ルキ+敏弥/リバ



ルキ君とご飯食べて、買い物して帰宅したのが夜中。

超疲れてんのに、何故か説明書を見ながら組み立ててる俺。


ルキ君が前から飼いたいって言ってて、お互いツアーや仕事あるけどウチのドラマーも飼ってるし、大丈夫かって事で犬を迎えたんだよね、我が家に。


一緒に選ぼうぜとか何とか言った癖に、結局はルキ君が決めて。


ちっせーブラックタンのロングコートチワワ。


飼う事は前々から考えてたらしくて。
俺は知らなかったんだけど一緒に住む事にしたこの部屋は、ペット2匹まではOKだったらしい。

抜かりないね。


ま、可愛いからいいんだけど。


今はその犬のゲージ組み立ててます。

俺一人で。


当の本人、ラグの上で買った犬用布団広げてそこに乗せて遊んでるからね。


「ちょっとルキ君、手伝ってよ」
「今忙しい」
「遊んでるだけじゃん」
「うん、マジ可愛いよなコイツ。ちっせーし」
「可愛いのはわかってっから、早く」
「いいじゃん、敏弥さんプラモデルとか組み立てんの得意だろ」
「……」


それとこれとは別だろ、と思いながら一切動こうとしないルキ君と一匹から目を逸らす。

溜め息を吐いて、また一人説明書を見る。

そんなデカくもねーし、組み立ては簡単なんだけど、ね。


俺もそのちっさいのと遊びてーっつの!


このまま放置しててもルキ君は絶対やんねーだろうから、最後まで組み立てる。

あんなちっさい犬にしてはデカい気がすっけど…トイレとかベッドとか置いたらそんなに広くねーか。









「…よっし、完璧」
「出来た?」
「出来たよ。これでどうよ」
「まぁまぁ」
「ちょっと」
「ははっ、嘘ウソ。サンキュ」
「ん、俺も遊びたい」
「あ、もう疲れたらしくて寝そうだから、ダメ」
「えー!」
「煩い。ビックリすんだろ」
「……」


確かに組み立ててたらやけに静かだなーとは思ってたけど。

組み立て終わった時には、ルキ君の膝の上で丸まって寝てたちっせーの。


何、もう安心してんの?

ルキ君の隣に座って、膝の上で寝る様子を見つめる。

俺を睨みながらも、ちっさいのを撫でる手は優しい。


「…可愛い」
「うん、可愛い。マジ可愛い」
「…もう、今から親バカ?」
「だって可愛い」
「うん。ペットショップの中で一番可愛かったよね」
「……。ゲイのカップルってさ」
「ん?」
「子供産めねーじゃん」
「うん」
「だから、まぁ、養子貰う奴らもいるんだけど、ペット飼う奴も多いんだってさ」
「……」
「で、コイツ、俺らのガキだから。ちゃんと可愛がれよお前」
「…何だよ、もう」


可愛い事言ってんね。


優しい顔して、膝の上のちっせーの撫でるルキ君。


「…な、」


ルキ君の頬に手を当てて、俺の方に向かせる。
不意な事で、素直に向いたルキ君の半開きの唇に吸い付いてすぐ離した。


「2人で立派に育てていこうね」
「当たり前じゃん。俺が親父な」
「ちょっと、親父はどう見ても俺だろ。ルキ君だってちっせー小動物の癖に」
「ンだとコラ。あ、起きた。敏弥さんがうっせーから」
「はいはい、お互い様」


ちっせーのが目を開けて、デカい瞳で俺達を見上げた。


可愛い。

俺達の子供かぁ…。

そう思うと余計に可愛い。

ルキ君がそう言う事考えるなんてね。


案外ロマンチストだもんね。


「躾とかちゃんとしなきゃね。俺ら留守多いし」
「だな」
「あ、ところでさ、名前何にすんの?」
「コロン」
「え?」
「コロン」
「…そりゃまた、可愛い名前だね。ルキ君だったらいかつい名前付けそうなのに」
「可愛いから」
「確かに。コローン、宜しくね」


指で優しく顎の下を撫でたら目を細めて舌を出した。


あーマジ癒される。

また心夜に色々聞かなきゃ。


何だか、ルキ君の言葉がプロポーズみたいに聞こえて。

口許がニヤけるのが止まらなかった。



20110122


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