トリップ続編 | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -








風呂に入り終えた辺りで俺の熱は漸く落ち着いた。


「銀ちゃんさっきからニヤニヤしててキモいアルよ」

「ほっとけー」


仕方無ぇよ、あんな顔見せられちゃ思い出してニヤけるくらいすんだろーが、さっきまではそれ処じゃ無かったしよ。
しかも見てみろよ未だにご機嫌だぞあの子、こりゃぁアレだろ、戯れ付き合ってくれちゃったりしそうじゃん、昨日グッスリ寝たっつーしよ、楽しい夜になりそうね?


暫く神楽と一緒に食い物の雑誌を広げ何が食べたいかと楽しそうに喋り、1人になった後は俺の隣に座り「卵にも何か入れてたの?」とまだこいつの脳内にはオムライスが占めていたが "愛情" と一言伝えると笑顔ですり寄って来るからスゲェご機嫌だわ。

しかもだ、俺の手を引いて立ち上がり「あっち行こう?」と笑顔で寝室まで誘導してくれるよ何だこれ。誘われてる、俺何か誘われてるよね。


「昨日もありがとう、凄く優しくしてくれたからぐっすり眠れたよ。」

「そりゃぁ良かった」


敷いた布団に俺を座らせご丁寧に電気を消し、会話をしつつ真っ正面から膝立ち状態でゆっくり肩に手を置きそのまま首の後ろで組むように回った。
俺まだ何も言ってないのに何か始まったらしい、ご褒美でもくれようとしてんのかな。


「ねぇ銀さん、ちょっと遊ぶ?」

「……は、……やば、最高じゃん。」


唇スレスレで囁く甘い台詞、触れる息も熱いし堪んねぇわ。

そっと重なった唇は俺からじゃない、音も響かないくれぇ一瞬だったし離れて見えた顔は笑っちゃいるが照れてんのも見て分かる、けどこれ頑張るからどうぞって事だよね?

ゆっくり腰に手の平を当て、寝間着の裾から忍び込ませて直接肌の温もりに触れれば ピクリと目の前の身体が揺れたが顔を傾けてまた唇が近寄って来た。
けどギリギリで躊躇ったのか口を少し開けたまま一拍置かれたから、促すように唇を開けて誘えば息を吸ってピッタリ重なる唇に口許が緩んじまう。

押さえてねぇから直ぐ離れちまうけど、それを分かってるからか息継ぎが終わればまた自分から触れて来る。唇でやんわり食ませてるだけだがそれだとこいつも真似して来るから、そっちに気を取られてる間に服のボタンをゆっくり外してみるも気付いてねぇのか反応も無かった。


「んっ、 ……っ、」

「今日スゲェ積極的」

「、きらい?」

「いいや? すげー好き」


唇が離れて行ったから腰を片腕で抱き寄せ晒されてる胸元に唇を寄せると、うなじを手の平でスルリと撫でられるだけで抵抗無し。
結構余裕そうだから反対の手で後ろから軽くズボンに手ェ入れながらお尻触っちゃってんのに特に反抗も無く、ゆらゆら身体は揺れてるけど太腿くれぇまではズボン下げちゃったのに文句1つ無いと流石にマジかと手が止まる。
未だに片手は俺のうなじを撫でながら、もう片方で後頭部の髪を揉むように弄ってる手に拒否も怯えも見出だせねぇし、何処まで頑張る気なんだこいつは。

脱がすのは取り敢えずやめにして正面から脚の間に手を入れ内腿を撫でると、一瞬ガクッと腰が落ちそうになるも俺の肩に手を置き頑張ってるらしい。


「ぅ、……、」

「大丈夫、脱がせたりしねーよ」


柔らかな内腿を撫でながら見えてる胸の膨らみを唇で堪能し、服を避けつつ軽く背中を支えてるだけで別にホックを外そうだなんざ思って無ぇ。

けど安心したのか再びうなじ、つーか襟足撫でて来んのはどうなんだ。お前が止めねぇなら俺は何処まで平気になってんのか確かめに行くぞ? いやもうしてるけどよ。
多分これで後ろ倒しゃ恥ずかしいが上回りそうなんだけどな、膝で立ってるのが余裕を生ませるのか? なら言ってくれりゃそうすんのに、横になった方が身体ラクかと思っただけで俺はどっちで戯れたって楽しいからな。

