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▼ 照れる照れてない



報酬で洋服を買わせて貰う事になり、神楽ちゃんも行くかな?と誘おうとしたら新八くんが姉上が会いたがっていた、と嬉しい事を言ってくれた

「本当?私も会いたいな! これから買い物行こうと思ってたんだけど、お妙ちゃんも一緒にどうかな?急にだけど。」

「大丈夫だと思いますよ!ちょっと電話して聞いてきますね!」

「神楽ちゃんも行かない? 何か買ってあげるよ。」

「行くアルー!すこんぶが良いネ!」

すこんぶで良いの?
そんなに好きなんだな、沢山買って上げよう

「名前さん!姉上大丈夫だそうです! 」

「そっか!じゃあ迎えに行ってそのまま買い物しようかな! 新八くんも行く?」

「いえ、僕は良いです。女の子同士で楽しんで来て下さい!」

「分かった、じゃあ行ってくるね、銀さんも行ってくるねー」

ソファーでジャンプを読んでいる銀さんにも声を掛けると軽く手を上げてくれた






「嬉しいわ、名前さんからお誘いなんて。」

「私こそ!会いたいなって思ってたから!」

「名前は何買いに来たアルか?」

「洋服が欲しいの、屋根登ったりするとき着物だと難しいから、」

「じゃあデパート行きましょうか。」


お妙ちゃんが洋服を売っている所に連れて行ってくれると言うので有り難く案内して貰った


「わー結構ある!」

「ここ品揃え評判良いみたいよ?」

「そうなんだ有難い!選んできても良いかな?」

「勿論よ、神楽ちゃん一緒に名前さんの服選び手伝いましょう。」

「任せるアル!」




ガウチョがあって良かった
普段着なれてるから動きやすいし足も上げやすい
シャツも買って、寝間着も買っとこうかな、銀さんの借りっぱなしだし

シンプルな寝間着も見付け満足していると神楽ちゃん達が選んでくれた服を見せに来てくれた。

ふんわりしたスカートのワンピースだ。

「絶対名前似合うアルよ!」そんな事を笑顔で言われると是が非でも買ってしまう。



「何処かでお茶して行きましょうよ。ゆっくりお話したいわ、」

「そうだね、私も! 買い物付き合って貰ったお礼に私奢るね!」

お登勢さんからもバイト代だって貰っちゃってるし、銀さんと新八くんには甘いものを買うとして、神楽ちゃんにすこんぶ。で大丈夫かな


「名前さん、どう? 生活にはもう慣れた? 」

「うん、慣れたよ! 皆優しくって、本当に感謝してる。」

「新ちゃんから聞いたんだけど、銀さんも名前さん大事にしてるみたいね。」

「銀さん? うん凄く優しいよ、心配してくれるし。」

「でもこの間、銀ちゃん名前の事泣かせて帰って来たアルよ。」

「え?そうなの?それはいけないわ。少し絞めておかないと」

「え!? いやいや、違うよ!あれはもう良いの!大丈夫、神楽ちゃんもごめんね、あの時はありがとう!」

お妙ちゃんが笑顔で指を鳴らし始めたので慌てた止めた

だって何か背後に黒い物が見えた……!

暫く話をしてそろそろ帰りましょう、と店を出ると外に置いてあったゴミ箱が突然倒れた

何で突然、と思いながらも直すため一歩ゴミ箱に足を近付けると後ろからお妙ちゃんが飛んで来てゴミ箱に飛び蹴りを食らわせると中から人が出てきた。


え?何でゴミ箱から人が出てくるの?
お妙ちゃん知ってて蹴ったよね今
でも、待ってこの服って……

「名前近付いたら駄目アルよ、このゴリラ姉御のストーカーネ。」

「ストーカー!? え!?お妙ちゃんストーカーされてるの!? 大変!」

「そう大変なの。私もう疲れちゃったわ、そろそろ良いわよね?殺っちゃっても。」

えぇ!?
それは駄目じゃないかな!?

