トリップ続編 | ナノ
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沖田くんは暫く安静だけど、骨折も無く内蔵も無事だったそうで本当に良かった。念の為一晩入院する事になったから、また明日来る事を告げ取り敢えず今日は帰って来たけれど……家に入りづらい。


新八くんと神楽ちゃんが病院に私の服を持って来てくれてシャワーも借りれたから着替える事が出来た。二人も無事だったみたいでそれは良かった、私が無事だったと銀さんが伝えてくれたみたいで心配してくれてありがとうなんだけど、もう夜なのに何処行くのかと思ったら新八くんのお家でご飯食べるらしい、そして神楽ちゃんそのままお泊まりするって。
私が休めるようにと言っていたけれど、それは銀さんが言ったんだよね?
銀さんと二人きりにしないで欲しかった……。


玄関の前で立ち竦み何分経ったかな、いくら相手が沖田くんと言っても流石にこれは罪悪感あるよ、キスしちゃったんですけど……、挙げ句の果てに置いて逃げて来ちゃった。折角助けに来てくれたのに居たたまれなくなって来たら頭がパニックに陥って逃げてしまった。……怒ってる? ねぇホントは怒って、


「いつまで突っ立てんの、さっさと中入れ」

「……はい」


バレてた、突然扉が開いて銀さんが居た、そりゃ居るよね、銀さんしか居ないのも知ってる。

どうしよう、考えなきゃならない事は沢山あるけど先ずは目の前の事から考えなきゃ。気にしないとは言ってたけど流石に駄目じゃないかな、こんなんじゃ銀さんが特別だと言う言葉が信用無くなるよね? 安心出来なくなっちゃうよね……?


「……あの、……助けに来てくれてありがとうございました」

「おー、無事で良かったよ。まぁアイツはボコられちまったみてぇだけど元気そうだったしな」



……え、普通……?

ソファーに座って普通に会話してくれてる


「……あ、あの、……ご、ごめんなさい、私、……き、キスしちゃって…………、」

「何で立ってんの? こっち座れば?」


えっ、スルーされた。こわい、普通なのがこわい、お説教ならそう言って? お前何なの、とか冷めた目で言われたらどうしようとドクドクしてるんだよ、それなら寧ろお説教の方が良い。怒ってくれても良いから嫌わないで欲しい……なんて自分勝手過ぎるかな。


「怒っては無いからおいで。」


…………怒っては、無いのね、じゃあ何かはあるんだ、なんだろう。
でも冷めてる感じでは無い? だったら何だって受け入れよう、嫌われないなら何だって良いや。

おいでと言われた隣に座るべくソファーで寛ぐように座ってる銀さんの元へ行けば……


「ぎゃ!? え!? なんっ、!?」

「先に話からしてぇ所だけど、そうするとお前和んじゃうからさ、先にしとくか。」

「何を!?」

「だから言ったろ、俺が満足するまでお前からして来いって」


今日のもカウントするの!? てかこの体勢で!?
急に手を引っ張られて勢いのまま脚の上跨いで乗っちゃってますけど、こんな体勢でするの?

と、言うか、え、何で両手掴むの? 何で後ろで縛るみたいに背中で手を掴んでいるの? 何が起きてるの? 突然過ぎてついていけない


「ふわ!? えっ、え、何でこんな掴んでる……」


何で後ろ髪掴んでるの? 引っ張られてる訳じゃないから痛くないけど、いきなり掴んで引き寄せるから変な声出たし手が使えないから自分の身体支えられないんですけども、何かこれ拘束凄くないかな。


「はい、して。」

「え!? こんな、こんな押さえる、の?」

「お前無意識にでも抵抗すんじゃん」

「えっ、え、でもこれ、離れる時どうするの? 私動けない、」

「俺が満足したら離してやるよ、その後話な。どうせグダグダ考え始めてるであろうソレも聞いてやんよ。」


……何で分かるのかな、でも、


「……銀さんにも、当てはまるから、これは自分で考えないと」

「うるせぇな、話は後でつってんだろうが。それも全部聞いてやるから、ほら早く。」


いや、……そんなに? そんな急かす? 先ずは反省じゃないの? 例え怒って無くても反省とか言葉必要でしょ? なのに塞ぐの?


「……あ、もしかして、上書き、的な、事なの? ……ごめんね、私、」

「話は後でって何回言わすんだよ。お前分かってんの? 明日の朝まで塞いでやろうか?」

「え、……」


私死んじゃうよ、?


