マウスをいじってパソコンを落とした。


「ルキ君仕事もういいの?」
「ん。一区切りついたし」
「そっか。寝る?」
「んー…。敏弥さん、トリックオアトリート」
「…お菓子無いよ」


そう言って笑ったら、ルキ君はコロンを床に降ろして眼鏡を外して顔を間近まで近付けて来た。


「じゃ、今から悪戯決定な」
「楽しみ」


ルキ君の口元が楽しそうに歪む。

お菓子脅し取ったり悪戯したり仮装プレイしたり、ハロウィンて楽しいイベントだよね。



END


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