「待って待ってお妙ちゃん! そんな事したらお妙ちゃんが罪を被る事になるよ!? 」

「大丈夫よ。証拠が残らなければ罪にはならないわ。」

完全犯罪目論んでいらっしゃる!

「ちょっと待って!分かった、今日は止めよう?今凄く楽しい時間過ごしたし、この人には私が帰って貰うから!今日は楽しい気持ちで帰ろう、ね?」

何とかお妙ちゃんを説得してこの場を納め、神楽ちゃんにはお妙ちゃんを送って貰うようにお願いして、私だけここに残った。


危なかった……
お妙ちゃん目がマジだった。


さて、どうするか。
未だに伸びてるこの人、この服って真選組だよね?
お巡りさんがストーカーって言うのもどうなのかと思うけど、取り敢えず帰って貰おう


「あの、大丈夫ですか?」


……無反応
お妙ちゃん良い蹴りしてたしな
これは当分起きないかな
困ったな、と思っていると携帯電話の音がした
胸ポケットから少し出てるのを見付け、この世界に携帯が存在した事を初めて知った。

ごめんなさい、と謝りながら携帯を見るとディスプレイには【総悟】と言う名前

これ沖田くん?
出て良いかな、起きる気配ないし運ぶのも無理だし迎えに来て貰うべく電話に出た。


『近藤さん今どこに居るんで?』

「あ、沖田くん? 」

『名前さんですかィ?何で名前さんが近藤さんの携帯を?』

「あのね、この人今気を失って倒れてるの。どうしようかなって思ってたときに携帯が鳴って、沖田くんの名前見えたから勝手に出たんだ、ごめんね。この人を迎えに来れる? 」

『あーなるほど分かりやした。どこに居やすか?』

場所を伝えて沖田くんが来るのを待った。
これ、私怪しいかな?
私がお巡りさんを気絶させたみたい?

近くでしゃがんで待っていると1台のパトカーが現れて、沖田くんが降りてきた。

「名前さん。」

「あ、沖田くん。ごめんね、携帯はポケット戻して置いた。この人、えっと怪我しちゃってて、」

何て説明しようか迷っていると

「分かってまさァ。うちの大将ストーカーなんで、姉御にやられたんじゃないですかィ?」

「あ、やっぱりストーカーなんだね……」

お巡りさんストーカーなんだ……
しかも大将って偉い人だよね、

「名前さん1人ですかィ?」

「うん、さっきまで一緒に居たけどね。」

「1人で帰れやす?パトカーで送りやしょうか?」

「え?大丈夫だよ、普通に帰れる。昨日も思ったけど、私別に方向音痴とかじゃ無いからね?あの日はたまたまだから。」

「そうですかィ。ならちょっと来て下せェ。」

そう言って沖田くんは運転していた人に近藤さんと言う人を運ばせて、私を連れて道の真ん中に出た

「万事屋はどっちですかィ?」

え?
道の両方を指差す沖田くん


……あれ
どっちだっけ、そもそも私どっちから来たっけ?

……

「左かな。」

「残念。右でさァ。」

2択だし確率高かったのに……

哀れみの目で見られると悲しくなる
間違えてたら引き返すから大丈夫なのに、

「そうやって引き返してる内に迷子になるんでさァ」

「え!?何で心の声が!?」

「声に出てやしたよ」

また!?
恥ずかしい……!

「送るんでパトカー乗って下せェ」

「えっいや、大丈夫だよ!右だよね? ちゃんと行くから大丈夫!」

「嘘でさァ、万事屋は右じゃない、左。」


…………


「なんで。」

「だって適当に言いやしたよね? 分かってないのに進んだって結局は迷子ですぜ。」


意地悪だ。
どうしてこうも意地悪いのかな

「そんな顔しないで下せェよ。 これでも名前さん気に入ってるんで心配してるだけでさァ。 でも大人しく乗ってくれねぇてんなら、」

ガシャンと手元で音が鳴って顔を下げると

手錠!?

「え!?何!? 何で手錠!?」

「言うこと聞いてくれねーんで。」

「言うことって!1人で帰れるって言っただけだよ!?」

「それが駄目なんでさァ」

なんで!!