流石に自ら殻割って出て来たヒヨコだけあって頑張りまで成長が素晴らしいな。

ゆっくりと内腿を撫でつつ手を上らせ、今現在の境界線を探すべく手の甲で下着越しに軽く撫でるように押し付けたらここが無理なラインだったらしく、大きく身体が揺れ俺の肩を押したが名前の方が後ろに転がってった。


「おぉ、大丈夫か?」

「……っ、ぁ、ごっ、ごめんなさいっ、 ち、違うの、銀さんを嫌がったわけじゃなくてっ、」

「分かってるつーの、別に拒絶されたなんざ思ってねぇわ。全然止めて来ねぇから何処まで頑張んのかと確認してただけだって。」

「……、ほ、ほんと? 」

「ホントホント、だからんな不安そうな顔すんじゃねーよ。」


一見突き飛ばして離れてったみてぇに見えるのかもしんねーけど、こっちは境界線探ってたんだし、この辺で何らかの反応があんだろうと予想もしてたんだから尻餅付くのを庇ってやれなかった事に多少心配してるくれぇだわ。

それより前全開でズボンも中途半端に脱げたまま申し訳無さそうに眉下げながら尻餅付いてる現状の方が問題だ。


「ほらズボン穿けって。いや脱いでも良いけどね、いっそ脱いじゃう?」

「……脱がない」

「何だ残念、……って、何これ傷んなってんじゃん」

「落とし穴に落ちた時ぶつけたかも。」

「痛そう、ちょっと皮剥けてるしよ。見た?」

「見たけど何、やめてよ。何か恥ずかしいから離して。」


だってズボン上げようとしたら腿の外側に傷あんだもんよ、豆電気だって皮剥けちゃってんの分かんだかんな。見付けたら確認しねぇとだし両足共揃えて横に倒し押さえながら見える傷は痛々しいのに、俺は少しヤベェ趣向でもあんのか、それともお前がそうさせるのか。


「……舐めたい」

「言うと思った。だんだんと目が怪しくなって来たから絶対変な事考えてるんだと思ったよ、もう手ぇ離してズボン穿くから。」

「さっきまで俺を拒絶しちゃったかもって泣きそうな顔してたじゃん、何でもう戻った? 」

「銀さんが大丈夫って言ってくれたから。びっくりしちゃっただけなの、ごめんね。」

「全然。なぁ舐めていー?」

「離してよ変態。もう終わり、寝るよ。」

「えー。まぁ舐めるけどね。」

「ちょっ……!」


何て押さえやすい格好にさせたんだと自分で感心した。ズボンを膝まで下げたままだから横に倒した両脚の上に手を乗せてるだけでズボンが邪魔して脚が飛んで来る心配もねぇし、後ろに倒れないように自分の身体を支えてるせいで片手しか空かないその手を掴んじまえばもう抵抗出来ねぇじゃん。


「……っぅ、……、このっ、何で吸うの!」

「俺の領域に傷なんざ作るから上書きしてんの」

「なに銀さんの領域って! 」

「お前の身体は俺のモンって事」

「怪我してる所にわざわざ吸い付く必要なんて無いでしょ!痛いよ!馬鹿じゃないの!?」

「俺のモンは否定しねぇの?」

「私は銀さんのモノだもの。」


え。急にデレ? 怒ってたんじゃなかったの?


