ユウキくんとのポケモンバトルを終え、とりあえずはハルカちゃんのお父さんがジムを経営しているというトウカシティへと向かった。
ジムに挑むのも良いと思ったが、どうやらこのジムはまだ調整中らしい。
これからどこに行こうか、タウンマップを見ながら悩んでいると、遠くから小さい男の子が走ってくるのが見えた。

「センリさん、僕もポケモンが欲しいです!」
「…おおっ、じゃあわたし達と一緒に行く?」
「え、いいんですか!?」

そんなこんなで、可愛らしい男の子ーーミツルくんのポケモンを手に入れるために近くの草むらに向かった。
ミツルくんが欲しがっていたのはオスのラルトス。
わたしの出身地方でもラルトスは見たことあるし、オスってなったらもう、あれしかないような気が。

「…ミツルくん、このラルトスはエルレイドに育てるの?」
「は、はい!僕、強くなりたいんです…!」
「そっか!じゃあ私はサーナイト育てようかな?」
「わー、いいなあ。ミツルくんとハルカちゃんお揃いラルトスかあ」

なんだか私も、旅を始めたばかりの頃を思い出す。
最初はわたしも、草むらのポケモンを捕まえては名前をつけたものだ。
…5年前のことを思い出して、ちょっと懐かしくなる。

「…レノンさん?」
「あーっ、ごめんごめん…じゃあトウカに戻ろっか」
「本当にありがとうございました、レノンさん!」

ううん、年下の子はやっぱりかわいいなあ。
ミツルくんとハルカちゃんの二人と手をつないで、わたし達はトウカへと戻った。


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