トリップ続編 | ナノ
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「またやってんのか、ここ痣になってんぞ。」

「ん? あー、交わせなかったから。」


退院後、お見舞いにも来てくれたおじさん達の元にお礼も兼ねて行ったら、笑顔で迎え入れてくれて、そのご厚意に甘えまた働かせて貰っていてる。
そして仕事が早く終わった日は時間があれば沖田くんがお稽古してくれるから、昨日付いた新たな痣が銀さんの目に入ったんだろう。


「んな身体に痣作って嫌じゃねぇの?」

「……、身体に、痣あるの、嫌?」

「俺じゃなくてお前に聞いてんの。俺はお前が良いならそれで良いよ。」

「私は大丈夫だよ、身体動かすの楽しいし沖田くん教えるの上手だからもっと頑張ろうって思うの。」

「ふーん、どんな事してんの?」

「剣道だよ、刀だと思って竹刀持ってるの。……いや違うのかな、私脚出るから剣道じゃないか、竹刀の振り方を教えてくれてるよ。」

「ならそれは俺とやっても意味無ぇな。」

「え?」

「基礎がしっかりしてる奴に教えて貰った方が身に付くだろうし。他に何か無ェ? 」

「え、え? 何が?」

「俺とも特訓するかって言ったろ。」

「……いいよ、大丈夫、」

「なに、まだ不安がってんの? だから俺にアイツとやってる事何も言わねぇの?」

「っ、……そ、じゃない、けど、……でも、」

「……まぁ、良いよ、それはじっくり身体に覚えさすから。で?」

「え、な、何……? 」

「あっちの船拉致られた時とか刀だけで困った事、何かねーの?」

「、……えと、…あっ、斧、無理だった。あと、拳銃も、隠れるしか出来なかった。」

「斧かぁ、そりゃ厳しいな。拳銃なら弾避けながらやりゃァ良い。」

「……いや、どうやって避けるの。」

「隠れたんだろ?どうやって隠れた?」

「凄い走ったよ、もう本当にダッシュして隠れた。そのままこっそり逃げた。」

「そう、走って避ける。逃げれるならそれで良いけど無理なら走って避けて本体潰せ。」

「……待って、弾を走って避けながら近付けって言ってるの? 」

「そう」

「いやいや、……え? 前から撃たれながら前に進むの? そんな超人的な事出来るわけ無くない?」

「撃たれても弾が当たるまでに飛んで来る時間あるだろ」

「秒ね。コンマ秒ね? その瞬間に走り出せって?」

「弾よりも速くな。」

「……いや、……何を言って……、銀さんはそれ出来るの?」

「出来るよ」

「出来るの!? え!? 銀さん弾避けながら進めるの!? 」

「進まなきゃ殺られんだろ。」


そうだけど、本気で? そんな超人的な事をやってのけるの?


「銀さん……足速いのね、」

「やる?」

「何を?」

「特訓」

「弾を避ける特訓?」

「うん」

「え? 出来る? 私特に足速くないよ?」

「なら速くなれよ」

「…………分かった。そうだね、頑張る。お願いします。」


弾より足速くなるなんて無理では、とも思うけどやってもいないのに無理とか無いよね。
頑張ろう、沖田くんの影響だとは思うけど自分の傍に置く為にそう言ってくれてるなら、嬉しいし頑張りたい。





「本当にするの?」

「するよ」


あれから家を出て1度源外さんの所に寄った銀さんは水鉄砲のような物を2つ持って空き地に来た。


「……うん、じゃ、お願いします。」

「おー、つっても俺教えんのとか得意じゃ無ェからキツかったら言って。」

「え、大丈夫、ありがとう。水鉄砲避けるの?」

「やってみた方が早いだろ。これ中に色水入りの弾入ってっから、触れたら着色するやつな。俺に撃って。」

「えっ、は、はい。」

「しっかり狙えよ?」

そう言って少し離れた銀さんは口許に笑みを浮かべながら両手を広げて立ち止まってる。
流石にこの距離では当たるんじゃ無いかとも思うけど胸元目掛けて撃つ、だけど私が撃つか撃たないかのタイミングで銀さんは屈んだと思ったら走り出して、でもあまりの速さに目では見えてても手が追い付かなくて、