「お前俺のモノなの?」

「そうだよ? 私は銀さんのモノ、そして銀さんは私のモノ。と言いたい所だけど銀さんは皆の銀さんだから、私の手の中には収まらないの。」

「は? なにお前、自分が手の中に収まるタマだとでも思ってんの? んな大人しい性格なんざしてねぇだろ、ピョンピョン飛んで直ーぐどっか行っちまうじゃねぇか。」

「……ていやーっ」

「うぉっ!? 」


何で脚が……って、コイツ片足脱ぎやがったな!? 器用にも重ねてた下の脚を抜いて俺が掴んでた方浮かしてたんか、肩辺りを蹴られそのまま後ろに倒された。
何が、ていやーだ。威力は全然 "ていやー" なんて可愛らしくは無かったろ、ドスッ!と力強い蹴りを受けたぞ俺は。
つーか否定出来ねんだろ、そりゃそうだお前が俺の手の中に大人しく収まってた時なんざ無ェんだからな。

けど、ぐっと体重をかけて腹に座りちょっとムッとした顔をしながら見下ろして来てるが、その前にお前格好なんとかしろよ。ズボンなんか片足に引っ掻けてあるだけだぞ、平然と座っちゃいるがパンツ1枚なんだぞって思う俺が変態過ぎるのか? あったけェとか思っちゃったらアウト?


「今日は銀さんが楽しめそうな事しようと思ってたのに。」

「楽しんだっつの、俺ァ大満足よ?」

「……ねぇ、今何で手の甲舐めたの?」

「お、察しの良いこって。」


スゲェ顔、眉間に皺寄せて全力で引いてやがるわ。
まぁ察しの通りお前に触れた方の手なんで、変態なんざ今更だろ。一瞬でも温もり感じちゃったら浸りてぇんだよ。
因みにお前が乗ってるからそっちの体温から気を反らしてやろうつーお前への配慮もあんだからな。


「……変態過ぎる。」

「どーも。つーかさぁ、お前結構スゲェ格好で乗ってっけど、そろそろ俺動いちゃうよ?」

「……わ!?……わぁ……ズボン脱げてた、やだごめんなさい、しかも座ってたし。」

「謝るこたァなーんもねぇよ、もう今日はそんまま寝ちゃおうぜ。って事で、はい捕まえたー。」

「ぅっ!、……や、あのせめてズボン穿かせてっ、……」

「ダメでーす」


俺から下りて脚にあるズボンを穿こうとする身体を背中から抱き締め一緒に倒れたら、往生際悪くも腕の中でモゾモゾ動いて穿こうとするもんだから足で脱がして届かねぇ所まで飛ばすと、パシパシ腕を叩きながら文句が聞こえるが毛布を掛けてそれは無視。


「っ、何で脚入れるのっ!」

「良いじゃん俺脱いでねぇし、ボタン留めたら上も脱がすかんな」

「何で!?」


この方が腹に回してる手からも温もり感じやすいから。

直ぐ下にある首筋に顔を埋めるとくすぐったいのか首を縮めて肩越しに振り返って来る顔は眉が下がって困った表情。


「そんな嫌ならやめるけど」

「……そじゃ無いけど……、」

「恥ずかしいの?」

「…………うん」

「上脱いでてもンな恥ずかしがんねぇのにな? 」

「……何でだろう、下見られる方が遥かに恥ずかしいし脱ぐのも恥ずかしい……、しかもズボンもスカートも穿いて無いと何か落ち着かない。」

「大事なトコだから布減ると無意識に不安なんのかな。」

「……大事なトコって……」

「大事なトコだろ。」


いつもより身体固ェしちょっと強張ってるようにも思える、けどそこまで嫌がってるワケでも怖がっても無ぇんだよな。ただ恥ずかしいのか。


「脚撫でられても寝れないよ、頭が良い。」

「んー、すげぇスベスベすんだもん。お前の肌なんでこんな気持ちいの?」

「……知らないし」

「何照れてんだよ」

「照れてないもん」


んな毛布引っ張って顔隠されりゃ一目瞭然で分かるわ、おまけに口癖出ちゃってんよ。

髪の隙間から見えた首に唇を寄せやんわり食ませたらピクリと小さく揺れる身体、軽く舐めても制止の声が掛からねぇから遠慮無く吸い付いた。
もう既に昨日の時点で痕は上書きしてるが、ここだと負い目があるのかどんなにしつこく痕を付けても何の抵抗も無い。


