名前は今まで見たこともないような表情で固まっていた。
しょうがないよね。多分、お互いに初めてだろうから。
「やめとく?」
「や、やるよ……、だ、大丈夫!き、きき緊張してひゅだけだから……っ!」
僕にもその緊張が伝わってきそうな勢いだ。
お互いにベッドの上で向き合って正座をしている。
ようは性行為をするかしないかの瀬戸際。
僕は特にしたいというわけでもないけれど、興味はあった。
ふとしたきっかけで名前に「しない?」と聞いたらオッケーという返事をもらった。
あの時はそんな返事がもらえるとも思わなかったから鳩が豆鉄砲をくらったような顔になっていたと思う。
「……はっ、始めてください!」
なんかの試合開始のような始まり方だなァとぼんやりと思った。
ここでそんな事をいうと名前は違う言葉を探そうとしてパニックになりそうだし……。
始めていいということなので彼女の頬に触れてみると、ふにっとした感触が手に伝わる。
思ってた以上に柔らかくてしばらく感触を楽しんでいようかと思ったけれどそれじゃあ先に進めない。
口を名前の頬へと持っていく。噛んでみたい、とは思ったけれど、そんな事をしたら好感度ってやつはさがるだろう。
唇で頬をついばむとピクリと肩がはねる。
そのまま口を下げていき首元をべロリとゆっくり舐め上げる。
「んぅ、」
顔を真っ赤にして下唇を噛んでいるのを横目にみる。
もっと声が聞きたい。誰にも聞かせたことのないような声を。
自分に引き寄せるような撫で方でお腹から胸にかけて触る。
親指に彼女の胸があたった。
そのまま手を胸に持っていく。
「か、カヲルくん!ちょっとタンマ!」
「……何?」
低い声が出てしまった。僕はしっかりとその気分になっているらしい。
名前はどこに手を置いていいかわからないのか手をバタバタとさせているのでその手を掴み僕の肩へと置くときゅっと服を握られた。
「し、下着を着けてないので……!」
「今から脱ぐのに必要なの?」
それにしっかり手の平にブラジャーの感覚がある。
今になってやっぱり止めたっていうのは聞かないからね?
そっと服の中に手を忍ばせ、後ろのブラジャーのホックを外そうとする。
けれど、構造がどうなっているのかわからなくてまごついていると名前が手で掴んでいた肩を放し自分の背中へとまわす。
ブラジャーが外れたのか下の方から手を入れれるスペースが出来た。
「あは、積極的だね。」
「え?!そ、そういうつもりでやったわけじゃ……あっ!」
僕の指が名前の胸の頂上にあたると声があがる。
さっきまで喋っていたから油断していたのか自分から発せられたその声に驚きと恥ずかしさが隠せないようだ。
早く自分のを挿れてみたい。
僕のを挿れたらどんな反応をするのだろうか。
どれくらい気持ちいいのか。一つになるってどんな感覚なんだろう。
彼女のスカートをめくり、下着を下ろすとあまりに早急すぎたのか名前は途中まで下がった下着をまた履こうとする。
「脱がないとできないのに何で履こうとすンのさ。」
「だだだだって恥ずかしいし……っ!」
「……僕は我慢できない。」
そう言って彼女の小さく露出した脇腹に口づけをした。
身体をずりずりと下げて彼女のふともものあいだに身体をいれこむ。
まだ濡れてはいないようだった。まじまじとは初めてみたけれど、ここに入るんだ。
「え、え、ま、まさかカヲルくん!そ、そんな事ダメ!き、汚いよ!」
「じゃ、舐めて綺麗にするよ。」
真っ白な日にやけていないふとももに手を這わせ、彼女に見せびらかすように舌を出してペロリと舐めあげる。
いやらしい声が上から落ちてくる。
ふとももは両側から僕の顔を挟み込もうとするので右手で左のふとももを押し返し、左手は彼女の中心を広げる。
穴を見つけてそこに舌を入れ込むとすんなりと中まで通してくれた。
中は温かみがあり、僕の舌をぐにぐにと締め上げてくる。
じんわりと口の中に彼女の味が広がる。
(――なんか不思議な味。)
もっと奥まで入れてみたら味が変わるかもしれない。
名前のことだ。きっと甘い汁が出てくるかもと思い舌を奥へと押し込む。