「っ、」

「脚の反射神経は良いな」

「……」


一瞬で押し倒された。本当に一瞬だった、あっという間に直ぐ前まで来てて反射的に脚が出たけどそれも掴まれ、立ってた脚を引っ掛けられたら簡単に倒されて、今 首に手を置かれてる。


「分かった? 」

「……はい、」


取り敢えず足速くならないと。






「ほらまた、当たるなっつってんだろ左腕で庇うんじゃねぇよ。アイツにも言われたんじゃねぇの、腕犠牲にすんなってよォ。」

「はぁ、はっ、う……っ」

「脚止めんなって、目も逸らすな蜂の巣になんぞ。刀じゃねんだから全部避けて走り続けろ。しかもまた左で受けやがったな? 何回言わせりゃ気が済むんだよ、しまいにゃァ縛り上げてやろーか。」


ス、スパルタだ……、いや、別に優しく教えて欲しいとかじゃないけども、だけどこんな、


「くくっ、聞こえてんぞ。舌打ち。」


何でこんな神経逆撫でするような事ばっかり言ってくるかな。

左腕は真っ青だ、身体もあちこち青くなってる。これ撃たれてるって事だから血だらけ?


「休憩すっか、一旦洗って落とそうぜ、そのホース使って良いってよ。」

「…………はい、」

「そんな膨れた顔すんなって、あんな睨み付けてくるもんだから、へし折りたくなんだろ。でも右手は守ったんだろ? 脚もそんな染まって無ぇじゃん。」

「……」

「なに見てんだ」

「銀さん、凄く楽しそうな顔してた。私の好きな笑顔じゃ無い方の。」

「お前もかなりイイ顔してたぞ、興奮させてくる方の。」

「嬉しくない。」


本当に何なんだ、沖田くんもそうだけど何でこんな馬鹿にしたような笑い方して来るの。

服に付いたのは洗濯して落とすとして肌に付いた色だけ水で洗い流す。


「癖になるって言ってた意味が分かった。」

「え?」

「随分反抗的な顔してくれちゃって、顔に付いた色水を手の甲で拭いながら睨み付けて来んのとかヤバかった。すげぇゾクゾクしたわ、動けねぇように押さえ付けてその顔歪ませたくなんの必死で耐えてた。」

「何を言っているの。」

「くくっ、次は勝負すっか。2つ借りてきたし色も違ぇの持って来たから多く色付いた方が負けって事で。」

「分かった。」

「負けたら罰な、勝った方の言う事を聞く。」

「……分かった。」

「は? 何かあんの? 目の色変わったんだけど。」

「勝ったらお願い聞いてくれるんでしょ?」

「……あんま良い予感しねぇな。」

「今日は流石に無理でも次回リベンジする。」

「こうゆう時に出して来るお前のお願いは大抵良くねぇし、手加減しねぇからな。」

「勿論。特訓だもん、しっかりご指導お願いします。」

「負けた後に文句言うなよ。」






「っう!っはぁ、……くっ、そ!」

「はぁ、……はい、お前の負けね。」


今日は流石に無理とか自分で言ってた癖に本気で悔しがってる。

色を変えて俺が赤を持ち、こいつに青を持たせてやり合った結果、最初の様に染まる事は無かったが水鉄砲を弾かれて俺に押し倒されたこいつは、もう勝つ事は出来ない。それを自分でも分かってるんだろう悔しそうな顔して、おまけに口が悪い。


にしても流石あっちの隊長とやってるだけあって、覚えが早いし動きも悪くない。俺の動きを真似して来てるのか途中から当たる事が無くなったし上手く隠れつつ攻撃してきてた。弾が尽きそうだったから実力行使に出たけどな、それでも蹴って反撃してきたし何より目がマジなんだよ、どんな特訓受けてきたんだ……。


「大丈夫か? 」

「……負けた……、」

「そんな悔しい?」

「悔しいっ! 銀さん足速い!」

「まァ、それなりに場数積んでっからな。」

「……、」

「なーに。」

「あ、……戦争、とか?」

「そう。刀だけじゃねぇから。」

「また、教えてくれる?」

「良いよ、取り敢えず今回は俺の勝ちな?」

「うん、私負けた。」

「じゃあ俺のお願い聞いてくれんの?」

「なに?」

「夜にするわ。」

「うん……うん? あれ、…え?お願い何だろう…、」

「何だろうな、帰っぞ。」

「え……、」


不審な目で見られたが負けは負け、なら仕方ねぇだろ。






「何突っ立ってんの、来て。」

「え、先に言おう? 」


寝る為に寝室に来たけど、寝させてくれる訳は無い。だって昼間の負けたお願いが待ってる。

色水まみれで家に戻ったら2人に凄く心配された、話したら神楽ちゃんもやりたいって言ってくれて、今度4人でやる事になった。特訓と言うよりも皆で遊ぶ約束したみたいで凄く楽しみ。

