ケンカ。
「うー…体中痛い。」
目が覚めたらなぜか私は病院のベッドの中で、しかも夕方。
サクラが言うにはナルトが私を抱えて病院まで運んでくれたらしい…。
で、そこから丸一日意識を失っていたと…。
原因はただ単に血を流しすぎたこと。
「…こうなりゃ、明日から上忍クラスの男の人に修行付けてもらわなきゃダメだな。」
「あ…また目覚めちゃった?鎮痛剤打ってるから良く眠れるはずなんだけど…。」
「あぁ、多分私その手の薬使いすぎて効力薄れてるんだと思う。
もうそんなに痛まないから平気よ!」
「そう…。あ、今回の任務の話はサスケ君から全部聞いたけど、全面的に姫が悪いわよ。」
うっ…サクラの長いお説教が始まっちゃうぞ…。
私はとても短気だからいつもサクラにキレそうになるんだけど……頑張って抑えてる。
「分かってる!ちゃんと反省してるよ!…ちょっとだけね。」
「そんなんだから「姫ー!見舞いに来てやったってばよー!…って、サクラちゃん。」
ゲッ……よりにもよってこのタイミングでナルトが来ちゃうわけ!?
「病院で大声出すな!はぁ…じゃああとはナルトに説教でもされなさい。」
嘘でしょ!?そんなんだったらサクラのお説教黙って聴いてるほうがマシだよ!?
ナルトのお説教なんて……喧嘩勃発間違いなしじゃん!!
キシ……
なぜかイスがなかったため、ベッドの端に座るナルト。
「…怪我は?」
「全然問題ない!明日にはそこらへん走り回ってやるわ!」
……うそ、全然問題ある。早くてもあと2日しないと歩くことすら出来ない。
任務に至っては1週間ぐらい入れないだろう。
「そもそも、あんな見え見えのトラップにかかるバカ、いねーってば。」
カチ…ン
「ナルトだっていつも見え見えのトラップにかかってるじゃない!」
「なっ…そんなことねーってば!」
何よ…サクラに言われたからって本当に説教しなくたっていいじゃない。
折角見舞いに来たんならもっと他に言うことあるでしょ!?
……別にナルトに言って欲しいわけじゃないけどさ…。
少なくとも、私よりバカなナルトに説教なんてされたくない!!
「うるさいっ!そもそも最初の怪我は、ナルトがトトラさんから目を離したのがいけないんでしょ!?
護衛対象から離れるとか……忍として最低よ!」
「なっ…姫を助けるためだろ!助けてやったのにそんな言い方ねーってば!」
確かにナルトの言うとおりだ。もしあの時ナルトが助けてくれてなかったらもっと大怪我をしていたかもしれない。
…自分は中忍のくせに下忍のナルトより弱い。
何で中忍になれたんだ?
「大体、姫は弱いくせにでしゃばって前線に出過ぎだってば!それで怪我して周りに迷惑かけて……って、姫?」
…うるさい、そんなこと…ナルトに言われなくたって自分が一番分かってる。
自分が無力で回りに迷惑しかかけてなくて……。
でも、だからこそ強くなりたくて努力して前線に出て……
実践の中でなきゃ強さは培われない。
「………って。」
「は?」
「出てって!!もうナルトの顔なんて見たくない!!でてけーー!!」
何……子供みたいに騒いでるんだろ。
ちょっとナルトに本当の子といわれたくらいで……大人気ないなぁ。
でも、自分がここ最近悩んでることをはっきり面と向かって言われたのが……ショックだった。
「…早くでてってよぉー。」
もう、最悪。
こんな泣き顔までナルトに見られて……。
ナルトにだけは、こんな情けない姿見られたくなかった。
だって…私はナルトより強いんだもん。
なのに、こんな格好悪い姿、見せれるわけがない。
「ちょっとー?何騒いで…「ごめんサクラちゃん。俺、帰る。」
「え?ちょっ…ナルト?何があったのよ、姫。」
「……ごめん、今は一人にして。」
はぁ…、何でこの二人は会えばいつも喧嘩しかできないのかしらねぇ。
でも、姫のこんな姿は私でもそう見ることはないから、ナルトによっぽどの事を言われたのか?
「…分かったわ。」
パタン……
…サクラにもナルトにも悪いことしちゃったなぁ。
けど、今一人にして欲しいのは本当だし…。
足が動けばすぐにでも逃げ出してやるんだけど…。
「歩くのは2日後でも明日には動けるから……そしたらどっか行くか…。」
なんて独り言をつぶやいて……。
あぁ、ちゃんとナルトに謝らなきゃ。
"ごめんね"って。
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