痛いけど好き/京流




るきが寝るんはホンマ仕事によって違うから、日によってまちまちやったりする。

ま、同業者やから生活サイクルは似たような感じになんねんけど。


風呂入ってきっちりジャージを着込んで。
濡れた髪を放置したままタオルを肩に掛けてソファに座ったままペットボトルの水を飲む。


したら、るきも僕の後に同じく風呂入って出て。

さすがにもう寒いし、るきもきっちり着込んだ姿。
前に僕のジャージが欲しいって言うとって、やったらそれ使いよる。


まぁ、もうジャージ使わへんし勝手につこてもろてもえぇんやけど。


何や部屋ん中で似たようなん着とるんもキショいな。
笑える。


そんな事考えよったら、るきがテーブルに鏡置いてラグの上に座った。


濡れた髪がぺったり貼り付いてデコ全開。


いつもの様に、基礎化粧品つけよるし。


「…京さんやっぱ暖房つけてても寒いですよねー?」
「あー、せやな。いきなり寒なったしなぁ」
「炬燵出しましょうかね。でもまだ炬燵カバー新しいの買ってねーし」
「…いや、去年のあるやん。何で新しいん買う必要あるん?」
「え、インテリア去年と変わってるし…」
「アカン。いらんやろ。僕らそんなに家におらんし。買うな」
「えー…ダメですか?」
「アカン言うとるやろ」
「…じゃ、いいの無かったら諦めます」
「最初から諦めろっちゅーねん。ホンマ無駄遣いばっかしよってからに」
「はは、買い物好きなんすよね」
「もう依存症やな」


そんな会話をしながら、るきの後頭部をチラッと見て。

怠いし疲れたし、もう寝よか。
髪の毛乾かしてないからそのまま寝ると気持ち悪いし、乾かしてから。


そんな事を思いながら、腕を伸ばしてペットボトルをテーブルに置くとるきが口を開けて鏡を見とった。


「…何しとん」
「ぁ?…あー、俺この前舌噛んで口内炎出来たんすよ。結構デカいし、痛いんですよね。舌なんで喋ると歯に当たるし」
「へー。見して」
「えっ?」


るきの顎を手で掴んで、こっちを強制的に向かせる。

びっくりした様に目ぇ開いて口も開いとるからめっちゃアホ面。


あんま屈むん怠いから、るきの顔引っ張るとるきはそのまま付いて来た。


ソファに座っとる僕と、ラグの上に膝立ちのるき。


口ん中の舌見たら、確かに舌の端っこがデカく白くなっとる。

口内炎て痛いよな。

舌やと何するにも使うから余計に。

そう思いながら、口開けとる間抜けなるきの顔に顔を近づける。


「きょ…っ、」


そんでそのまま、るきの口にキスをして。
開いたままやったから、速攻で舌突っ込んでるきの舌を絡め取る。


「んン…ッ!」


目開けて、間近のるきの顔見よったら一瞬だけ驚いた顔して。
それでもすぐに律儀に目を閉じる。

僕のジャージを掴んで、すがる様な感じで。


「ん…ッ、きょ、や…っ痛…!」
「……」


舌に吸い付いて、ソレを甘噛みする。
るきが痛がっとる所は、舌の当たる感触でわかるからそこを集中的に舌で撫でると。

ジャージを掴む力が強くなって、るきは痛みに反射的に逃げようとして。


僕とのキスを逃げるなんやえぇ度胸やん。


後頭部がっちり掴んで逃がさんけど。


「…ッ、」
「逃げんなボケ」
「……ゃ…っ」


グッと後頭部の髪の毛を掴んで上向かせたら、嫌がっとる割りには目を細めて僕を見上げて来て。


また唇を重ねて、逃げようとする舌を舌で追いかける。

グリグリいじったると、痛みで震える手。
それでも更に身体を密着させようと首に腕を回して来た。


嫌なんかもっとして欲しいんか、どっちやねん。


マゾやからどうせ痛いんが好きやろけど。


「…ッ、ぁ…京さ…、」
「なん」
「…もっと」


ホンマ、マゾの糞淫乱。

そう言うトコが頭悪そうな感じで、気に入っとるけど。


今日は無理矢理フェラさしたろ。


痛がる顔とか、かわえぇ事この上ないやん。



20101030



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