だけど、これは、……


「早く」

「いや、だから先に、」

「先に言ったらビビんじゃん。」

「えっ、え、こわいやつ? なにするの? 痛いやつ?」

「痛くないやつ。ちょっとじゃれてぇだけだって、来て。」


じゃれたいだけなら昼間で良いじゃない。だけど負けたのは私、文句は言えない。

渋々近付けば脚に座れと言う、


「え? 後ろでするの?」

「ちげーわ、良く覚えてんな。 こっち向いて座って。」

「え」


こっち向いてって、向かい合いながら脚に座るの?
普段なら良いけど今は……あまり宜しくない空気だから遠慮したい。


「負けたのは?」

「……私、」


許されなかった。胡座をかいて座る銀さんの脚の上に向かい合いながら座る、必然的に脚を開いて跨ぐわけで密着が凄い。


「普段なら何て事ねぇのにな、俺が何かして来るって思うとそんな固くなんの?」

「……うん、」

「そんな緊張すんなって。」


そんなの無理。背中にある手は良いとして太腿にある手は怪しげな動きをしてるから気になって仕方無い。パジャマ着てるけど、銀さんの手の平の体温が感じられるくらいは薄い。

胸元に寄せられた顔にどう対応して良いのか分からなくて、変な声が出ちゃわないように口を押さえる準備として手を上げてる。

首まで上がって来た顔が吸い付いてくるのは慣れてきた、そこまで痛みも無いし嫌でも無い。だけどこの空気、……こわい、何するのかな、目の前に居るのは銀さんなのに、でもいつもの銀さんじゃなくて、じっと見てくる。私の動き全部を見るみたいにじっと見られてる気がして息さえ上手く出来なくなる。


「うっ、……っ、」


首から顎のラインを上った舌が耳に触れた、耳の裏を食むように唇が触れて舌まで這わせてくる。
若干涙目になりながら震えないように手に力を入れて握っていると急に銀さんが離れ顔を覗いて来た。


