信じてる。  




「えぇーと、口寄せしたらちょっと暴走しちゃって…。
あ、助けてくれてありがとうございました。」

まさか暗部の人間に助けられるとは予想外!
敵と勘違いしちゃったかな?

ス…

あ、やっと降ろしてくれた。

「早くこの森から離れろ。」

アレ?って言うかこの気配…。


「ちょっと待って下さい。近くにナルトの…仲間の気配がするんです。
何であいつこんな時間に……すごく近いのだけは分かるのに。」


でも何か変だ。ナルトの気配なのに…ナルトじゃないみたい。
それに…気配が遠ざかっていくと言うよりは消えていく感じ?


「分かった。ナルト君なら俺が探しておくから君は…「ナルト?」

そうだ、この人だ。暗部という先入観から除外していたけどこの気配…間違いない。

「何で暗部の格好…っ、それに口調も雰囲気も…。
ナルト特有のチャクラがなかったらわかんなかったよ!」

「何言って「私の感知能力をバカにしないで。」

…っち、まさかここまでのチカラだったとはな。
ネジやヒナタの白眼や、キバの嗅覚とは全く別の感知タイプってことか?

チャクラの感じって……そんなもの皆同じだろ?


「指紋と同じで、チャクラも一人一人微妙に違うの。
私の目には何もしなくても誰のチャクラなのかが感覚で分かるわ。
…ナルトでしょ?答えて!本当に暗部なの?」

「お前には関係ない。」



ス……



ズルッ


「うぁあ!?」

「っち。」


フワッ…

「すきありっ!」


カラ…ン


綺麗な満月に照らされて光る金色の髪、昼の美しい空に負けない蒼の瞳。


「やっぱり…。」

「俺を騙すなんてな。」

「ナルトなら絶対仲間を見捨てたりしないなって信じてたから。」

俺なら絶対仲間を見捨てたりしない、ね。

「勝手に言ってろ。」

ス…

あ、一応足気遣って優しく降ろしてくれるんだ…。


「知った以上は話してもらうわ。
…そりゃさっきみたいに手とうくらって記憶操作されたらどうしようもないけど…。
でも、私は話してくれるって信じてる。」

「はっ、俺を騙した奴をどう信じろって?
そんな調子良い事いわれて信じる奴がいるかよ。」

…性格ひねくれすぎじゃない?

って言うか、本当にあのバカなナルトと同一人物なわけ?


「まぁ、そうよね。
でも私は大事な場面や真面目な話しをするときに相手をおちょくったりしない。
…もちろん、どうしても話せないって言うなら無理強いはしないけど……
きっとナルトは話してくれる…なんとなくそんな感じがする。」


っていうかこいつ、今表の姿の俺とケンカしてきまづい状態だって事完全に忘れてるだろ。

よくここまで簡単に人の事"信じる"なんて言えるよな…。


ま、確かに姫は昔から信じると決めた相手は例え悪党でも最後まで信じるバカだったからな。

表の俺と似て…。


だから俺は姫が嫌いなんだ。


だが、そんな姫の言葉を信じようとしてる俺がここにいるのも事実だ。
どうしてだか分からないけれど……なぜか姫になら話しても大丈夫な気がすると思っている…。


暗部…それも総隊長である俺がだ。


「…失格、だな。」

「……?」


「良いぜ、姫が知りたがってることを教えてやる。」

「ぇ…あ、うん。」


って言うか勢いでナルトに思わず突っかかっちゃったけど……


私たち、今ケンカしてんだよね。
しかも私はまだそれを許せる気になれてなくて……

いや、それ自体は今はこの際おいておくとしよう。


「よし、ならもう一人ここに呼ぶ。」


もう……一人?


あれ?この気配……


フッ…

「シカマル…?」

「!!」



やっぱり、だな。



「じゃ、話すぞ。」








.



  









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