「ひぁああっ、やめ、カヲルくっ」
口の周りが唾液ではない何かの液体で濡れてきた。
彼女の愛液だろう。
舌を出し入れ掻き出してみる。うん、すこし甘くなってきたかも。
そういえば女性はこっちも弱いんだっけ、とクリトリスと呼ばれる突起に吸い付いてみるとビクンと腰がはねる。
「あっ、あっ、だめ!やだ!」
「気持ちいいンでしょ?」
さっきまで舌を入れていた穴に指を入れるとギュッとまるで搾り取るかのような動きをしている。
返事も聞かず彼女の陰核の形を確かめるためにゆっくり輪郭をなぞる。
そのあとは根元の部分をグリグリと舌でしつこく攻めてみる。
指も一緒に動かすとリズミカルな声が名前から上がる。
膣内はまるで僕の指を気持ちのいいところへ持っていこうとするような動きだ。
僕は指を持っていかれないようにくいっと曲げると名前は身体を反らせた。
ああ、絶頂にイきそうなんだな。
もう一本指を増やしてクリトリスに吸い付いたまま舐める。
「あああぁあ……ッ!!」
指を入れている中がまるで痙攣をするような動きをして、数秒したあとに動きが収まった。
口と指を彼女の秘部から離して口元を拭う。
体勢を戻すと自身は張り詰めていて、ズボンが痛く感じた。
窮屈なソレを開放しようとズボンのボタンを開けたところで名前の手が僕の手に重なる。
「?」
「わ……、私にもさせて?」
「え、いいの……?」
名前の行動が積極的になったり消極的になったりわからないなァと思いながらも嬉しい申し出だったから腰を浮かせる。
自分の下着を半分位までずらすと僕の性器は跳ね返り、その動きに驚いたのか名前はちょっとだけ身体を引いた。
「別に無理しなくていいよ?挿れば気持ちいいし。」
「ううん、したい……、カヲルくんにもっと気持ちよくなってもらいたいの。」
そういって名前は自分の髪を耳にかけたあとに先端をペロリと舐める。
ざらついたその感覚にくらりとめまいがした。
僕のを一生懸命ペロペロと、まるで犬のような姿に愛着がわいてきて彼女の頭を撫でるとぱくりと僕の性器を口に咥えた。
手でするよりもベチャベチャしてて、そんなところを舐められてて、
好きな人が僕を気持ちよくさせようとしてくれる。それだけで僕に刺激を与えるのは十分だった。
「はっ、あ、名前、でそう……、口放して。」
「っ!」
何を思ったのか名前は口をすぼめ更に吸い付き、僕の竿の部分を唾液で滑らせながら上下にしごいてきた。
その快感に僕が耐えられるはずもなく、声を押し殺しながら名前の口へと精液を放った。
出し終わり名前の口から性器を取り出すと唾液の糸が口と精液をつないでいた。
「はい……、ティッシュ。」
近くにあったティッシュを渡そうと手を伸ばして彼女に渡そうとしたら、彼女はオーバーとでも言えるくらいの音でごくりと喉を鳴らした。
…………え
「ちょっ!なにしてんのさ!の、飲んだの?!」
「えほ、ごほっ、おえ……。」
急いで彼女の口の中を開けて見てみたけれどその中は少し糸を引いていたくらいで何も入っていなかった。
よっぽどまずかったのか目尻には涙を溜めている。
「そんなのまずいに決まってるじゃん、なんで飲んだのさ……。」
「だって、げほっ、こういう知識いれた……時に、女の人が飲んでおいしいって言ってたから……。」
行き場のなかったティッシュを名前の目にゴシゴシと擦り付ける。
涙はすぐに収まったのか拭いたあとは泣いてはいなかったけれど。
「……、でも、ありがと。まずかったのに飲んでくれて。」
「だ、だって、カヲルくんのだもん。つ、次は、おいしく飲めるように頑張る。」
「……なにそれ、我慢できなくなるんだけれど。」
「っ、」
僕も出したし、名前もイったからこれで終わりにしようと思っていたけれど、なんだか可愛いことを言ってくれたので彼女をベッドへと押し倒す。
……そのあとは名前が泣きながら気持ちいいというまでヤりとおした。
中々頑固で言わなかったから結構な回数してしまったけれど。
お互いに気持ちよくなったから別にいいよね?