「そんな怖ぇの?」


太腿にあった手が上がり髪を撫でるようにゆるゆると動かされる。
いつもの優しい触り方だ、安心する触り方と目に益々涙ぐんで来て銀さんがぼやけ出した。


「は? え、待って、泣かないで? そんなに? そんな嫌だった? 待って待って!怖くないよ!? 大丈夫だから泣かないで!? 」

「っ……っ、」

「そんな声殺しながら泣くなってぇ! ごめんな、急過ぎたよな、空気か? 空気怖かったんか? 銀さんの目ぇ怖かった?」

「っ、……、銀さっ、……っ、」

「泣くな泣くな、もうしないから。大丈夫、落ち着け。」


ぎゅっと抱き締めてくれて、しがみつくように首に腕を回して抱きつく。顔に当たる髪から銀さんの匂いがして徐々に落ち着いてくる、銀さんの匂いは精神安定剤みたいだ。


「落ち着いた?」

「うん。」

「ごめんな」

「ううん、ごめんね、泣いちゃって」

「いや」

「……こうゆうのって、やっぱり空気大事?」

「あー、どうだろうな、別にそんな空気出そうとしてるワケでもねんだけど。勝手に作り出してたみてぇ。」

「じゃれあいながらでも、銀さん楽しい?」

「ん? そりゃ楽しいよ、つかそうしようと思ってたんだけど。わりーな、良く分かんねぇ。」

「なら、私がしても良い?」

「んー? なに?」

「銀さんは私と触れ合いたいって思ってくれてるんだよね? 」

「まぁ、そうね。」

「何処触りたいの? 耳?」

「何処って事もねぇけど。」

「空気作らなくても、銀さん本当に楽しめるかな。」

「日中のじゃれあいも俺楽しんでるぞ?」

「本当? 私も楽しんでる。じゃ、夜バージョンで。」

「何だ夜バージョンって。」


脚に乗ったまま肩を押したらアッサリ布団の上に倒れてくれた、顔の横に手を付いて見下ろせば少し驚いた顔した銀さんと目が合う。


「下になるのは嫌?」

「全然。何してくれんの。」

「ふふ、触るのと触られるの、どっちが良い?」

「んー、じゃあさっき俺触ったし今度お前触って。」

「分かった。」


1度身体を起こして下腹部辺りにゆっくり体重掛けて座り、じっと下から見てくる目を見ながらお腹に手を乗せる。

怪しげな笑みを浮かべる銀さんに笑って返して、指先だけで服の上から腹筋をなぞるように上げて行く。座る位置も一緒に上って脚で支えながらも体温が感じるくらいは座り、首元の合わせ目から少し指を入れて素肌を直接撫でたら喉が動いた。


「今、喉が動いたね。」

「、は、随分、煽ってくんのな。」

「そーお? ちゃんと耐えてね。じゃれてるだけだからね。」

「……」


喉まで届いた指を肌を沿わせながら今度は耳に持って行く。さっき銀さんが舐めた所と同じ耳の裏、付け根の部分を撫で柔らかい部分に当てる。もう片方は耳から髪の毛に指を差し込んで揉むように動かす。


「っ、……、仕返し、でも、してんの?」

「じゃれてるだけだよ。」

「……、触り、たい」

「良いよ?」


返事をすると裾から手を差し込んだ銀さんの手が直接背中に来る、さっきより随分手の温度が高くなってるけど大丈夫かな。

あそこで泣くのは良くなかった、銀さんに謝らせちゃったし、何より負けたのは私だ。加えて途中で止めてくれたとなれば私が勝った時に自分のお願いが押しきれなくなる、と言う自分都合の事もありで起こした行動だけども意外と銀さんがノってくれたみたいで良かった。


背中にあった手が前に来て、ちょっと恥ずかしくなってきた。下着の上からやんわり覆いながら何考えてるのかな、ちっせぇとか思ってるかな。


「心音スゲェな、けど平気なのか。さっきと何が違ぇの? 何で今は平気なの?」

「空気。と、私が上に乗ってるからかな?」

「お前上が良いの? 」


……何だ今の、一瞬何かが過った。誰かにも似たような事言われた気がする。


「好き勝手されない感じが安心感を与えてくれる。あと銀さんのお顔が良く見えるから楽しいよ。」


「ふぅん?」

「んっ! ……っ、」

「下からイイ顔見んのも楽しいぞ?」


下から揉むように胸が持ち上がって変な声出た。

銀さんの手熱いし、だんだん熱が移って来て私まで熱くなってきた。かといって今更下りれないし、これ終わる方法とか考えてなかった。


「ひぇ!? ちょ!」

腕を片方だけ引っ張られて身体が前に倒れる、何とか顔の横に手を付いて支えたけど直ぐ真下に銀さんの顔があって距離が一気に近付いた。


「んん!? っん、」


待って大変、いつの間にか銀さんのペース。

腕から手が離れて後頭部に触れたと思ったらキスされた。いや、されてる。

逃げれないんですけど、せめて胸の手は離そうよ、


「っん、ぁ、ちょっと、まっ、」

「あれ、空気濁ったぁ? じゃれあってるつもり何だけど、今どーなの。濁ってんの?」

「え、……いや、濁っては、……」

「そ? なら口開けて。」

「ぅえ!? なんっ、何で!?」

「負けの清算まだだろ、俺のお願いこれにする。」

「さっ、きのは? 」

「じゃれてただけ。ごめんな? 泣かしちゃって。」


駄目だこれ。多分バレてる、何か色々バレてる。本気で、ごめんなとか言いながら胸揉むわけ無い。大変どうやって逃げたら良いの


「お願い聞いてくんねぇの? ならお前が勝った時も聞いてやんねぇからな?」


ほらやっぱりバレてる!


「どうする?」


不敵な笑みを浮かばせながら言われると、……こう、イラッと。


「くくっ、」


その上笑い声まで聞こえたら、口くらい開けてやるって思えてくる。
でもせめてもの抵抗で銀さんの唇目掛けて噛み付いたら泣くまで離してくれなかった。







反抗心も程ほどに



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