ファミレス前の件から小一時間ほどあてもなく街をふらふらしていると、楓の携帯から初期設定の着信音。

「…はーい、何用でしょうかね」
『おーよかったアンタ暇そうで。ちょっくら情報を吐かせてほしい奴がいるんだけどさ
…』

電話の相手から物騒な単語が聞こえる。
彼女は学園都市の暗部に潜む『アイテム』の連絡係、顔も名前も知らない女性。
楓は少し前に『とある事件』を起こしてしまい、不幸にも暗部へと落ちてきた人間である。
そんな彼女にはもちろん拒否権などないし、それを知っての上で彼女は悪態をつきながら電話の相手に詳細を聞く。

「はぁ、…で?何処の誰から情報を聞けば?」
『うーん、相手は中年の冴えないオッサンなんだけどさ』
「うわーないないパスパス、今さっきアホみたいな不良相手にしてきたばっかだし」
『こいつときたら…、その分ボーナスはプラスしてあげるけどどーする?』
「どうしてそれを早く言わないのかしらあんたは、もちろんやるに決まってるじゃない」

目の色を変えて食いついてくる#名前#を、電話の相手はわざとらしい溜息をついて笑う。
別に楓にとって金が必要なわけではないのだが、暗部に落ちたのも学園都市の損害賠償が理由だ。

『あーほんとにこいつときたら、一体誰に似たのかしら』
「『結局世の中金なのよ、金』って誰かが言ってたでしょ、うちの組織の金髪碧眼が」

同じ組織に属するとある少女の名を出すと、連絡係もああ…と苦い笑いを浮かべながら応答する。

『まあいいわ、じゃあアンタに頼むけど…そうだこの情報ってさ、結構色んな奴狙ってるのよ』
「はぁ?だからどうしたの?」
『馬鹿ねアンタ、うち以外の他の組織も狙ってるかもって話よ』
「ふーん、他にも組織あったんだ…まあわたし麦野みたいな奴さえ出てこなきゃ楽勝だし」
『あー、もうアンタ一回死んできた方がいいわ』
「馬鹿はあんたの方ね、わたしは暗部に来たときから死んでるわよ』

Life or Money
(大切なものは)

----
03/03
開始2話にしてまだアイテムの連絡係さんしか出ないってどういう

01/13
相変わらず原作沿いませんね




Prev Next
Back





- ナノ -