好き、大好き、愛してる



敏弥さんが国内ツアー中。
俺も仕事忙しかったりするんだけど何日も会ってねーとさすがに寂しい。

仕事から帰って来て、1人だからって適当な飯食って、コロンにもご飯あげて遊んでたけど。
コロンは夜中になる前に寝てしまった。

犬は人間がいなきゃ24時間中20時間は寝るって聞くけど。
俺が仕事中は家にいて寝てた筈なのに、よく寝るね、コロン。

寝る子は育つって言うしな。


ゲージの中にあるドーム型のベッドん中に入って丸まって寝てたコロンは。
段々と寝相が酷くなって来て仰向けに腹を出して寝て、頭がドームから出てる。

何だコレ。
超可愛いじゃん。


笑みを浮かべて、そんなコロンを起こさねー様に写メタイム。
色んな角度から撮って、ベストショットが写メれたから満足。

溜まったコロンの画像を携帯で見て。

コロンの画像の中に、たまに出る敏弥さんを写メった画像もあったりして。


あー、敏弥さん今日ライブだったけど今何してんだろ。

さすがにホテル戻ってる時間かな。
地方で飲み歩きとかしてんじゃねーだろうな。


電話してみようかなって思って、敏弥さんの番号を呼び出してコール。


「……、出ねぇ…」


数回コール鳴らしたけど、敏弥さんが出る気配は無かった。

残念、声聞きたかったな。

そう思って溜め息を吐きながらコールを止めた。


ライブだったし、疲れて寝てんのかもしんねーし。
俺も風呂入って寝っかなー。

あ、さっきのコロンの写メ、敏弥さんに送っとこ。


携帯を操作して、敏弥さんにコロンの寝相ベストショットを添付してメールを送る。


携帯を閉じて、コロンのゲージ前から立ち上がる。
風呂入るからアクセサリーケースん中に今日付けてたゴツめのアクセを外して入れる。

敏弥さんと買ったペアリングは、シンプルな形で一切邪魔をしねーから比較的ずっと左手薬指にしたまま。

ケースの前に眼鏡を置いて、風呂場へ行くかって思った時。
俺の携帯が着信を告げた。


ディスプレイには『敏弥さん』の文字。


「はい」
『あ、御免ねルキ君、さっき出れなくて。風呂入ってて気付かなかった』
「あー仕方ねーって。どう、そっちは。順調?」
『うん、たまにミスもあるけど、いい感じだよ。バンドもファンも』
「そっか。よかったな」


何日か振りの敏弥さんの声。
元気そうな声に安心した。


携帯で話しながらソファに座って片足を上げ、だらけた格好で敏弥さんと喋る。

『あ!写メのコロン!何あれ超可愛いんだけど!』
「だろ?今もあの格好で寝てんぜ」
『あー…コロンてマジ可愛い。癒される』
「生身のがもっと可愛いから。残念だけど、今は俺しか見えません」
『糞ー…帰ったらいっぱい見るからいいもん』
「はいはい、良いツアーいっぱいして早く戻って来いよ。コロンが寂しがってんぜ」
『え、ルキ君は?』
「は?」
『ルキ君は?寂しくねーの?』
「コロンいるしなー」
『ひでー!俺はルキ君に会いたくて寂しいのに!』
「何可愛い事言ってんだコラ。俺だって寂しいし会いてーよ」
『ん、よろしい』
「ふはっ、何だソレ。敏弥ん酔ってんの?」
『ちょっとだけビール飲んだ』
「あんま飲み過ぎんなよ。ただでさえライブ中も飲んでんだから」
『大丈夫だって』


何気無い敏弥さんとの会話に笑みが浮かぶ。
離れてて寂しいけど、こう言うのもいいなって。

ホテルでも飲んでる敏弥さんとか、容易に想像出来過ぎて。


『あーもー眠いー』
「寝ろよ。明日もあんだろ」
『んー。寝るー』
「じゃ、明日も頑張れよ」
『頑張る。ルキ君愛してるよー』
「俺も愛してるよ」
『ホント、ルキ君だけだからね、愛してんの』
「ん?どした?」
『んー。何か寂しくなって。言いたくなった。早く会いたいなー』
「やめろよ俺も会いたくなるじゃん」
『ふふん。俺の事だけ考えて寝なよ』
「敏弥さんこそ」
『勿論。じゃ、おやすみ』
「おやすみ」


電話を切って、暫くソファの上でボーッとする。

電話中は気分が浮かれるけど、終わった後はやっぱ寂しい。

それ程、敏弥さんが好きって事だけど。
我ながらドハマりしてるこの現状に、苦笑い。

結局は愛してるから仕方無い。

それしか答えは出ないけどね。



END


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