「軽く痣みてぇになっちゃったな?」

「それで銀さんの気が晴れてくれるなら良いよ」

「不可抗力なんだろ、なのに何でも我慢すんのお前」

「我慢なんてしてないよ、上書きしてくれるならして欲しいって思うだけ。でも噛むって言うなら我慢かな。」

「噛みはしねーよ、向こうの船に厄介になってんなら前回同様くれぇは容易に想像出来るわ」

「……ごめんなさい」

「いーよ、しゃーねぇ。寧ろこんぐれぇで済んで良かったよ。」

「忙しい時だったんだろうね、殆んど部屋に帰って来なかったから。」

「不幸中の幸いだな」


帰って来てたら何されてたか分かったモンじゃねぇよ、ずっと自分の部屋に囲ってたっつーのも驚きだけどよ。
しかもずっと見張り付きなんざ相当ヤベェ取引とやらが行われてたんだろ、なのにコイツは大きな危険にも晒されず落とし穴に落下した時の傷のみだ。


「私セクシーさも色気も無いけど、愛嬌はあるって言われたの。可愛げ無いとか散々言われもしたのに初めて愛嬌あるって言われてちょっと喜んじゃったよ」

「お前基本笑ってるもんな、俺も愛嬌あると思うけど色気もあんたろ。」

「えっ!何処に?」


振り向いて来る程に驚く事か?
あるだろ色気、黒い下着付けてた時になんざ特にだが さっきだって自分で甘ったるい空気作って俺の首に腕回して来んのもかなり良かったぞ?


「ま、俺にしか分かんねーのかもな。」

「それ何の問題も無いよ。私に色気なんて感じた事あったんだ、びっくりしたよ衝撃を受けた。」

「俺に色気あるって思われてぇの?」

「そりゃ思われたいよ、嬉しいな。ありがとう。」

「何の礼だよ。つか愛嬌あるって誰に言われた?万斉?」

「ううん、高杉さんに言われたの。だから余計ビックリしちゃった。」

「お前、高杉に愛嬌振り撒いてんのか。」

「えぇ? いやいや振り撒いて無いよ……?」


振り撒いてねぇのにンな事言われるワケが無ェだろ、それはお前が愛嬌を振り撒いてるっつってるようなモンなんだからな。


「ったく、お前はホントに危なっかしいやっちゃなぁ。」

「でも高杉さんと笑いながらお話なんてして無いと思うんだけどな」

「そりゃ何の説得力も無ェわ。」

「……銀さんと一緒に居る時が一番笑ってると思うよ」

「そーやって俺を転がすのやめろよお前。」

「わっ、……ふふっ、」


体重掛けねぇように上半身だけ覆うようにのし掛かって小さな電気を遮りながら顔を覗き込み影を作る。怖ェかとも思ったけど平気らしく毛布から出て来た指先が俺の頬を滑り、少し眠くなって来たのか瞬きが遅くあまり開いてもいねぇけど、これは昨日と同じく途中で寝落ちするヤツじゃねぇか?


「……ぎんさ、」

「んー? いーよ寝ちゃいな。」

「ふふ、大好き、……おむらぃ、……、」


……オムライス? いや俺だよな? オムライス大好きっつったんじゃねぇよな、俺の事だよな?
何でこの期に及んでまだオムライスなんだ、どんっだけお前の中でヒットしたんだよ。






次は旗でも立ててやろうか?



prev / next


[ 戻る ]