ハロウィンのお菓子/敏京




「あれ、京君どうしたのそんなに沢山のお菓子」
「何やスタッフやメンバーがくれてん。食べ切れへんから持って帰る。袋ない?」
「あー、どうだろ?後で聞いて来るよ」
「うん」
「でも何で……あぁ!今日ハロウィンかぁ。そっかそっか」
「ハロウィン?あぁ…」


そう言えば何か変な事言いながらくれた女スタもおったな。

女そう言うイベント的なん好きやしなぁ。


「じゃ、今年もコスプレしながらエッチしよっか」
「…死ね」


こいつもアホみたいにイベント事好きやったりするけど。

敏弥の言葉に、去年敏弥がセーラー服着てヤッたん思い出した。

まぁ確かに綺麗やったけど顔は。

デカイ図体のセーラー服とか引いたけどな。
はっ。


休憩中。

自販機に行っとった敏弥は僕の分のコーラも買って来とって。
手渡しながらパイプ椅子を引いて、菓子を食っとる僕の隣に座る。


色んな奴から貰ったテーブルに置かれた菓子を、敏弥は指で摘まんで見て。


「つーか貰い過ぎ。これなんか手作りじゃん。誰に貰ったの?」
「…なん、別にえぇやん。今日ハロウィンやからくれただけやろ」
「俺以外に餌付けされてんじゃねーよ」
「はぁ?知らんわボケ。メンバー全員にくれたんやから、お前のもあるやろ」
「ふーん」


敏弥は拗ねたような表情をして、手作りらしい可愛らしいラッピングがされた形が何や変わったクッキーを開け出した。


「あ、僕の何勝手に開けとん」
「……意外に美味いし、ムカつくー」


敏弥は一つ取り出すと、僕が睨んどんも気にせずに口ん中に入れた。

もうホンマこいつは…。


「こんだけお菓子貰っちゃってさー。今日は俺が悪戯しちゃうからね。京君に悪戯するし」
「何アホな事言うとん。僕の分食ったんやから無しやろ」
「今年は京君もコスプレして貰うからね!」
「嫌やしアホ」


何かブツブツ言いながら、クッキー食っていきよるし。

拗ねた様子に苦笑い。


「何やー?京君トコはコスプレパーティーでもするん?」
「あ、堕威君」


菓子食って敏弥が買って来たコーラ飲みよると、途中堕威君が割って入って来た。


「京君、俺のお菓子もあげるで」
「あ、ホンマ?ありがと」
「ちょっとちょっと!堕威君まで何京君に餌付けしてんの!?」
「敏弥、煩い」
「ははっ、俺お菓子とか食わんし。彼女結構煩い奴やから」
「京君の彼氏だって煩い奴ですけどー」
「えぇやん。どうせ敏弥やし」
「ホンマやな」
「ちょ、ひでー」


ギャーギャー煩い敏弥を、堕威君と笑いながら菓子を受け取る。


敏弥が嫉妬深いんはわかっとるし、いちいち相手にしとったらキリないし。


拗ねた顔見るんも可愛いとか思ってまう僕もどうかしとるしな。


「ハロウィンなんやからえぇやん。お菓子やらんで京君に悪戯されたら困るやんなー?」
「はぁ?寧ろ京君になら悪戯されてもいいし。ってか悪戯されたいし」
「………」
「うわぁ…」


敏弥の発言に、堕威君は笑いを溢して。

敏弥の方を睨むと、真顔で言うとるトコがまた痛い。


「大変やな、京君」
「ホンマやで。堕威君にあげる」
「いや、いらんわ」
「もう2人共酷いー」
「泣くなキショい」
「うん、気持ち悪い」
「ッ、今日2人が苛めるよよー」
「やって、なぁ」
「うん。ハロウィンやし。敏弥からお菓子貰ってへんし」
「じゃ、趣味じゃねーから堕威君にはお菓子あげる」
「やからお菓子いらんのやって。俺も敏弥趣味ちゃうわ」


ケラケラ笑う堕威君。

敏弥も何だかんだ楽しそうやし。

元々空き時間に遊んだり飲みに行ったり仲良いし。

デカい奴らのじゃれ合いみたいな感じ。


したら、堕威君は薫君に呼ばれて向こうへ行った。

僕が敏弥の腕を引いたら、なぁにって目を細めて笑みを浮かべた敏弥。


そう言う視線、慣れとるけどむず痒い。

やって、そんな顔しとん理由なんてわかり切っとるから。


「…敏弥は僕に菓子くれんかったから、帰ったら悪戯やな」
「…うん。楽しみ」
「さて、何したろかなー」
「ふふ、俺も何しようかな」
「言うとれ。無理やし」


そう言うた敏弥の口許が歪んで笑った。


結局、全部食った僕にくれた手作りクッキー。


なぁ敏弥。

僕に食わさん為でも、別にお前が食わんでもえぇんちゃうん。


帰ったら苛めたろ。




20101031




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