「……やっぱり、怒ってるんじゃん……」

「これが最後な。 怒っては無い、早くしろ。」


何で口元笑ってるの?? 何……、この最後逃したらどうなるの。

何か違う、やっぱり何か思ってたのと違う。
でもこわくてもう何も聞けないや……


身体を前に倒したら掴まれててもちゃんと倒れた、そっと唇を押し付けて離すと、ぐいっと掴まれてた髪が後ろに引かれ顔が上がりまた銀さんが正面に来る。


「ほらな、直ぐ逃げようと抵抗すんだろ? だから押さえてんの。」

「……ぁ、そ、そうなの」


離れた後、無意識に下を向いていたらしい。別に抵抗じゃないのに、ちょっと恥ずかしくなったから隠れただけだよ多分。


「次は離さねぇかんな、意識飛ばしても起こす。嫌ならちゃんと鼻で呼吸してろよ。」

「は、……は? えっ、なにっ、んん!? ん……っ!」


噛み付くみたいに塞がれて思わず銀さんの言う通り逃げようと身体が揺れた、だけど頭も腕も掴まれてて全く動けないし息も出来ないし、これどのくらい続くの。


「、ちゃんと応えねぇと終わんねぇかんな、今日は妥協も待ったもナシ。次俺に喋らせたら、泣かす。」

「っ!?」


こわい!? これ本当に怒ってないの!? 怒ってないなら何なの!? ……それも全部後でなのか、何もかもこれが終わってからなんだ、何で、……でも、分かる、大人しくした方が良いって事は分かる。だって笑ってる、すっごい楽しそうな顔して笑ってる、私の好きな笑顔とは程遠い、怪しげな黒い笑顔だ。

息出来ないとか言ってられない、出来なきゃ死んじゃう。




・・・





「んっ、ふ……っ、」


しぶとく粘って来てたけど、ようやく大人しくなってから5分って所か。もう手からも身体支えようしてたんだろう脚からも力が抜けて寄り掛かって来てるし、それでも離れようとするのは無意識なのか、つか苦しいんだろうな頭が逃げようと下がるから掴んでる手はそのままにしてる。


「っはぁ、! は、んっ、ん……っ」


唇を付けたまま呼吸させる隙間は作ってやってる、だけどあまり酸素吸わせると頭が正常に動き出すだろうからある程度でまた塞ぐのを繰り返しやってたら、諦めたのか終わらせたいのか自分からちゃんと絡めて来るようになった。物分かりが良いな、偉い偉い。

マジで怒っちゃいねぇし、あんな泣いてたんだからきっと自分のせいだと責めてんだと思うんだよな。まぁ仲が回復すんのすげェ早かったからその辺は特に問題無さそうだが根本的な所は解決してねぇ。一緒に居てェけどあんなボコられちゃあっちが気にしなくてもこいつは気にする、それでも名前はアイツの傍に居る事を選んだ。けど俺の場合は違う、何たって俺の方に覚悟が無かったのをコイツは知ってるんだ、なら自分の考えを改めようなんざ結論付けられたら敵わねぇよ。


ま、それとこれは別だけどな、これは只俺がしてぇだけ。申し訳無いと思ってんならちょっと付け込んでおこうかなぁと、後でちゃんと話聞いてやるしこれに関してはグタグダ考えてるスイッチ押して回復させてやるから折角だし頑張って貰おうかってな。後はこんだけすりゃァ、まぁ良いかってヒョイヒョイする事も無ェだろ、例えして来ても俺にも利があるならお前も気にしなくて済むだろ? いつまでも根に持たれちゃ俺も気になるし手っ取り早い方法だと思うんだよな。な?


「ふ、ぁ、っ、……っは、んんっ、……んぅぅ……っ」


そろそろ泣くかな、悲しそうな声が聞こえてきた。
しかもちょっと震えて、……いや痙攣?


