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17 「お2人様ご来店」


17


 もうすぐクリスマス。

街中のイルミネーションもクリスマス仕様になり、テレビの特集もクリスマス一色になる。

そんな矢先、私はクリスマス休暇を取ってしまった。

クリスマス休暇といっても元々、会社全体の休日がそこになるというだけの話だったけれども。


 最近、クリスマスの話題になると、殊更佐助さんの瞳が輝きだす。

帰ってきたその日に一番にクリスマスについて教えてしまったからである。

料理のレパートリーも増え、もう既にクリスマスのための食材は買い置きもしてあるし、作り置きも万端である。


…というかこれは一体、2人で食べきれるのだろうか。


凝り性なのか佐助さんはありとあらゆるクリスマス料理を作る練習をしているのだけれど、どうもこれは2人で食べる分の5倍はある。

仕方ないので、佐助さんにある提案をしてみた。



「せっかくですからお友達を呼びましょうか。」

「お友達?…そんなの呼ばなくたって、2人だけのクリスマスで十分なのに。」

「佐助さんが作り置きしている料理はどう見ても10人分はありますよ。絶対食べきれないですし、幸村さんとかかすがさんとか呼びましょう。今、戦がないんだったら呼び出してもさほど危険がない人だけ呼んでクリスマスパーティーしましょう。」



 不満そうな佐助さんにキスをしてお願いしてみる。

私からのキスはかなり彼にとってレアらしく、機嫌が直る。


この方法は大事にとっておこう。

あまり乱発しすぎると効き目がなくなりそうだ。


とりあえず幸村さんを呼び出すことに関しては同意してくれたみたいでPS2で幸村さんを呼び出す。

ちなみに帰る手筈はちゃんと整っている。

全キャラクターレベルマックスにした私の努力があるからだ。



「佐助、遅いぞ!もう何日待ったことか……。」

「アハー、ごめん、旦那。名前ちゃんと2人きりなのが嬉しくてつい旦那を呼ぶのが遅くなっちまった。」

「それより名前殿。おめでとうございまする。何やら某がおらぬ間に、佐助とこちらで祝言を挙げられたとか。」


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