ルキ+敏弥/リバ
お互いオフが重なった日。
今まで忙しかったし、丸1日オフが重なるとかなかなか無くて。
でも出掛けんのも面倒だったから、敏弥さんと2人で部屋でダラダラ過ごして。
テレビの映像垂れ流して、何でか俺の後ろに座って敏弥さんは腹に手を回して抱き付いてる。
…何処触ってんだよコラ。
敏弥さんが俺の服ん中に手を突っ込んで来て。
無視して溜まってたメールを消化しようと携帯を弄る。
最初は敏弥さんも大人しくテレビ見てたんだけど、段々飽きて来たらしい。
「…ねー。誰とメールしてんの?浮気?ねぇ、浮気だろ」
「そう、浮気」
「死ねよ」
「……」
「……」
「嘘」
「ふーん…」
「何だよその態度。敏弥さんが死ねば」
「やだ生きる」
「はは、何それ」
拗ねた様に言う敏弥さんに笑って、何人かに返信してなかったメールを全て返す。
まぁ、中にはメールのやり取り好きな奴もいるから、そのままメールで会話したりして。
「ちょー暇なんですけどー」
「知らねーよ。触んな」
「やーだー」
「じゃ、勝手にすれば」
「つまんねー!」
敏弥さんの冷たい手が、俺の肌を撫でて。
冷たさに鳥肌が立つ。
それでも無視して、メールを返してると。
敏弥さんが叫びながら俺をキツく抱き締めて来て。
ちょっと。
苦しいんだけど。
「離せよウゼェな」
「俺も浮気すんぞコラ」
「は、やってみれば」
「ムカつく」
そしたら、敏弥さんは拗ねた様な顔をして。
俺の身体に回してた腕を解いた。
自分の携帯を取り出して、何か操作をし出した。
背中の熱が無くなって、携帯から目を離して敏弥さんの方に視線を向ける。
「あ、もしもし京君ー?」
「……」
部屋の中に敏弥さんの明るい声が響いて。
その声から聞こえる名前に眉を寄せる。
敏弥さんはそ知らぬ顔で会話を続けた。
「うん、そー。でねー京君て今晩暇ー?」
「………」
「俺も暇だしさー。久々に遊ぼうよー。…ホテルで」
「ッ!おま、京さんとも関係持ってたのかよ!聞いてねーぞ!!」
「あっ」
敏弥さんの言葉を聞いて、ムカついて振り返り様に敏弥さんの携帯を奪う。
敏弥さんは少し目を見開いて、孤を描いた。
「お前マジありえねぇ!昔は許したけど、今浮気したら絶対ぇ許さねーからな!しかもよりによって京さんとか…!」
「……」
「…何笑ってんだよ」
「ふふ、電話。京君と話してみたら?」
「はぁ?なん、で…」
俺は怒ってんのに、敏弥さんは笑ったままで。
益々ムカついて。
眉を寄せながら、奪った敏弥さんの携帯のディスプレイに視線を落とした。
「……」
「俺はメンバーには手を出してませーん」
「…あー…もう。お前、マジふざけんなよ…」
「ルキ君怒っちゃってかーわいい」
まだ繋がってる携帯のディスプレイには京さんの名前じゃなくて。
三桁の数字。
敏弥さんはしてやったりな顔で、俺の手を取り携帯を取り上げた。
「お前、マジ死ねよ」
「はいはい。ルキ君は俺の事大好きなんですねー」
「ムカつく」
「ふふっ」
舌打ちをして、敏弥さんから視線を外す。
笑顔のままの敏弥さんは、楽しそうで。
悔しい。
こんなわかりやすい手に引っ掛かるなんて。
糞野郎。
「俺もね、大好きだよ。ルキ君の事」
「あっそー」
そう言って、俺の腕を引き寄せる敏弥さんを拒否る事もせず。
されるがままに敏弥さんの胸元に収まった。
あー何かもう一気に疲れた。
んで、よかった。
昔はお互い、人間関係めちゃくちゃで。
身体だけの関係だったけど。
今はそれをされるとムカつく。
嫉妬する、イコール好きって事は。
敏弥さんと関係を持って気付いた事。
「笑うな」
「無理だろ」
「死ねよ」
「嫌だっつってんじゃん」
「チッ」
敏弥さんの楽しそうな顔が本気でムカつく。
けど、好きなのに変わりは無い。
終
20110206
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