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23 「千石取れば万石羨む」


23


 正月三が日が終わり、世間は落ち着く。



 ちなみに正月の間は、佐助さんは帰ることもなく、せっせとお節料理を作り、おかげで三が日はこたつに入りながら、ずっとお節をつついていた。



 あんまりも主夫業が板についていたので、正月にはお年玉を佐助さんに渡した。

佐助さんは「上田でもそういう習慣があったらいいのに。」と真顔で呟いていた。


その姿があまりにも切なかった。



 結局、お節は私の仕事始まりまでに食べ終わらず、仕方なく幸村さんをそのためだけに呼び出し、上田に持って帰って始末してもらうことになった。

何だか最近の幸村さんの扱いが酷い気はしたが、彼はそういう扱いであるのを気にしておらず、むしろ私に会えたことを喜んでくれた。

その姿に思わず「お年玉」と称して、ケーキセットをプレゼントしてしまった。


佐助さんは「旦那に甘い。」と怒っていたけれども、お姉ちゃんはいつだって弟に甘いのだ。


沢山お土産を渡して、帰還してもらった。


…うん、また今度、幸村さんを呼んでもらおう。

佐助さん、すごく面倒そうな顔するけど、気にしない。


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