「んっ、ひっ、く、……ん、んっ」


もう泣いてた。泣きながら舌絡まして来てんだけど、可哀想に。涙流れ落ちてんじゃん。
10分かぁ、でもまだ足んねぇな。こんな絡ましてくれる事なんざ無ェし、泣いてても気持ちいモンは気持ちい。


「ふ、っはぁ、はぁ……っ、ん、……っ、ぎんさっ、」

「んー、良いよ。じゃこれ最後、たっぷり絡まして」

「っ、は、……ふっ、ん」


すげェ一生懸命絡まして来るわ、そんな止めてぇの? けどヤベェな、この必死さもまた中々。


「ぷはっ、はぁっ、は、っ、ぅ、」

「、はい、お疲れさん。」


掴んでる手を離せばぐったり倒れ込んでくる身体を抱き締めて、落ち着くように背中と頭を撫でるとやっぱり痙攣みてぇに震えてた、そんなに苦しかったのか浅い呼吸を繰り返し頑張って酸素を吸おうとしてる。


「大丈夫だから、もっとゆっくり呼吸して。ふぅって息吐く。」

「ふっ、く、ぅぅっ、」


しゃくりあげて上手く呼吸出来て無ェじゃん、そう言やこいつ腕回して来ないな身体の間に両腕挟んでる、怖ェのか? マジで怒ってるワケじゃねんだけど、手首もそんな強く掴んで無ぇし。


「怖ぇの?」

「……ふ、っ………こってる、?」

「怒ってねーって、ただちゅーしたかっただけ。頑張ってくれっかなぁと思って。」

「……ほん、ほんとに?」

「ホントホント」

「……」


お、抱き付いてきた、納得したか?
再び抱き締めてさっきまで掴んでた後頭部を今度は緩く撫でる、そうすりゃきっと寝んだろうと思ってな。話は起きたら聞いてやる、大変だったろゆっくり眠れ。


泣かされた相手の腕の中で直ぐ寝れるなんざ特技だよな、涙の痕付いてんのに。










「……」


朝? 明るい、……夢? 何か凄い夢見た、どっから夢? 沖田くんは、入院してる、次の日退院は夢じゃない。
銀さんは、目の前で寝てる、いつもの光景、……私いつ寝たっけ、でもパジャマだ。
頭おかしくなるくらいキスしたのは夢……じゃない、唇痛い、夢じゃないわ、私寝ちゃったんだ。本当に怒って無さそうで疲れと安心と心地好い温もりに意識遠退いて、寝た。爆睡してた。


考えないといけない事沢山あるのに寝てたんだ

ゆっくり方向転換して布団から出ようとした所でお腹に回って来た腕に戻された。一回頭の中を整理したいから1人になる時間が欲しい……、ってちょっと待ってボタン閉まって無いじゃん!? 何で前全開なの!?


「っ、……、ちょっと待って、っ、!」

「ここ痣んなってたけど、他はそんなんでも無ぇな」


見られた!? パジャマ着せてくれたのね、ありがとうだけど寝てる時にマジマジと見たの!?


「今日仕事休んで良いって」

「あっ、連絡、してくれたの、ありがとう。」

「病院行くんだろ? その前に話聞くからこのまま言いな」

「えっ、胸触りながら?」

「……」


後ろからボタンが閉められていく、何で全開だったんだろう、そこは最後まで着せて欲しかった。


「ん。」

「……うん、ありがとう…………おはよ銀さん」

「はよ」


優しく抱き締めてくれる安心感以外無いこの温もりはとても癒される、だけど、今の私は癒されてる場合じゃない。


「……怒ってはいないって言ってたけど、流石に良くないって分かるから、ごめんなさい」

「けどさぁ、お前別に嫌だって思わなかったろ?」


……、そうね、だって沖田くんだし……


「そのお陰で俺分かっちゃったんだよね、俺とアイツとの違い。」

「……え?」

「不意打ちだろうと軽かろうと、お前は俺がキスすれば未だに照れんだよ、時間差あってもやっぱり照れんの。なのにアイツには照れなかった、俺には見せねぇ反応だった。言うなれば頬にされても唇にされてもお前は同じなんだ」

「え、同じ、では無いけども……唇は恥ずかしいよ私、」

「困ったような顔はまぁしてたっちゃしてたけど、そんな恥ずかしがっても無かったろ。困惑しながらも、まぁ良いやって思わなかった?」

「……」

「それで分かった、どんだけ距離感が近くても、例えキスしようがお前は俺以外の前で女の顔しねぇんだって。」

「へ? 」


女の顔? 何それ、どんな顔? 私銀さんの前でどんな顔してるの?