片手に付けられた手錠を持ち上げる
もう片方は沖田くんが持ってるけど解除してくれる気はなさそう。

警察に手錠を付けられて立ってるって、犯罪でも犯したみたいだ。


それでも黙っていると

「強情ですねィ。お望みなら両手につけてやりやすけど?」

「っ!望んでない!待って待って分かったから!乗るからパトカー!」

両方に手錠を付けようとする沖田くんを必死で止めてやめさせた

そんな事されたら完全に犯罪者だよ!

えーつまんねぇ、とか言ってる沖田くんに早く外してくれと頼むと

「オメーら何やってんの?」

銀さんが来た


「旦那じゃねェですかィ。」

「何やってんの?総一郎くん。何うちの子に手錠付けちゃってんの? この子こう見えてSっ気あるから少しずつ慣らしてかないと、いきなり手錠プレイは無理あるよ?」

「何言ってるの!? 馬鹿なの!? 」

「総悟でさァ。分かってやすけどあんまり抵抗するもんで拘束してから慣らそうと。」

「沖田くんも何言ってるの!?」

何だこいつら!
似た者同士かよ!


「ねぇ!馬鹿言ってないで外してよ!」

「Sってのはそうやって命令されると外したくなくなるんでさァ、ねぇ旦那?」

「こいつ直ぐ噛み付いて来るからなァ、煽る要素にしかなんねぇわ。」



こいつら……!

ぐっと奥歯を噛んでニヤニヤ笑ってる沖田くんを睨み付ける
手錠で繋がれたままの手で片方を持っている沖田くんの手をつかみ思いっきり引っ張った
油断してるんだろう簡単に一歩前に出た所で即座に私も間合いをつめ顔を近付けると動揺して後ろに退こうとした
揺れたジャケットに手を忍ばせ鍵を取り、手錠を外しそのままびっくりしている沖田くんと同じく驚いたのか止まってる銀さんに片方ずつ付けて離れる。


「「…………」」

何も言わない手錠で繋がれた2人



「私は別にSじゃないし2人の手錠姿見ても楽しくならないけど、人が外して欲しいってお願いしてるのにふざけた事ばっか言われると、そりゃイラッとするんだよ。 私1人じゃ帰れないみたいだからあそこで心配そうに見てるパトカーの運転手さんにお願いして送ってもらおうかな。 ね、2人はどうしようか?」