「だからマジで怒ってねぇし気にもしてねぇ。だけどお前がそうやって気にすんだろうから昨日ガッツリちゅーしたろ。アイツとしてぇならしても良いけど、その代わり俺にはそれ以上たっぷり絡まして。」

「え、……え? したいとか無いよ、まぁ良いやって確かに思ったけど、唇はしたいとか無いよ」

「でも人工呼吸とかするかもしんねぇじゃん?」

「大事な人が危険なら沖田くんじゃなくてもするよ私」

「じゃ事故とか」

「いやそれ不可抗力だよね、何でカウントされるの?」

「んー、じゃれてしてくんじゃね?たまには」

「……それは有り得そう」

「な? そーゆう時って事。」

「ねぇ何でそんな楽しそうに言うの?」


しかも、じゃあ事故とかおかしくない? じゃあって何? して欲しいみたいじゃん


「だってすげェ一生懸命絡ましてくれちゃって気持ちーのなんのって、俺にも利があんなってあん時思って言ったけど想像以上にあったわ。これだとお前も、まぁ良いやってそう簡単には思わねぇだろうし、例えしても俺に得あんなら罪悪感も生まれなくて済むだろ? 俺は違いはっきりしたからスッキリだし、あんなしてくれんなら寧ろラッキー。な?互いに利があるだろ?」


……え、そうゆう問題なの? 私銀さんが誰か他の人としたら嫌なんだけど、その後して来ようとしたら寧ろもっと嫌なんだけど……


「……私は、銀さんが誰としても、嫌……」

「それは俺も。お前以外とはしたくねぇし、まぁ良いやと思う相手も居ねぇよ?」

「……」


私にとっての沖田くんが特別過ぎるんだ、銀さんの傍に居ながらにして、あまりにも存在が大き過ぎる。


「安心しろよ、そのお前の想いごと全部受け入れてやらァ。何も気にしねぇで動けば良い、俺が良い提案考えてやっから。」

「…………っっ、あ、りがと、っ、!」


何て大きい人なんだ、私の全部受け入れてくれる。

振り向いて抱き付けば力強いハグをくれた、癒される、考えないといけない事あるけどぐんぐん癒されていってる私。


「んじゃ本題だけど、俺の予想だと危ねぇ時俺から離れようとしてねぇ?」


待って待って、まだ考え整理してないの、話変わるの早いよ。考え直した方が良いなって思ってた所なんだよ、……でも動けない、凄いホールドされてる。何で、さっき受け入れてくれたのに。


「アイツからは離れようと思ってねぇよな?」

「うん」

「俺は?」

「まだ考え整理してないの、一回ちゃんと考えてからお話する」

「ダメ、お前の思考は信用ならない。要らん方向に進んでしつこく根付くから。」

「失礼!」


なに今の凄く失礼だよ! 一生懸命考えてるのに!


「なら何でアイツから離れねぇの? お前はどうせまだ自分のせいだって思ってんだろ?」

「だって私のせいだもん。でも言われたの、守りたいなら戦って守れって、傍に居たいなら傷ごと受け入れろって。だから頑張る、傍に居る為に頑張る方を考えるの。」

「……俺は」

「銀さんは危ない自分の傍より近くの仲間が居るなら預けるでしょ? 囲まれたら何とか私だけでも逃がそうとするよね? でもそれでも良いって思えるように頑張ろうかなって考えてる」

「…………それ止めて、考えないで。」

「え? 声小さい、なに?」

「俺もアイツと同じが良い」

「同じ? でも銀さん沖田くんと同じ事考えて無いよ?」

「……同じが良い」

「どうして? だって、」

「同じが良い!!」

「っ、わ、分かったよ、なん、何でそんなおっきい声……」

「二度寝する」

「は、はぁ、ど、どうぞ、私ご飯作ってくる」


どうしたんだろう突然、さっきちょっと怒ってるような感じだったのに、何で必死?



・・・



ダメだ分が悪すぎる、決め付けじゃねぇもんアレ確信じゃん。言い返せない、俺も自分の覚悟の足りなさを考え無ェと。


俺が離れて行くと思わねんなら別にそれでも良いんじゃねぇかって一瞬思っちまった。散々あいつの気持ちを聞き出そうとしておいてこれだから笑えるよな。
あいつは、一緒に行きたいと言って来た事なんざ一度も無い。笑って送り出してくれる、気を付けてと言葉を添えて。
ここに1人残すのも心配で仕方無い、平気そうに隠しやがるけど心配させながら1人で待たせてんだ。しかもここで何も起きないとも限らない、信用して無ぇワケじゃねんだけどな、やっぱり心配が付きまとう。傍に置き視界に入れておけばその心配は無くなるが逆に危険が伴う、つってもかなり自衛出来るようになって来てるし傍に居んだから守れば良い。


覚悟か……、一度、連れて行けば何か変わんのかな。






後少し足りねぇのか



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