鍵を顔の横で見せニッコリ笑いながら言った。


銀さんの引きつった顔と沖田くんの眉間に皺を寄せた顔に見られながら待つも何も言わない

「そっか、じゃあ2人も気を付けて帰ってね。」

そう言って背中を向けパトカーの方へ向かった

少し焦ったような声が後ろから聞こえても無視したら
「すんません/すいやせん」と不貞腐れたように言ってきたので手錠を解除してあげた。



パトカーに向かう沖田くんに声をかける

「沖田くん、心配してくれてありがとうね! 嬉しかった!」

笑って手を振ると沖田くんも少し笑って手を上げてくれた

「じゃ銀さん、帰ろうか」

「……」

まだ不貞腐れてるのかな

「銀さん、迎えに来てくれたんでしょ?ありがとうね」

「……」

「そんなに不貞腐れないでよ、お土産買ってきたよ?チョコだよ、はい!」

箱に入ったチョコを一つ渡すとじっと細目で見られる

どんだけ不貞腐れてんの
その姿に少し笑いが込み上げてきて

ふふっと笑いながらチョコレートの包みを剥がし中身を銀さんの口元に持っていった

「はい。銀さんの好きな甘いものだよ? 」

唇にちょんと当てると少し開けてくれたのでそのまま押して口の中に転がせた

「美味しい?」

「……うめー」

やっと声を出してくれた銀さんに笑ってもう一度、帰ろうかと言うと おー、と返事が返って来た








夕食を食べ終えお登勢さんの手伝いをしていると、今日も銀さんか迎えに来てくれた

「ねぇ、銀さん。嬉しいけど直ぐ上なんだから毎回迎えに来てくれなくて大丈夫だよ?」

「んー別に、暇だったから。」

「暇って、寝る時間だよ。」

「うるせーなァ、俺が勝手にやってんだから良いだろうが。何、迷惑なワケ?」

「そうじゃなくて毎回来て貰っちゃって悪いなって思っただけ!」

「悪くねぇから気にすんな。」

「分かった、もう気にしない」

また不貞腐れたらたまったもんじゃない
銀さんが勝手にやってると言うのなら、もう何も言うまい。
有り難く喜んでおこう。

「ありがと」



お風呂に入って買ったばかりの寝間着に着替えた

「それ今日買ったやつ?」

「そう!ずっと銀さんの借りたままだったから、買ってきたの」

「随分シンプルなの選んだな、耳付いてねぇじゃん。」

「いや、毎回耳付き選んでる訳じゃ無いからね」

しかも耳付いてるの高いし。


「ふーん、つかさ俺ん時もそうだったけどお前油断させる時スゲー近付くよな。」

「え、そりゃ不意を付くために。何で?顔近付けて来んなって?」

「ちげーよ、何で時々悲観的? そうじゃなくて、照れねーのな。」

「あぁ、イラついてるからそれどころじゃない。」

「あ、そうなの?じゃ普段照れるの?」

「どっちかと言うと照れ屋だよ?」

「ても俺照れてる所見たことねーけど。」

「え?」

「俺が何か仕掛けても睨むか、焦るとか?」

「仕掛けるって……」

そうだったかな……
普通に照れるけどな


「心の声が口に出てたとき、恥ずかしいと思った。」

「んー、ちげー。そうじゃなくて。 赤面的な。」

「そんな場面がたまたま無かっただけじゃないの? 」

そう言いながら電気を消すために立ち上がると腕を引かれて銀さんの上に倒れた

「いった、何すんの!危ないじゃん!」

「ほら、照れねー」

「は!?」

「見ろよこの体勢。お前俺の上に乗っかってんじゃん? でも照れねー。俺が家族だから? 他の奴だったら照れんの?」


え、何言ってんの?
家族でも照れるもんは照れるけど、いきなり引っ張って倒されて照れるわけ無くない?


「……照れて欲しいわけ?」

「まぁ、見たことねーなぁって思って。」


そう言われてもいきなり照れるとか出来ないなぁ

倒れたままの体を起こすと直ぐ手を離してくれた
体を跨ぎ膝を付いて、銀さんの顔の横に手を置き覗き込む

「え、な、何してんの名前ちゃん。」

「照れる?」

聞きなかがら、耳元のふわふわの髪を触りずらすとほんのり赤く染まった耳が出てきた。

「あ、照れてた。」

何も言わない銀さんを放置して立ち上がる

「ねぇ、もしかしてドSって相手からのアクションに弱いの?」

「……ドSは打たれ弱いんだよ。」

「そうなんだぁ」と言いながら電気を消して布団に潜った









何なんだこいつは。

こう言うことを平然とやってくる

俺の口にチョコを押し付けて来たり

今も平然と俺を押し倒した格好で髪を触ってきた。
いや、状況を作ったのは自分だけど、でも直ぐ手ェ離したし。

薄々危ねぇなとは思ってた、だから直ぐ下だろうと様子を見に迎えに行った

俺を男として見ていないとか男に慣れてるとかそんなことじゃない。

感覚がズレてんだ。
おそらく免疫はない
あればこんな事して何も無いとは思わないだろうし

ちょっと仕掛けただけで動揺して、そのくせ負けん気と睨んでくる
にも関わらず自分からは平気で近付く

危ねぇな、知らず知らずの内に勝手に勘違いした野郎に狙われたりしそうだなこりゃ。

傷付く顔は見たくねぇ

そして俺も危ねぇな

悪戯でちょっかい出して逆にやられそう
無意識だってんだから質わりーな

ちくしょう、治まれ自分と言い聞かせながら目を閉じた




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